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第197話 郊外をツーリング ~「よし緊急焼肉大会を招集だ」

1週間ぶりの投稿です。

では早速

第197話 どうぞ





 その日も知矢は特に予定を入れずにゆったりとした朝の時間を過ごしていた。


 勿論、昔からの習慣でいつもの時間に目を覚ましてはいたが寝間着から普段着へ着替えると自室を出て食卓の並ぶ食堂の脇に設けられたソファーへ腰を下ろし使用人の入れてくれた紅茶をゆっくりと飲みながら朝の時間を過ごしていた。


 先日までの雨続きの空は今日は一転快晴で窓からは青い空が大きく見えている。



 「さて、今日は何をして過ごそうか。ピョンピョン、フェリシア。お前たちは何か希望は無いか」

 知矢は同じくソファーへ寝ころぶ子犬の姿の従魔とその背に乗りながらくつろぐ小さい従魔へ声をかけた。


 『・・・・(私は特にありません。ご主人様と一緒なら何でも~)』

 G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)の従魔は特に希望もない様子で片手をあげて答える。


 『主様。もしよろしければお願いがございます』

 フェンリルの変異種の(みごろ)を得た子犬の姿に変化している従魔が要望を出す。


 「なんだいフェリシア。希望があれば聞くぞ」


 『はい、ではお願いがございます。この姿に不満はございませんがたまには元の姿に戻りとうございます。

 そして出来ますなら少々内包されている力を存分に解放しとうございます』

 子犬の姿の従魔は小さい従魔を乗せたままゆっくりと起き上がり知矢へと向かいその可愛らしい子犬の目で訴えた。



 「ああ、なるほどな。確かに自身の力を抑え込んでいてはストレスにもなるだろう。よし今日はちょうど天気も良いことだし少し都市を出て郊外へ脚を延ばしてみるか。冒険者ギルドで何か依頼があればそれを受けても良いし。

 よし朝食を食べたらさっそく出かけよう」


 そう決まると知矢たちは食事を終えると装備を整えすぐに屋敷を出立したのだった。




 「お気をつけて。お早いお帰りを」

 玄関を出るときに家令兼魔道具商店総支配人のリラレット一人が見送りに出て頭を下げる。


 「ああ行ってくる。遅くなったりしても気にしないで過ごしてくれ。何せ予定も未定でふらふら出かけるからな」

 そう笑みを浮かべながら知矢は門を出て行った。



 知矢の姿が門を出て見えなくなるまでリラレットは腰を折り頭を下げていたがその気配がなくなり門番役が鉄の門扉をゆっくり閉める音がすると身を起こし再度軽く知矢が歩いて行った方角へ軽く首を垂れると屋敷の中へ戻っていった。


 以前であれば手の空いている使用人が総出で見送りや出迎えをしていたが先日来の知矢の強い要望でリラレットもしくはその他の者誰か一人のみ見送りに立つ事が決まったためこのような仕儀に至った。


 もちろんリラレットやサーヤは総出の出迎えを希望していたが(あるじ)の要望では致し方なく諦めてその言に従うのだった。




 冒険者ギルドへ顔を出した知矢たちであったが大勢の冒険者が今日の依頼を熱心に見繕う姿を見て邪魔をしたり仕事を奪うの躊躇(ためら)い依頼を受けることはしなかった。


 冒険者ランクAでもあり商売やなんやで資金も豊富な知矢がほかの冒険者の仕事を奪うのを良しとしなかった為である。


 軽く冒険者ギルドの職員でもあるニーナに挨拶をすると知矢たちはギルドの建物を出て(ゲート)へ向かった。



 (ゲート)は相変わらず兵士による厳しい出入りの確認が成されていたが門の前後に設けられた新たな扉を通過するだけでその良否を判定できる魔道具のおかげで混雑もなくすぐに都市を出ることがでる。


 見知った兵士とあいさつを交わした知矢は

 「ご苦労様です。少し冒険者らしい事をしてきますね」

 と声をかけそのまま門を出た。


 知矢の肩に乗った小さな従魔も今ではすっかりこの都市では有名になり前足を振ると兵士の方も笑顔で軽く手を振るのだった。


 知矢の後ろに続く子犬の姿の従魔も兵士を見上げながらしっぽを振り振り通過していく。

 周囲にいた兵士や市民、冒険者たちはその様子を温かく見送るのであった。




 整備された街道を歩く三人。少し離れて前後には商人の姿や冒険者の姿も見える。

 都市から数キロ程度の範囲は毎日騎士団や兵士による捜索が成されているためほとんど魔物と出くわすこともないため皆のんびりとしたものだ。


 「主様(あるじ)今日はどちらの方へ向かいますか」

 知矢の隣をトコトコ短い脚で追従する子犬の姿の従魔が先に分かれ道を目にすると聞いてきた。


 「そうだな。とにかく人気のなるべく少ない場所で開けた所が良いな。なら主街道を避けて脇間道を進みながら良い場所を探すとするか。出来れば魔獣が居れば狩りたいから脇間道をしばらく歩いてから道を避け河沿いに上流へ向かおう。

