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第202話 新たなる冒険者たち ~ マスクアレイ注入、攻勢防壁を3重に!急げ

こんばんは

また少し空きましたがなんとか8月最終日に投稿できます。


では第202話 どうぞ。






 その日、知矢は朝から冒険者ギルドへ足を向けた。

 昨晩、冒険者ギルド長のガインに言われた【変異種】かもしれないオーク・キングのドロップ品の残りをギルドへ届けるためであるが知矢にしては早い時間である。

 


 日頃は早朝目を覚ましてから朝の紅茶を飲み、その後朝食。その後使用人からの報告や商店への指示、知矢への要望などを聞くなどの打ち合わせをする為出かけるのはその後である。


 今朝、いつもの行動と異なるには訳は・・・特には無かった。

 単なるいつもの思い付きでの行動だ。


 

 しかし早朝、いつもより早い時間と言っても屋敷に泊ったニーナやニャアラス等はもっと早く起きて朝食を食し既に屋敷を後にしているのだから一般の冒険者としてはかなり遅い方である。


 しかし知矢はギルドに行くとしても早朝の依頼争奪戦の邪魔をするつもりも無く、またギルド職員が忙しい時間帯に態々手を煩わせるつもりも無い。そう言った意味ではちょうどよい時間だともいえる。



 昨夜知矢から

 「だが一生俺のもとで下働きという訳にもいかないだろう。どうだ今後は冒険者としての立ち位置へ戻し、依頼を受けランクアップを目指してはどうだ」

 そう告げられたボンタはその話しのせいなのかは不明だがすでに屋敷を後にして姿がない。

 知矢も最近は騒ぎも起こらずボンタへ何か指示を出している訳でもないので自由にさせている。




 屋敷を徒歩で出た知矢は肩にG・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)の従魔ピョンピョンを乗せ足元にはフェンリルの変異種の従魔フェリシアを従えている。


 二人は町の様子を眺めながらたわいもない会話をしながら知矢に従っていつも一緒だ。 種族も知矢との関係も出会った経緯もそして体躯も遥かに異なる二人であったが特に互いに嫌う様子もなく最初からうまく付き合えている様子だ。




 『・・・(だからたまに入荷する希少部位がある時はあそこのお店が美味しい)』


 『しかしそれではいつも行くわけにいかぬな。ならばあっちの屋台ならば平均的に旨いし串に刺さった肉も大きいからそちらの方が良いのではないか』


 『・・・(じゃあ今日はその屋台で!)』




 今日の二人の従魔はおやつに食べる串焼きをどの店にするか協議中の様であった。勿論、朝食もしっかり食べおそらくは昼食も食すのであろう。しかし二人にとって知矢と街を歩きながら思いついたように食べること自体を楽しみにしている様子であった。そんな二人を知矢は楽しそうに黙って微笑みながら希望の店を頭の片隅にメモするのであった。



 そんなふうに都市の通りを散策しながら冒険者ギルドへと到着した一行。



 ラグーン冒険者ギルド。その石造りの建物は長い年月を経て風格を増し一際目立つように掲げられている象徴ともいうべき看板は剣と矢をクロスさせたモチーフにそしてその外郭は盾を型どったオーソドックスなものだが風格を増した石造りの建物にはかえってそういったデザインがよく似合い、落ち着きと重厚さを醸し出している。



 早朝の出入りが多い時間を過ぎたとは言え、未だ人の出入りが多いためか大きな厚い木の両扉は開け放たれ始終冒険者であろう鎧や武具に身を包んだ者、マントを羽織りつつ旅へ出るのか荷を背負う者、仲間と新たな依頼や冒険へ出発するのであろう勇んでわいのわいのと言い合いながら出て来る者など様々な人々が行きかう。



 知矢は最近そう言った者たちと顔を合わせる機会も増え、しかも最近話題独占のAランク冒険者でもあるのですれ違う者が知矢に気が付くと皆が声をかけてきたり頭を下げながら羨望のまなざしで見送ったり、中には従魔へ手を振って来る者などもいた。


 (いつのまにかにわしも知己(ちき)が増えたものだ)

