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老齢オヤジが死んだけど異世界でゆっくり老後をおくりたい~チートに大金ゆっくり老後、あれ俺若返ってるけど?  作者: 通りすがりの浪人者


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227/257

第227話 精霊解放 ~ガイン「あっ割っちゃった」

4連投から1日置いての投稿です。

では第227話 どうぞ






 商業中核都市ラグーン郊外


 今、この後背(こうはい)へ大きく広がる森林を前に広がった丘陵地帯には騎士団や多くの兵士が大きく輪を画く様に並んでいる。

 その輪を前にしている集団はこの地域一帯を管理するアンコール伯爵や近習そして配下の下級貴族迄が居並び皆一応に緊張の面持ちである。


 そしてその騎士団たちから大きく離れた一角には物見高い都市民達や冒険者、そして噂を聞いた旅人などがわいわいとにぎやかに今か今かとその時を待っていた。




 「それではこれより精霊魂石に封じられた精霊の解放の儀を執り行う。なお通知の通りどの様な危険が伴うか予想もつかない故ここに留まる者は自らの身は自らで守るよう。出来ぬものは早々に立ち去るが良い」

 アンコール伯爵の配下により拡声の魔道具を用いて儀式の始まりと注意が成されたがその場を去ろうとする者はいなかった。



 「そんなこと言ったてニャみんな初めて精霊を見る者ばかりニャ。帰るわけないニャ」

 獣人族冒険者のニャアラスはそんな事を呟いていたが確かにここ帝国に於いて精霊を使役したりする行為は禁止されていたこともあり一般の市民は物語の中でしかその存在を知らないのであるから興味津々なのも無理はない。


 そもそもこれから行われようとしている精霊魂石からの精霊の解放は秘密裏、若しくは関係者のみが立ち合いひっそりと行われる予定であった。しかしどこからそんな情報が流れたのか一般市民や貴族に至るまでうわさが広がり是非ともその様子をこの目で見たいとの要望が各所より出された事であくまでも自己責任でと念を押した上で見学を容認する事となった。



 「ちょっとちょっとさこんなに衆人環視の中であんたちゃんとやれるの」

 コルサミルは周囲に集まった貴族や多くの市民達の姿を見てその人の多さに驚きながらミサエラへ声をかける。


 「ちょっと言わないでよ。じゃなくても緊張しているのに。集中させて」

 天幕が張られその(もと)で与えられた席で控えていたミサエラは閉じていた目を開きキッとコルサミルへ苦情を言う。


 もと南の大国【ルドマリッド人民共和国】の工作員補助であり今はこの帝国へ亡命を果たし冒険者となったミサエラ。

 彼女は固有の行使力(スキル)【精霊への願い】そして【精霊の舞】を用いた自然界に暮らす精霊たちとの友好的な交友をする術を持っていた。

 対してラグーンに潜入し破壊活動に従事していた者の中にいた精霊の山の一族。この者はミサエラとは異なる行使力(スキル)【精霊使役】を行使し精霊を隷属化する事で強制的に働かせる技を有していた。

 しかし捕獲した精霊を無理やり封じる精霊魂石を所持したまま知矢達に捕縛されたがもしその精霊魂石をむやみに扱い破壊などをすれば無理やり封じられていた精霊が怒りを持ったまま解放され暴れる事を知った為今まで静かに保管されていた。


 しかしいつまでもそのまま封じて置く訳にもいかずもし何かの影響で破損などした場合の災害級の影響を考慮しこの度帝国皇帝の禁止令一部変更を受け精霊を強制することなく()()()技である精霊の山の一族が有する行使力(スキル)のみが行使出来る事と改正された。



 今日この場でその封じられた精霊を開放する。その行使力(スキル)を披露するミサエラが今ここでその出番を待っているのであった。



 「トーヤ、今日解放される精霊はどんな精霊か聞いてるニャ」


 「ああ炎等を扱う系統だとだけ聞いている」


 「まさかイフリートじゃないよニャ」

 ニャアラスは恐ろし気に精霊の名を口にする。


 「知っているのか炎の精霊、イフリートを」


 「ニャア名前だけニャ。もしイフリートニャらここいら全てが火の海ニャ」

 興奮気味なニャアラスだった。


 「そんな物凄い精霊がいるのか。しかしそんな恐ろしい精霊をいくら行使力(スキル)を使ったって簡単に捕まえて使役なんかでき何じゃないか。大丈夫だろう」

 知矢は以前捕縛した精霊の山の一族の男の行使力(スキル)を思い出す。


 その男が持っていた行使力(スキル)は【精霊封じLV24】である。

 (封じるレベルがそれほど高くないのじゃしな、中の精霊もそれ程強者が封じられているとは思えんな)