 10km程上流へ向かうと広い砂地と倒木の広場があったはずだ」



 そう言うと3人は主街道から脇間道へと足を向けた。


 しばらく進むと前後に人の気配が消えたのを見計らい

 「フェリシア、そろそろ良いだろう」

 知矢が子犬の姿の従魔へ声をかけると従魔はシュッと少しダッシュをして知矢たちを先行して振り返った。


 『ではお言葉に甘えまして』

 そう言うとその小さな子犬の姿から薄緑と金色に輝く光を放った。


 一瞬の眩しさの(のち)光がずんずん大きくなりパッと輝くと即光を失った。

 そして現れたのは大きな狼、いやフェンリルである。

 ダークシルバーの美しい毛並みにエメラルドブレイズドグリーンのラインが映えるその姿は神々しくもありやはり聖獣と呼ばれるに相応しい。


 『ふう。主様いかがでございましょう』

 久しぶりに見せるその姿を自身で首を巡らせて確認する従魔。


 「ああ相変わらず美しい毛並みと神々しさだな。それに強い力を感じる」

 そう言いながら知矢は繁々と従魔をみながら同時に周囲に人族がいないかを改めてレーダーを広範囲に広げて確認した。


 フェンリルの変異種であるこの従魔からは滲み出る強い魔力と強い力に並の人族や魔獣などは気を当てられ逃げ出すか失神してしまうほどである。

 よってこうして人里を離れなければその(みごろ)へうかつに戻ることができない。


 四肢を伸ばし久しぶりとなるフェンリルの姿で準備運動をした従魔は


 『主様。ではこのまま河沿いへと向かい遡上致しましょう。よろしければ(わたくし)の背へとお乗りいただければ幸いです』


 大きな体躯の身を脚を折りながら縮めるように地に伏せる従魔。


 「えっ大丈夫なのか」

 驚く知矢はその従魔の姿を繁々と観察しながら問うた。


 『勿論でございます。そもそも(わたくし)主様(あるじさま)の脚でございますことをお忘れですか。彼の地にいたころはいつもお乗せ致していたではありませんか。どうぞご遠慮なく』

 そう知矢を促す。


 知矢は(そう言えばそうだったな)と思いながらもしかしフェンリルに跨るのは初めてであった為少々遠慮がちに跨ってみた。


 「えっと、フェリシア重くはないか」


 『はい勿論でございます。ハンドルはこの身にはございませんので主様が捉まりやすいところをお持ちください』

 そう言うと従魔はゆっくりと四肢に力を込めて立ち上がった。


 「おおっ!」

 馬に乗ったことの無い知矢であったが従魔の背は座りごこともよくハンドルやステップもないながら下半身、膝で状態を保持するとまるでバイクのように安定して座っていられた。


 するとピョンと知矢の肩に乗っていた小さな従魔がフェンリルの頭の上へと降り立った。


 『ピョンさん、そこでは揺れますのでもう少し後方。首の付け根辺りが良いですよ』

 そう優しく仲間の従魔へと声をかける。


 『主様、では動きます』

 そう知矢へと声をかけるとゆっくり歩を進ませた。


 並脚で歩き始めた従魔。

 『如何でしょうか』

 前を見据えながら知矢へ声をかけた。


 「ああ、問題ない。逆に素晴らしい乗り心地と安定性だ。まるであの頃を思い出す」

 知矢はそう言いながら日本にいた頃従魔の前身、バイクであった頃の事を思い出すと少し興奮するのを感じた。


 『それはようございました。では少しづつ加速いたします』

 従魔は並脚から速足へとその速度を上げた。


 (ああこの感じだったな。景色が移ろう)

 知矢は思い出す様に懐かしさとともに車もないこの世界で魔馬では味わえない速さを堪能していた。


 次第に速度を増す従魔であったが知矢たちが乗るその背は上下に揺れることなく安定しまるで良質のサスペンションを装備しているかの如くであった。


 脇間道から河沿いに降りたあともその足並みと安定性は損なうこともなく快走していた。

 時折岩などを飛び越えたが着地時にも知矢たちへショックを伝わせることもなくさらに河沿いを疾走する。



 『主様、先がかなり(ひら)けてまいりました。ここから駆け足(スーパーチャージャー)域へ入ります』

 何のこともなく言う従魔に知矢は驚いた。


 「えっお前、フェリシア。スーパーチャージャーって」

 驚く知矢をよそに従魔は全身を僅かに緑色に発光させながら驚異的な加速を見せる。



 バイクであったなら6000RPMを超えると吸気インペラにより圧縮された空気がエンジンへ供給され爆発的な力を生み出す機構であった。



 知矢がバイクであったフェリシアと共に 【(財)日本自動車研究所城里テストセンター 】にある1週 5.5kmの高速外周回路において行った最高速チャレンジでは295km/hを計測した事があった。


