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第199話 オーク死闘 ~ 「くらえ聖級魔法!!!」

久しぶりに二日連続投稿です。明日以降は仕事が始まりますのでまた更新が開くかもしれません。

いよいよ連載第200話目前。どうするかな~


では第199話 どうぞ。





 知矢たち一行は追ってきたオークが姿を消しレーダーにも反応しないことを訝しみながら岩場の崖を迂回しつつ反対側へと位置を変えるために移動を始めた。


 『・・・(私がここから降りて見てきます)』

 大きな従魔フェリシアの肩に乗っていた小さい従魔、G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)のピョンピョンが念を発し切り立った岩場の斜面を短い脚先で示しながら知矢へと斥候役(せっこうやく)「を申し出た。


 「行けるのか、なら頼もう。だが無理な接近はしないですぐに戻って来るんだぞ。怪我をしないように注意してな。足元はかなり滑るはずだ」

 知矢は小さな従魔の俊敏さや高い能力は知っていたはずだがその小さく愛らしい姿にどうしても過保護になってしまうのだった。


 『・・・(了解です!)』

 気軽な念を発すると小さい従魔はフェリシアの肩からぴょんと軽く飛んだと思うと際立った崖に飛び出る岩の切れ目、凹凸(おうとつ)を利用しながら、時に口腔から細い糸を吐き出しスカイウォークを楽しむように素早く降りて行った。


 その様子を岩場の陰から観察する一行。


 「ピョンピョンは小さいし身軽だから斥候役には向いているニャ。何かあってもオークごときではあいつに敵う訳もないニャ」


 「まあ確かにそうだろうな。でもまだ幼いんだしもしもの事があったらと思うと心配だ」


 「トーヤ。幼くないニャ・・・・」


 そんな二人の掛け合いをしている内に小さな従魔はあっという間に2匹のオークがいる、先ほど知矢たちが観察していた反対側へと音もなく降り立った。


 周囲を見て回るようなそぶりの従魔から知矢へすぐに念話が入った。


 『・・・(ご主人様。やっぱりこっちの岩にオークでも入れるくらいの入り口があって洞窟みたいですよ)』


 「やはりそうか。だからレーダーにも反応がないんだな。わかったピョンピョン安全なところで隠れていてくれ。少しこっちで相談する」


 そう小さい従魔へ念を送ると知矢はニャアラスともう一人の従魔フェリシアへと向き直り小さい従魔からの報告を伝えた。


 「ニャんか変だニャ。洞窟に巣くうオークなんて聞いたことニャイニャ。でもほっとくわけにもいかニャイから突撃するニャ」


 「いや待てニャアラス。相手の数、戦力が解らない上に中の構造も不明だ。こっちは戦力はあると言っても少人数だし大群に囲まれた上に狭い穴の中で数に勝る敵に殲滅魔法も使えない状態で消耗戦になったら勝ち目はないぞ」

 とにかく考えようと知矢はいきなり突入の愚を犯さず周囲の様子や状況を把握してbetterな方策を考えることにした。


 「フェリシア。後背を襲われては敵わないから周囲の索敵を頼む。ニャアラスは得意の脚で地形の確認をしてくれ。ピョンピョンは一度こっちに戻ってくれ。静かに、見つからない様にな」


 知矢は皆へ指示を出すと自身も周囲を見渡しながら岩場や崖の構造などを確認した。




 (洞窟・・・空気穴とか必要じゃ無いのか。何処かにもう一つ入り口があるとか。そうなると突入したとしても反対側から逃げられては意味がないしな。通気口みたいな物があればそこから煙を充満させて・・・煙の元がないか・・・)



 そう考えている内に小さな従魔が崖を昇り戻ってきた。


 「ピョンピョンご苦労だったな」そう言いながら肩に乗る従魔を指先でさすった。


 『・・・(ご主人様、さっきの穴へ向けて私の細い糸を流してみたら風が奥へ向かって動いてましたよ)』


 「やはりか、良いところに気が付いたな。お手柄だ」


 知矢は小さな従魔の報告ではやり別の入り口か通気口の様な物があるのだろうと確信した。

 風に乗って軽いクモの糸が浮遊し吸い込まれるというならその行き先が必ず風の出口となる場所が必ずある。

 と転移前、数十年培ったエンジニア時代の知識。 ※ドラフトという概念を思い出しながらほかの穴などを先に探すことを再度ほかの二人へと伝えた。



 