 と考えて少し安心していた。

 しかし問題は精霊を開放した時に”怒っている”かどうかだ。如何にそれ程高位の精霊出なかったとしても怒り狂った精霊が周囲へその力を振るったとするとそれなりの被害が出るのではないかと心配していた。


 しかし知矢の従魔G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)のピョンピョン曰く、

 『・・・(もし怒って暴れたら私の防壁で守ります)』と胸?を張っていた。


 もう一人の従魔、フェンリルの上位種であるフェリシアも子犬の姿で、

 『炎の精霊ですか、でしたら私も【水の檻(ウオーター・プリズン)】で閉じ込めて御覧に入れます』

 と可愛いしっぽを振り振りさせながら自身気に言うのであった。



 「二人とも頼もしいな。もし周囲に危害が及ぶようなことがあったらその時は頼む」

 そんなやり取りをしているうちにどうやら時間が来たようである。





 「――では紹介しよう。今回精霊を開放する術を行使するのは()()()()ミサエラ嬢である。

 ミサエラ嬢は前へ」

 進行役の官僚に即されミサエラはアンコールの前へとおずおず、緊張気味に進み出た。



 「ミサエラ嬢、此度(こたび)は大役であるがよろしく頼む。無事に精霊魂石に封じられた精霊を開放できた(あかつき)には君に大いなる感謝と共にその力に相応しい褒賞と名誉を持って報いるであろう」

 管理貴族のアンコール伯爵が拡声の魔道具を使いミサエラへ命を出す。



 「畏まりました伯爵様。名誉などは求めませんしかし私の力がお役に立てること幸せと存じます。この手で無事に精霊を開放して差し上げる事をお約束いたします」

 先ほどまで少し緊張でおどおどしているように見えたミサエラであったが心を決めた様子でしっかりとした受け答えをする。



 「うむ、では頼む。冒険者ギルド長ガイン殿!」

 重々しく頷いたアンコールは脇に控えていた冒険者ギルド長へ合図を送る。


 「畏まりました」


 その命を受け冒険者ギルド長のガインは冒険者数名を連れ丈夫そうな木箱を天幕の奥からゆっくりと運び出させた。


 大きく輪になり周囲を防御する様に盾を保持している騎士団や兵士たち。その輪の中心に置かれた厚い大きな石板(せきばん)の台へとガインたちはゆっくり、一歩一歩確実にその木箱を揺らさぬようにと慎重を期しながら運んでいった。


 大きな石板(せきばん)の前へとたどり着いたガインたちはゆっくりと木箱を地面へ降ろすと慎重に木箱の封を解き緊張の面持(おもも)ちで蓋を開けた。


 開け離れた木箱。同行していた冒険者はその場を静かにそして急いで離れて行く。


 一人残されたガインは冒険者たちが騎士団の輪の外へと退避したことを確認するとおもむろに木箱の中へ手を差し入れそっと大事そうに木箱の中へしまわれていた【精霊魂石】を取り出す。


 そのままゆっくりとそっと静かに精霊魂石は大きな石板の上、中央へと鎮座(ちんざ)させる様におかれた。


 精霊魂石を置いたガインは再びゆっくりと後ずさりをしながら石板から距離をとるとその身を(ひるがえ)し騎士団の輪の外へと(のが)れる様に退避(たいひ)していった。




 「・・・」アンコール伯爵はその様子を確認すると無言理にミサエラへと大きく顎を引く。


 「ハイ・・・」

 ミサエラは一言応えるとゆっくりとした歩調で騎士団が左右に控え、輪が僅かに開けられている通路をまっすぐに石板へと進んでいった。


 大きな石板の上へ置かれた精霊魂石がはっきりと見て取れるところまで近づいたミサエラはその場で歩みを止めると片膝をつき腰を下ろし僅かに(こうべ)()れる様に、その手は胸の前で握られ祈る様に目を閉じる。



 (精霊さん精霊さん・・・・ごめんなさい、そんなところに閉じ込められて苦しいわよね。今解放してあげるわ)



 ミサエラは祈りが終わったように無言で立ち上がると背筋をきりりと伸ばし両手を虚空へと広げる。


 両手を大空へ広げたまま石板を見つめる様にゆっくりと周囲を歩き始める。時に翻り、時に精霊魂石を(いだ)く様に次第に歩調を早めたミサエラはまるで踊る様にそしてその表情は笑みを浮かべ精霊魂石に向かって「一緒に踊りましょう」と誘っているかのように見える。