 異世界へ転移をし冒険者となって未だそれ程の月日は経過していないはずだがとそんな事を考えつつそれぞれに挨拶を返しながらギルドの扉を潜った。





 既にピークを過ぎてはいるがギルドの中も未だ大勢の冒険者で活気に満ちている。


 この数か月、中核商業都市ラグーンとその周辺は人口増加の一途をたどっていた。


 以前からも6万人ほどの人々が周囲数キロの城郭内に住んでいるとされていたが実数は不明でおそらく10万ほどの人々が生活していると言われていた。


 そして昨今は魔鉱石発見とそれに伴う採掘場建設やその周囲に作られた採掘村にも1万人ほどが居を構え始めている。

 それに併せ人・物の往来が倍々で増え、さらに数々の魔道具やそしてマジックバックの販売などのおかげも加味するとラグーンだけで15万人、周辺の衛星都市や村々も好景気で合わせると30万人以上。以前の倍以上の人々がラグーンとその周辺地域に住み往来し商売を行うなど今は活況を呈していた。



 人々が盛んに行きかい物資の流通も盛んになるとそれに伴い冒険者への依頼も増大していた。


 掲示板には毎日採取依頼や討伐依頼それに護衛依頼などが溢れとてもラグーン冒険者ギルドに出入りしている冒険者だけでは捌ける数ではなかった。しかしその活況の情報は周辺はもとより帝国中にも広がり時に噂は北の隣国迄届いていたらしく帝国はもとより近隣国からも遠く足を延ばした冒険者が仕事を求めて殺到していた。



 そんな一団が今、まさにラグーン冒険者ギルドへたどり着いた様だ。



 「兄様(にいさま)、やっと着きましたね」


 可愛らしい歓喜の声をあげ、はしゃぐ(よう)にギルドの中を見回す少女。少女とは言ったが小柄なだけで本当はもう18歳の立派な大人であった。しかも小柄なその体躯ながら背には自身の身長と同じくらいの槍斧(ハルバード)を斜めに背負う姿が異様に感じられる。


 しかしその小柄な体躯をよく観察すると引き締まった腕、それに短めのズボンから見え隠れする鍛え抜かれた脚、ふんわりとした上着とマントに隠れたがっしりとした肩幅に気が付く。

 そこで気が付けばその重い槍斧(ハルバード)を背にしても全く動きに緩慢さどころか逆に静かに歩を進めることのできることに驚きを禁じ得ない。



 「はあっ・・・着いたなエル。じゃあ宿へ」

 息も絶え絶えで今にも膝から崩れ落ちそうなほど疲労感を漂わせている男は傍にある打ち合わせ用の椅子の背を掴み座ろうとしたが


 「何言っているのです兄様(にいさま)。折角夜を徹してここまで来て朝から宿ですって。()ずはどんな依頼があるのかを吟味(ぎんみ)し、即日(そくじつ)こなせるものを見つけねば今夜の宿はともかく明日以降をどうやって暮らしていくつもりですか。さあさあ、兄様(にいさま)


 エルと呼ばれた女性は兄と呼ぶ男が疲れ果てているのも構わずに強引にその背を押しつつ多くの依頼が掲示してある依頼掲示板へと(いざな)った。



 エルに背を押された兄は同じような魔獣の皮を薄く鞣した様なマントを着ているがその下から見えているのは厚い胸板ではなくどちらかと言えばそのひょろりとした身長に見合った薄い胸厚、そして背を押されわらわらとバタつかせる腕もひょろりと細く長い。

 とても妹であるエルとは異なり力や強靭さは感じられなかった。


 しかし、その背には妹と異なり重い槍斧(ハルバード)ではなくひょろりとした慎重に長さだけは似合う両刃の剣。しかもその鞘から見るに厚手の肉を持つ大剣を背負っていた。



 周囲の冒険者たちは新顔がまた来たみたいだと二人の掛け合いを見ながら笑うだけでその装備と体躯の異様さに目を向ける者はいなかった。



 「ええとDランクの依頼はっと・・・」エルは幾分低い背をめい一杯伸ばす様につま先に力を込めながら数ある依頼からこれはと言うものを探し出そうとする。


 「エル~。そんなに慌てて探さなくても後からモスリーが来るからそれから相談しようよ」

 兄と呼ばれた男はエルが必死に依頼を吟味する様を少し離れた椅子にいつのまにか腰を下ろし足を放り投げている始末だ。



 「何を言っているのですか兄様(あにさま)。モスリー(ねえ)は一度衛星都市を経由して魔鉱石採掘村へ魔法薬を届けた後です。あと2日は来ませんよ。ですから直ぐにでも依頼を受けねば路銀の殆どを持つモスリー姉がこの都市につく頃には2人共餓死をしてしまいます」