 暫く4人で周囲の岩場や崖の反対側を探索していると

 「トーヤ」

 小声でニャアラスが知矢を呼びながら手を振っていた。


 「何か見つかったか」


 「ここニャ。この岩の隙間からオークたちの匂いがするニャ」

 ニャアラスが指さす箇所には岩と岩が重なり合っているがかがんで脇から見ると人が通れる程高さは無いないが横に広がる大きな隙間があった。


 「さすが臭いを感知するとはニャアラスだな」


 「あいつら臭いからよくわかるニャ」

 ニャアラスは鼻をつまむような仕草で顔をしかめる。しかし知矢は風の流れは感じるがそこまでの強い匂いは感じない。やはりそこは獣人族ならではの高い能力のたまものであった。


 「さて、通気口らしきものは見つかったがさてどうするか」


 『主様。相手に合わせた場所で戦わずにおびき出すと言うのはいかがでしょう』

 フェンリルの従魔が進言する。


 「そうだな。何も相手に有利な地形を選ぶ必要もないから洞窟に突入するのは避けて焙り出すか」


 「どうするニャ」


 「単純にこうするか」





 知矢は一時その場を離れ少し離れた森でフェリシアを伴い枯れた木の枝や倒木それに枯葉をどんどん集めて無限倉庫へ収納していった。


 「これくらいあれば十分かな。よし戻ろう」


 洞窟の入口への監視をニャアラスと小さい従魔に任せていたところへ合流。


 「フェリシア、合図であの見張り役の2匹を声を出させないように同時に倒せるか」


 『お任せください』

 フェンリルの従魔は岩場の陰で背にしていた弓を取り出すと何もつがえていない弓の弦へ取り懸けをし魔力を込めた。


 するとつがえていない筈の弓の弦にうっすらと魔力で作られた矢が現れる。


 その様子を確認した知矢は

 「ニャアラス俺たちが下りたら念のため他の出口がないか監視していてくれ。ピョンピョンは打ち合わせ通りだ」

 「わかったニャ!」『・・・(了解!)』


 「よし、フェリシアいけ!」

 知矢の合図で従魔は手にして控えていた弓を大きく引くと岩場の陰から崖の下へ向けて魔力で作られた矢を放った。


 ヒュンとわずかな矢羽(やはね)の風切り音とカーンと言う高い弦音(つるね)と共に放たれた魔力で生み出された矢は突如二本に分かれるとそのまま狙った2匹のオークの額へと打ち込まれた。


 矢を打ち込まれたオークは声を上げることもなくその場に倒れ伏しそれを確認した知矢たちは「それいくぞ」と一斉に崖下へと駆け下りていった。



 駆け下りると小さい従魔が真っ先に『・・・(スパイダー・ネット)』と念を発すると口腔から白い糸が吐き出され崖の下に空いている高さ3m、横幅4mほどの洞窟の入口と思われる穴へ網目状に拡散して貼り付けられ入り口を(ふさ)いだ。


 知矢は即座に無限倉庫から先ほど森で集めた倒木や枯れた枝葉を洞窟の入り口前に積み上げると生活魔法の【ファイヤー】を連続的に放ち着火する。

 「フェリシア最初はゆっくりと穴へ向けて風を送ってくれ」


 『畏まりました』そう涼しいげな声で応えると右手を差し出し燻り出した焚火へ向けて風魔法を行使した。


 パチパチと音を出しながら枯れた枝葉が燃え広がる。さらに風を送るとたくさんの白い煙を出しながら炎が倒木にまで移ったようだ。

 その風を魔法で誘導するとドラフトの関係で吸い込まれるように洞窟の中へと白い煙が速度を上げながら入っていった。


 燃える様子をみながら知矢は追加で無限倉庫からどんどん枝や倒木を追加しその上から湿った大量の葉を焚火と炎を覆うように乗せるとさらに白い煙が沸き上がりそれはフェリシアの風魔法とドラフトで完全に誘導されて洞窟の中のみへ吸い込まれていく。