 「なんで踊っているニャ」


 「多分あれが彼女の行使力(スキル)【精霊の舞】じゃないかな」

 踊りと共にミサエラの周囲には幻想的にきらめく靄がかかりまるでそれはその場に精霊界を出現させたかの如く空間が広がっている。


 「「「「おー!!」」」」

 離れた場所で見守っていた市民達から歓声が上がる。


 片や輪を成して防壁を作り出している騎士団や兵士たちには緊張が走る。


 「・・・・」天幕にしつらえた席に座るアンコール伯爵や下級貴族たちも両手に汗を握り締めながらその幻想的な円舞から目が離せない。




 (さあ、そんな窮屈な場所から出て来て私と一緒に踊りましょう!)

 踊りながらやさしく語り掛ける様に祈るミサエラ。


 そして・・・


 『精霊解放』


 そう呟く様に魔法を行使する。



 すると・・・石板の上に鎮座するように置かれた精霊魂石が僅かに震えるとその直後音もなく真っ赤な光を発し何かがはじけ飛ぶように上空へ飛び出したかに見える。



 「「「「「「!!」」」」」」


 一気に周囲の者たちすべてに緊張が走る。




 『・・・・・』


 数メートルほどの高さにそれは現れた。


 揺らめく紫炎を纏うサッカーボールほどの球体が現れ空に浮かんだままゆらゆらとその身と周囲を確認する様に漂っている。



 「うっ」

 「凄い熱気だ」

 「熱いぞ大丈夫なのか」

 「逃げた方が良いんじゃないか」

 「失敗か」

 周囲にいた市民や下級貴族たちにその球体から発せられる熱気が伝わると感想と共に不安の声が沸き起こる。


 「者ども静まれ!!!儀式の邪魔をするな!」

 第1騎士団長のモンドールが騒ぎ出す者へ声を潜めながらも強く叱責する。



 「炎の精霊にしちゃ赤くないニャ」

 茫然と空を見上げていたニャアラスは冷静に小声で呟く。


 「えんじ色や真っ赤な炎より紫焔(しえん)は温度が高い。知矢様あの色強そうだけれど?」

 知矢の背後で控えていたサーヤは冷静に色から温度を推測し知矢へ問う。


 真っ赤な炎は約2000度から2500度、白色に近い太陽は5000度から6000度と推定される。暗い青や紫に見えるほどの温度だと3万度を超えるのではないか。その様な温度を身に纏う精霊はそれ相応の力を有しているのではないかとサーヤは心配する。