 二日ぐらい食事をしなくても餓死はすまいと思いつつも妹へ反論する気力もないのか兄は椅子の上でうなだれていた。






 そんな冒険者たちを横目に見ながら知矢は受付のニーナに声をかけた後、通路の奥から倉庫へと向かった。



 『・・・・(ご主人様。なにやら美味しそうなものがいっぱいです)』G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)のピョンピョンは知矢の肩に乗ったまま倉庫へ入ると周囲を見回して興奮気味に念を発する。


 「おいおいピョンピョン、ここは食堂ではないからな。勝手に食べたりするなよ」

 ギルドの建物の裏手にはドロップ品や貴重な魔物の部位、そして多くの獲物が所狭しと保管してある。


 そういったものの中には貴重なものも多いため普段は一般冒険者は立ち入り禁止の区域で職員の同行無くては覗くこともできない。


 出入り口にはギルドカードや通行証をかざして隔壁を開ける魔道具があり知矢もそこにAランクのギルドカードをかざしてロックを解除し入ってきた。


 Aランク以上はセキュリティーを通過すれば出入りすることは可能である。

 もちろん入退場者は記録される。




 「こんにちは、ギルド長に言われてオークの上級種と思われる個体を持ってきました」

 知矢は従魔をなだめながら倉庫に常駐する解体や選別、保管担当のギルド職員へ声をかけた。



 「ああトーヤさんおはようございます。ギルド長から聞いていますよ。なんでもオーク・キングかそれ以上の可能性があるとか」

 50絡みの体格のいい職員は知矢の姿を見ると直ぐに他の若い職員へ声をかけ大型の台を用意させた。


 「ではこちらへお願いします。乗りますかな?」

 大きさを心配したのであろう。知矢に台を()(しめ)しながらひょっとして乗らないほど大きな個体なのではと少し心配のようだ。



 「ええ大丈夫です。実は昨夜のうちにうちの者たちに解体させてその肉の殆どを食用にさばいてしまいました。残っているのは頭部や内臓、それに外皮や手、足だけですので」


 そう言いながら知矢はリュックの口を無限倉庫へリンクさせ次から次へと各部位を台の上へと並べていった。


 出されたオーク・キングと思われる魔物の部位を見た若い職員たちはそれだけで「「「おおー!」」」と圧倒されたような声を上げた。


 「うむうむうむ・・・・・」

 しかしその並べられた部位を一つ一つ丹念に見る年嵩(としかさ)の職員は時折うなり声をあげる。




 『主様。こう見るとまだまだあの様に脚にも食せる部位が残っております。回収いたしますか』


 『・・・(それに美味しそうな内臓が山程)』


 『二人ともダメだ。これは彼らが生態を調べる為に持って来たんだからな』

 そんな会話を三人が念話で交わしている間も年嵩の職員は真剣な顔で調べている。




 「おお、やっと来たなトーヤ」

 すると倉庫の入り口から冒険者ギルド長のガインが姿を見せた。


 「早速検分か。どうだモジット何かわかるか」

 知矢へ一声かけるとガインは丹念に部位を調べるモジットと言われた職員へ声を掛ける。



 「うーむ。ギルド長、まだ何とも言えませんが大きさだけでも過去に入手した個体より一回り以上大きく、外皮も強靭さが見受けられます。色々これから調べませんとはっきりした事は言えませんが昨日確認した魔石の事もありますので少なくともただのオーク・キングとも思えません。

 必要なら住居としていたとされる岩場、洞窟の中も調べる必要があるでしょう」

 年嵩の職員は初見のみを簡潔に述べた。



 「まあそうだな。よしそれじゃ各部位はいつものように保管の魔道具、じゃねえ」そう言っていったん言葉を切り知矢をちらりと見てから

 「時間停止機能の付いたマジックバックで保管しながら研究を進めてくれ」



 そう職員へ告げると再度知矢を振り返り

 「お前のところで売っているマジックバックは重宝しているぞ。そこでだ、高額支払いをしたお客様に一つサービスを付けてくれると嬉しいのだがな」

 とにやりと口角を上げて知矢を見下ろすガイン。


 「・・・なんだそのイヤらしい顔は」知矢はまた何か面倒ごとを言い出すのではないかと渋い顔をするのだった。





********************************



 「で結局その洞窟を調べる依頼を受けたって事ニャ?」

 知矢の隣を歩くニャアラスは何か嬉しそうに知矢の顔を覗く。


 「なんだよその顔は。俺だってそんな依頼受けたくなかった。だが『発見者である貴殿達に行ってもらえば場所も把握しておるし危険もなかろう。Aランク冒険者として最後まで責任を果たしてもらわんとなハッハッハ!』 とか言いやがって」