 「トーヤ!風穴から煙が出始めたニャ」

 崖の上からニャアラスが声をかける。


 「そうかだいぶ煙が回ったな。他の出口は無さそうか」


 「ニャア今のところその穴だけだニャ。これから穴をふさぐから少し待つニャ」

 そう言うとニャアラスは崖の上から姿を消した。


 少しするとそれまで風魔法とドラフトで洞窟内部へと吸い込まれていた煙が行き場を失ったかのように出口付近へ滞留しながらあふれ出す。


 「通気口を閉じるとこのありさまか。そうなると出入口はここだけって事だな。ニャアラス!確認した。通気口を再度解放したら下りてきてくれ。そろそろ燻されて苦しんでいる奴らのお出ましだぞ」



 そう知矢が崖の上へと声をかけるとすぐに『buuuubu』『buhyaa----』と洞窟の奥から様々な叫び声が聞こえてきた。


 その直後小さい従魔が洞窟の入口に張り巡らせた網 【スパイダー・ネット】へと大勢のオークが走って突撃してそのまま絡み取られた。


 「おお良い感じだ。ピョンピョン大量だぞ。それじゃ狩と行くか」


 煙に巻かれ苦しみながらも必死に洞窟の出口へとたどり着いたオークたちは出られるはずの穴にまさか網が仕掛けられていると思わず後ろからもどんどん、次から次へと狂ったようにオークたちがネットめがけて突っ込んできた。


 それを知矢が尽かさず「サンダー」と初級の雷魔法を連発しオークを倒していく。


 『スパイダー・ショット』小さい従魔もつかさず白い糸を固めて作られた弾丸を口腔から次々と打ち出しオークを仕留めていった。


 「ニャア、攻撃魔法の無い俺は活躍の場がないニャ」崖から降りてきたニャアラスは得意の槍を両手で首の後ろに掛けながら残念そうにつぶやきながら見学だ。


 「なあに、すぐに出番が嫌と言うほどあるさ」

 知矢はサンダーの魔法を行使しながら次の場面を想像する。


 目の前で従魔の網にとらわれていたオークをあらかた仕留めたころそれは起こった。


 知矢たちの攻撃で既に動きを失ったオークをとらえている網はオークの壁の様である。

 そこがギシギシと既に死んでいるであろうオークとスパイダー・ネットごと軋みだした。


 『・・・(そろそろ持たないかもしれませんね)』小さな従魔が呟くように念を送った。


 「ニャアラスそろそろ本番だ」

 知矢は魔法を止め腰の刀の鯉口(こいくち)を切る。


 風魔法を行使していたフェリシアも風を止めると知矢に倣い腰の刀を抜き去った。


 煙がいまだ多く立ち込める洞窟の入り口に突如異変が生じた。


 『byugaaaa!!!』

 叫び声と共に従魔が設置した網が岩場が崩れるとともに引きちぎられるように洞窟の入り口が解き放たれ先ほどまで大量のオークの屍でふさいでいた穴が白い煙とオークごと吹き飛んで飛散した。


 その中から煙を切り裂くように飛び出した巨体。


 「オーク・ジェネラルニャ!」槍を構え瞬時に走りこみながらニャアラスが叫ぶ。


 『byuhigyaaa』何ごとが起きたのかは理解していない様子であったが怒り狂い苦しみから逃れるように飛び出してきた今まで出会ったオークの中で一番の巨体を誇るオークが少し苦しみながら出てきた。


 つかさず走り寄ったニャアラスは低い姿勢から槍を一閃。オーク・ジェネラルの太腿を深く切りつけると即座に後背へ回り込み背中へ向けて槍を突き刺す。

 そのまま刺さった槍を両足で抜く様にオーク・ジェネラルの背中を蹴り飛び上がって距離をとった。


 その素早い攻撃で一瞬のうちに2度深手を負わせる俊敏さと攻撃力には目を見張るものがある。


 「いいぞニャアラス」

 知矢が声をかけ追撃を仕掛けようと踏み込もうとした瞬間。


 『お任せを』フェンリルの従魔フェリシアが獣人に勝るとも劣らない踏み込みでオーク・ジェネラルに肉薄。

 煙で呼吸困難に陥りパニックであったときにニャアラスから受けた攻撃で脚を取られ片膝をついて苦しんでいるところに今度は下がった頭の付け根。首元をフェリシアにより懐から一気に刀を振りぬかれるとスパーンと音でもしたかのような錯覚を起こすほどの切れ味で肩から上が虚空へと飛び去った。


 まもなく知力と力を失った巨体はずしんと前向きに倒れ静かになった。


 その間も穴の中からは煙で目と呼吸が困難になったオークが次から次へと湧き出す様に出てくる。


 しかし新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込むこともなく知矢やニャアラス、小さな従魔G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)そしてフェリシアによって狩られていった。