 「・・・ミサエラに任せるしかないな」

 知矢もその現れた精霊を見つめながらつぶやく。


 『かなり怒っている様子です主様』

 知矢の足元に控えるフェリシア(子犬バージョン)が念話で知矢へと伝える。


 『ああその様だ。当然と言っては当然だな』

 無理やり魔術で捕らえられ封じられていたのである、怒りに満ちているのは人でなくても当然の事だ。




 『やっと出てこれたわね~良かったわ! 初めまして精霊さん。私は精霊の谷の民ミサエラ、一緒に踊りましょう』


 ミサエラは紫炎を纏い怒りを露わにする様に見える精霊へ優しく楽し気に問いかけながらも円舞を続けた。


 紫炎の精霊を見上げながら回る様に軽やかなステップを披露するミサエラ。


 しかし上空から見下ろす様に漂う炎の精霊と思しきその紫炎はミサエラの問いかけに応える事も無く怒りの炎を身に纏ったまま揺らめくばかりである。



 「「「「「・・・・・・」」」」」


 その様子を見守るアンコールを始め皆は息をのむように静まり返っていた。



 『ピョンピョン、フェリシア、まさかとは思うがもしもの時には頼むぞ』

 知矢はミサエラへ任せたと言っていたがもしも精霊の怒りが爆発した時の為に周囲の者たちを守る事を従魔へと願う。


 『・・・(まかせて~)』

 『お任せください』

 二人の従魔は落ち着いた様子で応える。




 『さあ~私と一緒に楽しく踊りましょう~』

 なおもミサエラの円舞は続く。



 すると


 「ニャア!、色が変わってきたニャ」

 ニャアラスが小声で知矢へとつぶやくがその通り今まで紫炎を纏っていた精霊がその身の色を薄らめていく様子がはっきりと見て取れる。


 さらにミサエラの円舞は続きなおも笑顔を振りまきながらで精霊に問いかける。


 『精霊さ~んあなたのお名前は。私に教えてくれるかしら~』

 精霊を中心に踊り続けるミサエラは問いかけるように歌う。



 『我はイフリータ様の(しもべ)サラマンデス。お前は我を開放した者か』


 その声は周囲に聞こえぬ直にミサエラへと発せられた。


 『ええ私は精霊の谷の民、ミサエラ。精霊さん達を友として生きる一族よ。サラマンデスさん、私の家には炎の精霊サラマンダーさんがいつも遊びに来てくれていたわ~

 こうしていつも私の踊りを観たり一緒に踊ったりしていたのよ』


 精霊サラマンデスの問いににこやかに答えるミサエラは幼いころから友としていた炎の精霊たちを思い出す様に語りながらなおも円舞を舞う。


 『精霊の谷の民ミサエラ・・・サラマンダーの小僧達より聞き覚えがある。その舞、見事である』


 サラマンデスと名乗るその精霊はいつの間にや身に纏う炎の色を紫炎から白炎へと変じそして赤炎を纏う姿を見せていた。


 『その楽しき舞で我の怒りを鎮めるとはな。しかし我を封じ屈辱的に使役した者たちの事は忘れん。じゃがこうして自由を得た今は急ぎ急ぎイフリータ様の元へ戻らねばならぬ。ミサエラとやら』


 『はい、なんでしょう~』

 ミサエラの円舞はまだ続いている。


 『我を開放したその事覚えておこう。我が一族の力が必要ならば呼ぶ事を許す。その時はまたその舞を披露するが良い』


 そう言うとサラマンデスは真紅の炎を一回り大きく身に纏った直後上空高くと舞い上がり直ぐに遠くへと飛び去って行った。



 サラマンデスが飛び去った後一連の舞を終息する様にアンコール達の方に向き直ったミサエラは両足の踵を揃え優雅に右手を虚空から斜めへ振り下げると腰を折り深く頭を下げるのであった。



 パチパチパチとアンコールが拍手を送る。すると


 パチパチパチパチパチパチと周囲へ拍手の渦が伝播して巻き起こり

 「「「「「「ワー!!!!!!」」」」」」

 拍手と歓声が巻き起こった。



 「すげー!精霊だ、本物の精霊だ!」


 「行っちゃったな」


 「なんだあの踊りは・・・おれなんか感動しちゃって・・・」


 「何泣いてんだよ」


 「本当に精霊っていたんだな」


 「あの女性は何者なんだ」


 「冒険者って言ってた。そうミサエラって呼ばれてた」



 「ミサエラさーん!」

 「ミサエラー!!」

 「凄かったぞ!」

 「素敵ー!」


 周囲は炎の精霊への恐怖から解き放たれ感動と称賛の渦が巻き起こっていた。



 「炎の精霊か、初めて見たニャ」


 「ニャアラスは以前から精霊を知っていたんじゃなかったか」


 「俺の知っている精霊は風の精霊と大地の精霊だニャ。見たわけじゃないニャ感じるだけニャそして囁いてくれるだけニャ。あのこは凄いニャ」

 まじかではっきりと精霊の姿を見、その精霊と交流を果たしたミサエラの姿にニャアラスは感動していた。



 「何とか無事に済んだな」


 『・・・(良かったですね)』

 『凄い魔力と熱気でございました』


 無事に済んでほっとする知矢と従魔たちであった。




 無事に精霊の舞を披露し封じられていた炎の精霊を開放したミサエラはアンコール伯爵の元へ歩み寄り膝をつく。


 「伯爵様、なんとか無事、炎の精霊【サラマンデス】さんを解放いたしました」



 「炎の精霊はサラマンデスと申すのか。

 しかし見事な舞を披露しその大役を果たしたミサエラ殿の力、感服した。この都市の人々の不安を拭い去り誰一人として怪我も無く閉じ込められていた精霊を無事に開放して差し上げられた功績は大である。よって後日それに報いる褒賞を用意しよう。差し当たって本日は冒険者ギルドより先に褒美を出すとの事だ」


 アンコール伯爵からの賛美の言葉の後今度はアンコールに促された冒険者ギルドのガインが前へ進み出た。


 「Fランク冒険者ミサエラ、貴殿の働きは多くに民の命と財産を守りかつ冒険者としての力を広く為さしめるものである。 その功績を称えここに貴殿をDランク冒険者へと昇挌することとする。今後もその技を持っての活躍を期待する」