 知矢はガインの口真似をしながら依頼を受けた経緯を話す。



 「ニャア、でも俺達もその指名依頼に加わせてもらえたからラッキーニャ。指名依頼はギルドポイントも高いニャ。ねえカーネタリア様」


 知矢の指名依頼へ加わることができたニャアラスは喜びながら後ろをついて歩く。いや訂正しよう後ろを巨体な騎乗従魔であるギガントポメラニオンの背に乗りついてきている老人へと顔を向けた。



 すっかり市民の認知を受けたカーネタリア老人の騎獣、ギガントポメラニオン。


 都市の門を一歩出た傍らに建設された専用の住まい。とは言っても周囲を風よけと防柵代わりの板塀で囲まれた屋根しかない建物であるが何せその巨体故、魔馬などの小屋では入りきらない為に新造されたものだ。



 今ではBランクともAランクとも言われる大森林の魔獣を見物する者まで現れ毎日その周囲に人だかりが出来るほどであった。

 しかし当初はやはりその恐ろしい魔獣を警戒し遠目で様子をうかがっていた市民たちであったがいつのまにかすっかり半ば日本でいうところの和歌山県にあるアドベンチャーワールドのパンダのように人気者だ。




 「それにしてもカーネタリア様がこうして同行してくれるのは初めてですね」


 「ヒャッヒャッヒャ。たまにはこいつの散歩をさせんとなヒョッヒョッヒョ」

 老人は騎乗する魔獣の首をポツポツと叩きながら相変わらずのひょうひょうとした口調で答える。


 「こいつに散歩が必要かニャ?いつも郊外の森で獲物を狩っているニャ」


 「ハハハッまあたまにはこうして肩を並べていくのも良いだろう。ただカーネタリア様。残念ですがこれから行く洞窟は入り口が狭そうですからひょっとしたらギガント・ポメラニオンでは入れないかもしれませんよ」



 「ヒョッヒョッヒョ。こやつがおぬしの従魔のように姿形や大きさを自由に出来れば良いのじゃがなヒョッヒョッヒョ」


 知矢の後方を静かに歩を進めるフェリシア。今日も郊外の為その姿は本来のフェンリルの姿であった。

 もしこの2種の魔獣の事を知らぬ者が目撃したらおそらは仰天し即刻騎士団へ駆けも見息も絶え絶え通報する事であろう。

 しかし当の2頭は互いの主に従い争うこともけん制することもなく穏やかに進んでいった。





 「ついたニャ!」

 そうニャアラスが先日オークと戦いと言うより狩ったお目当ての洞窟を見つけ駆けて行った。


 『主様(あるじさま)ご免』そう知矢へ一言告げ軽く頭を下げたフェンリルの上位種であるフェリシアも即座に駆けていった。

 おそらくは知矢が到着する前に洞窟周辺の安全を再確認するためであろう。 もっとも、知矢はレーダーの魔法で常に周囲には目を光らせているのであるが。



 知矢とカーネタリア老人が後からその洞窟の入口へ到着すると異変が起きていた。



 『・・・(誰!私の防壁を壊したのは!)』

 知矢の肩に乗るもう一人の従魔G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)がその無残な状態を目にして()()()である。


 「これは・・・」知矢も洞窟入口の様子をつぶさに確認する。


 「ニャアトーヤ。これは外からだニャ」


 「ああ間違いないな。内側から何かが出てきたというより外部から破壊したとみるのが妥当だな」







 一行の目の前に大きな穴をあけている洞窟の入り口。


 あの日、知矢はオイーク・キングとの戦いを終え全ての獲物を収納した後周囲を見回しながら

 「ちょっと酷いかな」

 知矢たちの周囲一帯そして洞窟へ至る道筋には戦い、狩の痕跡が広がっていた。

 土交じりのどす黒い地面を見回し 「掃除の必要がありそうだ」と呟くと



 「魔法で綺麗になるニャ」とニャアラスが言うとつかさず「クリーニング!ニャ」と生活魔法クリーンの上位魔法を行使した。


 その魔法により一瞬で周囲に飛び散っていた凄惨な狩の後が消え去り元の地面が現れた。


 「ニャアラス、お前魔法使えたのか」

 知矢は驚きの声を上げた。


 「ニャアそんな驚くことじゃないニャ。生活魔法は誰でも使えるニャ」

 と事も無さげに応える。


 知矢は最近ニャアラスと狩や依頼に何度も行っていたが一度として魔法を使う場面はなく常に剣や槍、そして高い身体能力を生かした体術を行使している場面は何度も見ている。

 そうしていつの間にかこの猫獣人族の青年が魔法を使えるという事をすっかり失念していたのであった。


 2度目に会ったとき知矢はニャアラスを鑑定していたことを思い出す。

 


