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老齢オヤジが死んだけど異世界でゆっくり老後をおくりたい~チートに大金ゆっくり老後、あれ俺若返ってるけど?  作者: 通りすがりの浪人者


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第224話 新たに得る物 ~ 「よしトーヤに任せたぞワッハッハー」

何と!久しぶりに2日連投!

では第224話どうぞ




 商業中核都市ラグーンの冒険者ギルド、一階では多くの冒険者が出入りをしいつも通り活況であったがこの三階のフロアーは静まり返っていた。

 もっとも防音の魔法処理がされているのでめったな事では中の様子が漏れる事も少ないのであるが。




 「ニーナの奴から大体の話は聞いている」

 冒険者ギルド長ガインは仏頂面をしながら自分のデスクの椅子へ背を預けながら目の前のソファーで静かに紅茶を飲む男と話をしている。



 「じゃあ話は早いな。そういう訳だから冒険者ギルドの管理下にあり空いている建物とか余っている土地を売ってくれ。勿論金は即金で払う」

 目の前の男は言うまでも無く知矢だ。



 「・・・話は聞いているがなんで俺んとこへそんな話を持ってくるんだ、めんどくせーな。大体土地や物件が欲しけりゃ商業ギルドに言えばいいだろ。あっちが専門だ」

 ガインは不満をあらわにして動く気配が無い。



 「そりゃあんた達冒険者ギルドが抑えている建物や土地の処分に困って塩漬けになっているっていう噂を()()()()聞きこんできたから(ついで)に協力してやろうと思ってな。

 だいぶ前に商業ギルドへ売るつもりが第一商業ギルドと第二商業ギルドが覇権を争っていた真っ最中の頃の事らしいじゃないか。

 冒険者ギルドとしちゃあどっちに付くわけにもいかない。で仕方がなく置き去りになっていた物件が今もってそのまま。ギルドの帳簿上は精算が済んでいるのに物件だけがそのままってことは負債になっているんだろ。いいじゃないか、この際きれいさっぱり負債を精算するのに協力しようって言うんだ。何が気に食わない」


 以前商業ギルドは二つに分裂し互いの権力争いを行っていたが今はギルドも一つしか存在せずその業務は多少健全化を果たせたとも思える。詳しい経緯は割愛する。

 (第41話~参照)



 「お前っ何故そんなことまで、チィ、ニーナの奴だな」


 「おいおい勘違いをするな。ニーナさんが職務上知りえた事項をそう易々と外部へ漏らすわけ無いだろう。街の噂だ噂」


 ガインは冒険者ギルドの主任であるニーナが懇意にしている知矢へ情報を流したと勘繰るが勿論そんなことをする女性ではない。

 こういった情報やその他、街の情報は()えて収集専門の者を使っている訳ではないが使用人たちには買い物時やその他、街の人々と交わりを持った中で知り得た情報、些細でも一見無関係と思える話でもそして裏も取れていない噂程度の物まで含め耳にしたことを書面で提出すればなにがしかの報酬を渡す様にしていた。


 その情報を精査し(まと)めるのがサーヤの仕事だ。その情報をもとに必要とあらばボンタが裏を取ったりして集約した情報を知矢へと上げる。

 そう言った地道な情報収集を知矢は以前から秘かに行わせていた。


 だからと言ってゴシップをネタに誰かを脅すなどという訳ではなく情報と人とのつながりはいつか役に立つと言うのが知矢の信念だ。


 因みに知矢が大学時代体育会弓道部に於いて外衝担当という役に付いていた頃から他のメンバーから「情報屋」といつのまにか呼ばれるほど色々な情報を手にしていた。それには地道な人間関係を広げる努力の上へ培ったものであったが当時まだ携帯電話やインターネット等は存在していなかったことから考えるとものすごい情報収集力であった。


 そう言った過去の経験から特にこの異世界で生きていく以上見知らぬことも多い知矢は特に情報を知る事に重きを置いていた。


 ただしやはりその情報の入手方法は人とのつながりが殆どであるため時間は相当かかる物だったのは仕方がない。




 「とまあそんな話を街で聞いて来てな実際現地も見てきたが塩漬けにしとくのは勿体ないじゃないか。だから俺が活用してやろうっていう訳だ。で、その空いている建物って言うのがこれとこれとそれにその他の細かい物件を合わせて七件、そして空き地はここだな。さっさと契約書を作ってくれ」