 ミサエラへ告げるギルド長ガインの言葉に戸惑いをみせるミサエラ。



 「えっ?私先日冒険者になったばかりなのにええっ?」



 「良いから受け取っておけ、詳細の説明は後日ギルドで行う」そう小声でつぶやくガインはミサエラへ書面を押し付ける様に渡すとアンコール伯爵へ頭を垂れて下がった。



 「よし!皆の者、最後にDランク冒険者ミサエラの栄誉を皆で称えようではないか」


 アンコールの代わりに前へ出て来た第1騎士団長のモンドールは周囲に響き渡る大声を張り上げながら抜剣した大剣を大空へと掲げ



 「ウーラー!!!!」と声を上げた。



 すると騎士団や兵士たちそして冒険者がそれにならい剣や槍そして拳を大きく掲げ


 「「「「「ウーラー!!!!!!!!!!!」」」」」


 「「「「「ウーラー!!!!!!!!!!!」」」」」


 「「「「「ウーラー!!!!!!!!!!!」」」」」


 「「「「「ウーラー!!!!!!!!!!!」」」」」


 「「「「「ウーラー!!!!!・・・・・・」」」」」


 「「「「「!!!!!!!!!!!!」」」」」


 大きな青空に【Dランク冒険者精霊使いミサエラ】を称える歓声はいつまでも響き渡るのであった。








**********************





 開け離れた木箱。同行していた冒険者はその場を静かにそして急いで離れて行く。

 一人残されたガインは冒険者たちが騎士団の輪の外へと退避したことを確認するとおもむろに木箱の中へ手を差し入れそっと大事そうに木箱の中へしまわれていた【精霊魂石】を取り出す。


 そのままゆっくりとそっと静かに精霊魂石は大きな石板の上、中央へと鎮座(ちんざ)させるかに見えたその時である!!


 過度の緊張によるものかガインはその身の足を絡ませると前方へバランスを崩し勢いよく倒れ伏した。


 するとその手に持っていたはずの【精霊魂石】が宙を舞っていた。


 「「「「あーっ!!!!!!」」」」


 周囲の声もむなしく宙を舞っていた精霊魂石は設置してあった大きな石板の上へとカコーンと音を立てて落ちていくとパリーン!と破壊音を上げて砕け散った。




 モクモクモク・・・・・

 破壊された精霊魂石から突如紫煙が噴き出すと上空へ浮かび上がった。


 紫煙はその姿を大きくそして紫炎へと姿を変える。


 『我をこんな狭く苦しい物へ封じていたのはお前か!!!!許さん!!!!』


 「えっいや、ちが・・」


 精霊魂石に強制的に封じられていた精霊は姿を現すと眼下に倒れ伏ガインの抗弁の言葉を聞く間もなく怒りに任せてその力を爆発させた!




 「キャー!」っと叫ぶ悲鳴が一瞬聞こえたが即座の轟音に打ち消されそれと共に周囲へ紫の爆炎が一瞬のうちに大きく広がっていった。






 数年後商業中核都市ラグーンの郊外には焼け溶けた大地の大穴の淵に建てられた石碑があった。


 『冒険者ギルド長ガインの失敗により炎の精霊の怒りを受けた数百人の命がここに消えた』


 そう刻まれ、巻き込まれた者への鎮魂と精霊への謝罪、そしてガインへの罵声が伝説として語られていくのであった。





**********************




 「なんだその下手な物語は! ふざけるな!俺がそんなミスをする訳ないだろう!」


 「ニャはは、ギルド長はあの時物凄く緊張してたにゃ、顔は青ざめて足は震えてガクガクしてたから今にも転ぶんじゃないかって心配してたニャ」

 大きな金属のジョッキを掲げてニャアラスは陽気に笑っていた。


 怒り狂うガインも酔いか怒りか判別できない程、顔を真っ赤にしながらビールをあおる様に飲むのであった。



 「やれやれ」知矢は呆れるように苦笑いを浮かべながら自身もビールを口にするのであった。


 チャンチャン!




【3/8に中国ウイルス感染者と接触が確認されました】3/10午後、アプリの表示に衝撃が走る。

すぐに抗原検査を実施   【陰性】

気を抜かず直ぐにPCR検査  【陰性】

体温も正常、体調も問題なし。念のため2日間外部との接触をなるべく控えてました。


ふざけんなよ脅かしやがって。もう東京なんか電車で行かないからな!!!!

まあその分小説を執筆する時間が増えましたが(;^_^A


ではまた次話にて

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