 ニャアラス(25)獣人族(猫種)

 冒険者ランクC、剣術lv25、槍術lv40、船槍術lv30、操船術lv25

 加護:白き山の豹神加護(小)

 特力:基礎生活魔法LV5、水魔法LV15、身体強化魔法(自動)lv28



 といった具合に知矢やフェリシアには遠く及ばないものの基礎的な生活魔法も持ち攻撃魔法の水魔法や特筆すべきは身体強化魔法のレベルが高い事である。

 元々種族的な特性からレベルが上がり易いのかも知れないがLV28はかなりの物である。



 「いや悪い。いつも槍術や剣術ばかり披露しているだろう。てっきり魔法は使えないのかと思い込んでた」

 知矢はまさか鑑定で以前から知ってたとは言えなかった。



 その後 「この穴どうするニャ」ニャアラスは周辺が綺麗になったのを確認すると今度は洞窟の入り口をどうするか尋ねた。



 「魔法で岩場を崩したり土魔法で塞いでも良いがひょっとすると今後ギルドの調査員が来るかもしれないしな。簡易的に入り口を塞げないかな」



 そんな相談をしていると知矢の肩に乗った従魔が必死に手を振りアピールをしていた。


 「なんだピョンピョン。良い案でもあるのか」

 すると任せてと念が発せられるとピョーンと知矢の肩から飛び去り地面へシュタッと降り立つと



 『・・・蜘蛛の防壁(スパイダーウォール))』



 瞬時に洞窟の大穴へ向けて細かい光る網目がびっしりと張り巡らされた。

 それはオーク達を洞窟へ封じ込めた【スパイダー・ネット】と明らかに異なりその輝く糸は非常に細くしかも張り巡らせている密度は濃い。生き物、魔物や魔獣、人族などの出入を制限するに充分であった。


 「おっピョンピョン凄いじゃないか」知矢が従魔をほめると照れるように前脚で頭をかいている。


 『主様。これは見た目以上に凄い物でございます』

 もう一人の従魔フェリシアが指先でその防壁へ触れながら知矢へ伝えた。


 「丈夫そうだな」


 『はい、確かに丈夫でございます。オーク・キング等の突進は壁が持たないかも知れませんがこの糸一本一本自体が”聖”の魔力で覆われておりますので決して切れることは無いと考えます』


 「そうなのか。凄いぞピョンピョン。いつの間にそんな凄い行使力(スキル)を覚えたんだ」

 従魔の進化に盛大な喜びを表す知矢であった。

 しかし




 「ニャア、これ調査員が来たらどうやって入るニャ・・・・」


 「あっ・・・・・」


 そんな理由もあり知矢はガインからの指名依頼を強く拒否することができなかったのである。




********************************




 「外、外部から破壊してって事は誰かが侵入したって事か」そう言いながら知矢は感知レーダーを詳細に確認するがやはり依然と同様洞窟の仲間では感知ができなかった。



 『これほどの聖なる防壁をここまで破壊できるとはいったい』

 フェリシアも自らが確認し強度を保証した仲間が作り上げた見事な防壁が見るも無残に粉々に切り裂かれている様子に驚きを隠せない。



 「うむうう・・・・・」

 ひょっこりと姿を現したカーネタリア老人は地面へ膝を付けその切り裂かれ地面へ打ち捨てられている残滓を手に取りじっと見つめて思案している。



 「カーネタリア様。何か解ったかニャ?」


 『・・・(プンプン誰ですかいったいもう!)』



 (聖魔法をこれほど粉々にする・・・まさかのう。いやそれが妥当か。じゃが・・・・)

 老人はしゃがんだまま思案するのであった。







 

今日2021年8月31日。午後から非常に激しい雨が降りました。


実はHxSXSE+の為にDIYで自作したガレージが以前から雨漏りをしておりまして。小雨程度ではそうでもないのですが今日の様にまとまって振ると屋根のどこからか壁を伝わり床がビシャビシャ。酷い物です。(-_-;)

一念発起? 各所を調べて雨漏れ個所に手を加えましたところ今回はほぼ、98%浸水を抑制出来ました!

良かった良かった。下手な素人工作はダメですね。

(まあ2%は察してください)



 ではまた次話にて。




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