 知矢は無限倉庫からあらかじめ用意しておいた地図に書き記した箇所を示しガインへ契約を迫る。


 「・・・・」ガインはちらりとその地図に目を向けたがそっけなく視線をそらし無言だ。


 「・・・・」知矢も言葉を発せず静かに紅茶へ手を付ける。


 「・・・・」





 「・・・・解った解った。ったくこの野郎。条件は何だ、金じゃないんだろう。また以前みたいに厄介な指名依頼でも出そうって魂胆か。何でもいいが時間の無駄だ早く言え」



 「ゴホン、まあAランクの冒険者であるお前からそう言いだしてくれた事だし話を聞かせよう」

 もったいぶった口調でガインは立ち上がると席を知矢が座るソファーへと移し話を始めた。



 「起こりはもうだいぶ昔、四代前のギルド長の頃だ」




 ――事の起こりは60年ほど前の事である。



 ここ商業中核都市ラグーンも60年前は今ほどの人口も多く無く単なる一商業都市の位置づけであった。

 それでも街道が交わるこの都市では商業・流通は盛んであったため人の往来は活発で年々膨張をし始めていた。


 そんな中大森林で捕獲した魔獣を大都市へ運び財を成そうとした商人が冒険者の護衛と共に街道の途中で立ち寄ったのが当時のラグーン。

 一晩の宿を求め単に立ち寄っただけの事であったが大事な商売の元である魔獣を失う訳に行かず運搬用の魔馬車に特殊な台車を設けそこへ魔獣を生きたまま囲っていた物を都市の内部へ持ち込んだ。

 捕らわれていた魔獣は沼地に生息するワニのような魔獣でその真っ青な外皮は硬く剣や槍を受け付けない。しかも火の魔法のファイヤーボール程度であれば傷もつかない耐火性能も強く盾や防具としての需要も高い。そして巨体が上にその肉も多くしかもあっさりとした肉は弾力を持ち非常に美味と高値で取引されていた。内包されている魔石も体の大きさからそれなりに大きいと期待されている事から生きたまま大都市へ運び込めばそれなりの財を成す事は明白であった。


 その為商人は得物を奪われぬよう防備の冒険者を雇いしかも元気に生きたまま運び込めばより高値で取引されることを見込み弱らぬ程度にえさを与える事にも余念がなかった。


 しかしやはり生まれ育った環境から引き離され遠く大都市まで運搬するにつれ次第に生気を失いつつあった。

 それでも何とか生きてさえすればそれ相応の価値がある為商人はこのまま運搬をするつもりであったが運ぶ人も急ぎ旅で強行路でもたまに宿で英気を養わねば持つ物ではない。


 そんなラグーンでの夜。


 それは突然起こった。


 『gugyagyagyayaya!!!!!!』


宿に設けられた、魔馬舎から響き渡る、魔獣の叫び声。それは尋常な声ではなく夜番の者だけでなく宿にいた者そして周囲に住まう者の目も覚まし人々が何だなんだと明かりを手に魔馬車へと詰めかけた。


 台車の上に設けられた柵の中で苦しむように叫び声をあげた魔獣はその身をのたうち回らせ暴れていた。


 柵の中とは言え暴れもだえる魔獣にだれも手を出すことが出来ず集まった人々はそのまま周囲を囲むように様子を窺っていた時だった。


 『ugyaaaaaaa!!!!!』


 今までの叫び声をさらに甲高く一際苦しい叫び声をあげた直後その口を虚空に向けたと思うと何かどす黒い液体を吐き出した。


 周囲にはじけ飛ぶ不明な液体に周囲にいた者たちは叫び声をあげながら逃げ惑った。


 その物質を吐き出した後魔獣はドスンとその身を横たえ息絶えたようであった。


 事が起きたのはその後である。



 死ぬ間際に吐き出したどす黒い何かは周囲に散らばった後何か蠢き出すと人々の鼻に何か得体のしれない刺激臭を感じそれはどんどんひどくなり猛毒のような刺激を拡散し始めた。


 周囲にいた人々は叫びながら口元を抑えて逃げ惑うばかりだった。


 わずかな明かりでどうすることも出来ない人々はその場は仕方がなく放置し日が明けるのを待つしかなかった。


 翌日、日が昇り街に日の明かりが十分届く様になった頃、昨日の悪臭を何とかしろと宿主や周囲の者から攻め立てられた商人の一行は掃除用具などをかき集め布で顔を覆いながら魔馬舎へと嫌々向かった。


 彼らが見た物は想像もしなかった光景だ。



 宿の裏手、建物から少し離れたその場所は昨夜よりもひどい悪臭と刺激臭を発しさらには何かが飛び散った場所どころか広範囲にどす黒い蠢くドロドロしたものが広がりまるで生きているかの如く近寄ってきた商人たちへズルズルと地を這うように近づいてくる。


 驚いた商人たちは恐ろしさと共に未知の危険を感じ騎士団の詰め所へと走りこんで助けを求めた。



 その後その物質に対しある種の生き物ではないかとの事で騎士団の魔法使いが集められ火の魔法での焼却を試みた。しかし火を浴びて一瞬その動きが弱まるものの消し去る迄は至らずしかもファイヤーボールなどの火炎爆裂魔法を行使するとそのドロドロした物体は飛び散りさらに範囲を広げて増殖をしているように見えた。