 洞窟の穴の前は死屍累々であったが途中から狩を他の3人に任せた知矢が 「足元の邪魔になるからな」と次から次へと無限倉庫へ収納していった。


 「せいニャ!」最後の一匹と思われるオークを切り伏せたニャーラス。

 つかさず知矢がその(むくろ)を収納し周囲には一匹のオークも存在していなかった。


 「よし皆お疲れ。それにしてもうまく行き過ぎたな」

 周囲の様子を見回しながら知矢は (こんな単純な作戦がこうも上手くいくとはのう) と自分で提案したもののそんな単純ではないであろうとも考えていたため肩透かしであった。


 「いやあ久しぶりにこれだけ狩ったニャ。トーヤ何匹いたかニャ」

 ニャアラスは槍を血振り布切れで拭きながら聞いてきた。


 「各自の狩った数は解らないがおれのマジックバックにはオーク・リーダーが5匹、オークが135匹、オーク・ジェネラルが1匹だ。まあ大量だな」

 少し苦笑いを浮かべながら知矢は答えた。


 (ひょっとしたら100匹ぐらい行くかもと話していたがまさかこれ程とはな。このまま放置していたらすぐに200や300を超える大集団に発展したのは確かだ。恐ろしい話じゃ)



 「この数を冒険者ギルドへ売却すれば明日からは都市中で安い焼肉三昧ニャ。トーヤ、オーク・ジェネラルは売らないでみんなで食べようニャ。こいつを食べるともう普通のオークニャンか食べられないニャ」


 ニャアラスは脂ののった上位種の肉の美味さを思い出す様によだれを垂らす。


 それは楽しみだと知矢が答えた時 『Gyabuuuuuuuuu!!!』突如洞窟から新たな叫び声が上がった。


 再び刀を持つ手に気を込めその声の方へ向き直る知矢たち。すると洞窟の奥から未だ白い煙が立ち込める空間からズシンズシンと足音を響かせる新たな者が現れる。


 洞窟の入り口を窮屈そうに頭を下げて現れたのはオーク・リーダーが子供に見えるいや、オーク・ジェネラルでさえそう見える体躯は4mにも及ぼうかという巨体に今までに見たこともないがっしりとした岩の様な筋肉を纏った個体が出現した。


 「トーヤ、まずいこいつ【キング】だ」


 現れたのはオーク・キング。その名に恥じ無い巨体と纏う力があふれるような風貌。オークならではの猪のような顔つきをはるかに凶悪にしたそしてその目は怒りでなのか真っ赤に染まり知矢たちの存在を知ると睥睨するように見回し 『Byuhyuuuuuuuuuuuu!!』と怒りを込めて雄たけびを放った。その雄たけびで地面と空気は震え木々からは葉が吹き飛ばされるほどであった。


 警戒の声を上げたニャアラスであったが知矢の脇に控えていた従魔のフェリシアは何の事も無いという涼しい顔つきでゆっくりと手を差し伸べるように突き出すと 『ギガ・サンダー』と静かに中級の風魔法の雷撃を放った。



 主である知矢や従魔仲間のピョンピョンそして主の友人が皆近距離にいたことからフェリシアは極大魔法ではなく極範囲と影響を考慮し中級魔法を選択したのだ。



 ピカッっと光が上空に広がった瞬間、目の前に堂々と立ち知矢たちを睨みつけていたオーク・キングの頭上からドドーンと衝撃が光と共に打ち込まれた。


 すぐに眩しい光と衝撃が静まり目の前には雷撃で燻ったオーク・キングの姿が現れた。


 しかし「駄目ニャ!!」ニャアラスの叫びと同時にギガ・サンダーで丸焼きにされたと思われたオーク・キングの巨体がその体躯に似つかわしくない素早い動きで自分に攻撃を放ったか細い生き物へ向けてその身を突進させた。