 「なんだこの物体は!生きているのか」

 「それにこの臭いだ、臭くてたまらん」

 「これ毒じゃないのか」

 「わからんがとにかく臭くてかなわん」

 「一度離れて対策を協議しよう」




 その後当時の管理貴族であった現伯爵であるアンコール伯爵の先代が方々に手を求めありとあらゆる施策を持って消し去ろうとするも全て失敗に終わった。

 おそらくは魔獣の体内に宿っていたアメーバーのような生き物の一種と思われたが未知の生物に対抗する手段は終ぞ発見することが出来なかった。


 唯一増殖と広がりを止める為周囲に防護の石積の柵を設け常に火を焚いているかまたは聖魔法や聖水などを用いる事で止めるのが精いっぱいであった。





 「――とまあこんな状態がこの数十年続いているってわけだ。常に火を燃やし続けるのも大変でな、それだけでどれだけの散財をしてきたか。それ以上にいつまでも火で止めとく訳にもいかん。いつか何かの間違いでそいつが外に漏れ広がる危険もある。それでという訳で」


 「俺にそいつを何とかしろというのか。過去に英知や死力を尽くしてもとどめておくことしかできなかった未知の物体をどうしろって言うんだ。無茶にもほどがあるぞ」

 知矢は何てことを言い出すのかとあきれ顔である。


 「なんたってお前はこの短期間に数々の偉業をも成し遂げてきた実績があるじゃねえか、何とか知恵を絞って。それにだ」


 「それになんだ」


 「まあ何と言うか、お前んとこにいらっしゃるカーネタリア様の聖魔法でほいっとよ。それもお前から頼んでくれよ」


 「Sランク冒険者への依頼ならギルドから出せばいいじゃないか。なんで俺を通してカーネタリア様に頼む」


 「お前はそう言うがよ・・・やはり伝説の冒険者だぜカーネタリア様は。言いにくいじゃねえか。お前なら親しくしてもらってるし毎日顔を合わせてるだろ。なんとか頼んでくれよ。そっそれともしその変な物質の浄化が出来ればお前の希望する土地や建物は無償で提供する。なんならその浄化した跡地も全部くれてやるからどうだ」


 ガインは藁にも縋る思いの様である。長年の懸案、しかも管理貴族や商業ギルドと折半とは言え対策に費やす予算も膨大である。知矢が希望する土地や建物など無償で渡すくらい今後も続く対策費を思えば安いもの。ガインは先ほどまでの物調面(ぶっちょうづら)どころか半泣きの様にすがる面持ちを見せるのであった。


 「わかったわかった。一応カーネタリア様と下見をしてみるが期待するなよ。それにダメでも土地は売れよ!」


 そう言うと知矢は立ち上がりギルド長室を後にするのであった。






 「トーヤ君、はいこれがその場所の地図。この都市の配置図になるわ」

 ガインの部屋を後にした知矢はニーナに頼み問題の場所を教えてもらった。


 「もう私が生まれてくる前からあそこは封じられて近寄ることも出来なくなっていたから無くすことが出来るなどと考えもしたことは無かったわ。トーヤ君なら何とか出来そう?」


 「まだ見てもいないので話だけでは何とも言えませんね。カーネタリア様に同行を願って調べてみますよ。しかしガインの奴こんなもんを押し付けやがって」


 「ごめんなさいトーヤ君にばかり無理を言って。何かできる事があればギルドとしても全面的に協力するわ。それとこれが依頼書よ。これをみせればあのエリアを監視している兵士さんが中に入れてくれるのよ」

 ニーナは申し訳なさそうな顔つきで知矢宛の依頼書を差し出した。


 「ニーナさんが悪いわけじゃありませんよ。じゃあ一度戻ってカーネタリア様に相談してみますね」


 「あっトーヤ君もう一つ渡しておくわ」

 そう言うとニーナは一冊の冊子を差し出した。


 「これは大昔から何度も浄化や討伐などあらゆる手を試した記録をまとめた物。結局失敗に終わっているけれどそれも判断材料になるんじゃないかしら」


 「おおそれは助かります。何も知らずに同じ失敗を繰り返す事も無いですからね。じっくり読ませてただきます」

 そう言うと知矢は身をひるがえし冒険者ギルドを後にするのであった。


 なお肩にはピョンピョンがおり、足元にはフェリシア(子犬バージョン)も付き従っているのは言うまでもない。


今日は昨日書きました通り東京さ行ってまいりました。

無駄に疲れ消耗した一日でした。しかし以前より電車も空いており新宿駅地下街の空きテナントや街のテナントの空室が目立ちました。中国ウイルスでかなり疲弊したのが見て取れます。さて今後一年どうなりますやら・・・・・。

ではまた次話にて















 追伸

 初めての民事訴訟! 完勝!完全勝利!


 でもまだいろいろあるんだよな・・・疲れた。

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