 いつのまにかなのか最初からなのかオーク・キングの手には厚手の大剣が握られておりそれを突進しながら大上段からフェリシアへと一気に怒りを込めて振り下ろした。


 ドーンと衝撃音が発せられその厚手の大剣に押しつぶされて切られたかに見えた従魔フェリシア。


 しかしその音はオーク・キングが自身の大剣で地面を打ち据えた音と衝撃であった。


 その衝撃を交わす様に知矢たちは瞬時に跳んでオーク・キングから距離を置く。


 攻撃を向けられたフェリシアも何ごともなく知矢の隣へと静かに着地した。


 「おいおいあれだけの魔法を受けて全く動じないどころか即反撃とは恐れ入ったな。どれだけ丈夫なやつなんだ」

 知矢はその巨体から未だフェリシアの放った雷撃の燻りが消えていないオーク・キングへ称賛とも呆れとも思える言葉を呟く。



 「あいつは魔法耐性があるニャ。上級魔法か高位の聖級魔法じゃないと一発で仕留められないニャ。まさかこんなところでオーク・キングに出くわすなんて思っていなかったニャ。それに肉体も硬い鎧みたいだニャ・俺の槍は傷ぐらいしかつけられニャイ、どうするトーヤ」


 ニャアラスは叫ぶようにオーク・キングの強さを伝えてトーヤへ指示を仰いだ。

 残念ながらニャーラスが自身で言う通り高位の魔法耐性と鎧のごとく硬い皮膚を持つオークの中から強い物が厳選されて上位種へと進化した結果だ。まさにキングの名にふさわしいと言えるであろう。


 そんな話をしている間にオーク・キングは再び知矢とフェリシアの方へと突進をしてきた。


 (さてどうしたものかのう)と知矢は思いながらその刀でオーク・キングが振り下ろした大剣をいなし逸らせながら素早くその巨体の脇をすり抜けざまに一閃走り抜けた。

 直後従魔フェリシアもオーク・キングの反対側をすり抜けざまに一閃。

 お二人ともオーク・キングから距離を置いて振り返る。


 しかし二人の日本刀が放った跡は確かに血が僅かににじみ傷をつけていたがほとんどかすり傷の様なものであった。


 「なるほどニャアラスの言う通りこりゃあ固いわ。ともかくニャアラスとピョンピョンは離れていろ」

 そう言い放つと知矢はひとり右回りにオーク・キングから距離をとって走り抜けるとつかさずその身に魔力を込めた。


 しかしオーク・キングはすぐに知矢へと的を向け突進の体制をとった。

 『・・・(そうはいきませんよ)』そう言う念が聞こえたと思うとオーク・キングが白い網に覆われた。

 G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)のピョンピョンによる 【スパイダー・ネット】である。


 しかしその強靭であるはずの網はほんの少しだけオーク・キングの動きを阻害したと思うとあっという間に切り裂かれ自由を回復してしまう。


 「ナイスだピョンピョン。 みんなもっと距離を置け! フェリシア併せろ!」知矢の言葉にニャアラスとピョンピョンの2人はさらに後方へと距離をとりニャアラス等は岩場の陰へと隠れた。

 ニャアラスはこのレベルの戦いでは自身が足手まといであるとすぐに察したのである。



 「メガ・サンダー」

 『ギガ・サンダー』


 知矢は威力は異なるが同種の魔法を従魔のフェリシアと同時に放った。

 おおよそギガ・サンダー単独の1.5倍以上の攻撃力で放たれた巨大魔法がオーク・キングの頭上へと一気に撃ち込まれた。


 ズガガガガーンと響き渡る衝撃と光り。岩場の陰で隠れているニャアラスもその衝撃で頭を抱えて小さくなって耐えていた。

 もう一人の小さな従魔も岩と岩の間で糸を張り巡らせてその衝撃に耐している。


 その周囲一帯には雷の後に漂う独特の空気が感じられた。

 サーヤがその場にいれば 「これはオゾンの匂いとゲオスミンの匂いだ」と呟いたであろう。


 そんな独特の空気と静まり返った戦いの場。


 知矢はじっと先を見つめている。見えるのは再び白い水蒸気と焦げた煙をその身から出すオーク・キング。



 果たして二人の力を合わせ最大魔法をダブルで放った結果はいかに!




 オークの焼き肉大会はまだ始まらない。(2度目)







 ※ドラフト:多くの意味がありますがこの場合換気や空調設計を行う際に考える空気の流れを指します。

 換気って入り口と出口がないと適切に空気が流れないのでより良い空気循環を生み出すにはその両方をセットで考える必要があります。





皆さまいつもお読みくださってありがとうございます。

じわじわと総合評価のポイントが上がるたびにニマニマさせていただいております。

評価されるってうれしいですね。

本当にありがとうございます。

私の読者様!!



ではまた次話にて



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