 惜しくも目標であった 【 300km/h超 】 は達成できなかったもののその時初めて知矢は1速からエンジン回転数を 11,000rpmへと突入させスパーチャージドエンジンの能力をいかんなく発揮させた。


 しかし初めて250km/h以上の速度域を経験した知矢はタンクにその身を伏せヘルメットのシールド越しに未知の世界を初体験したときは1回目のチャレンジではギア6足でアクセルを最後まで開け切る事はできなかった。


 気を許すと全身が後方へ吹き飛ばされるのではないかと言う恐怖感がアクセルを開けることを躊躇(ちゅうちょ)させた。

 しかし2回3回とチャレンジしていく中で速度感に慣れた知矢は295km/hを記録できたのだった。




 「ちょお前、スパーチャージャーって」

 知矢が転移前の経験を思い出しながら声を出したが従魔はその声が耳に届いていないのかそのままどんどん加速させある一定の速度を超えた時 ”ドーン” と軽いショックを発したと思うとその身が今までにない急加速を始めた。


 『・・・・(ワーイワーイ速い速い!)』

 フェリシアの首元に乗る小さな従魔は興奮の念を発して楽しそうだ。


 フェリシアの背に乗る知矢は一瞬その背にしがみ付いたが落ち着いてその先の景色を見ると自身の状態も安定しており恐怖などは一切感じなかった。

 すると周囲を見る余裕さえ生まれ改めて周囲へ目を向けると (ああ、あの時の景色もこんな感じだったか) と高速周回路での記憶を思い起こすのだった。



 ものの数分程度であったかもしれないその爆発的な加速は次第に減速をはじめ速足から並足へと戻っていった。



 『主様、如何でございましたでしょうか』

 ゆったりとした足並みに戻った従魔も少し興奮気味の声で知矢へと聞いてきた。


 「ああ素晴らしい走りだ。まさにあのJARIでの光景を思い出したぞ」

 知矢も未だ興奮冷めやらぬ様子で従魔を褒め称えた。


 『それはようございました。この先はこのまま進みます』

 と並足のまま河沿いを進んでいった。


 周囲は流木や岩が増えさすがのフェンリルも最大速度で疾走することを躊躇した。

 勿論それは出来ないわけではなかったが背に乗る主の快適性を優先しての配慮であった。



 しばらく進むと河が湾曲し広い砂と土で形成された広場が現れた。


 「よしここいらで一度休憩しよう。休んだ後は少し魔法の練習でもするか」


 知矢の声に停止した従魔。そこから降り立った知矢はさっそく【無限倉庫】からテーブルやいすをだし飲み物や間食用のお菓子を皿に並べた。


 そしてフェンリルの姿の従魔は再び緑色に発光するとその姿を人族へと変化(へんげ)させた。


 スラリとした長身の体躯に褐色がかった銀色の着物を纏い緑色のラインが3本両側にあしらわれている黒の袴を身に着け、黒く輝く胸当てはその隠された大きな双丘をさらに誇張する様に盛り上がり、すらりとした背には長弓を斜めに下げ、腰には銀色に光る柄頭黒地に緑の紐を編み込んだ柄の日本刀を下げた女性の姿が発現した。



 「フェリシアご苦労だったな。疲れたろう」そう言いながら従魔をねぎらい飲み物のカップを差し出した。



 『ありがとうございます。しかし疲れはございません。逆に久しぶりに全開走行ができ気分が晴れやかで気持ちがようございました』


 「俺も楽しかったぞ。本当にあの頃の様だった」

 知矢は再びバイクで峠や高速道路を疾走したり時にサーキットを駆け抜けたころの情景を思い出した。


 『・・・(私も私もこんな速く走ったのは初めてです)』

 小さい従魔も器用に飲み物のカップを前足で持ちながら興奮気味に念を発した。




 休憩を終えた一行は人気のない広い河辺でおもいおもいに過ごした。

 過ごすと言ってもそれは人気のない場所でしか成しえない大規模魔法を使う練習であったり互いの能力の確認のようなものである。


 『ムムムムム・・・・テラ・サンダー!!』

 フェンリルの姿の従魔がその身に宿す膨大な魔力を練り上げて風魔法における最大級の雷魔法を行使した。


 晴れ渡った空へ一時的に漆黒の雲が出現、そして黄色い稲光が雲から怒涛の如く地表へと降り注がれた。


 ズズズ、ドドーン!!!

 大地を震わせたその魔法は狙いの中心地点より10mほどの場所をえぐる様に打ち込まれ周囲へ砂や泥に石をまき散らした。


 「さすが最上位魔法、俺のメガ・サンダーとはその威力も範囲もかなり大きいな」


 「お粗末なものをお見せいたしました」

 魔法の行使を終えた従魔が軽く頭を下げる。


 『・・・(凄いすごーい!)』

 小さな従魔は岩場の上でピョンピョンはねながら喜んでいた。


 「いや素晴らしい。しかしなかなかその規模の魔法を使える機会が少ないのはもったいないが逆を言えばそのような魔法を行使せねばならない状況も嫌だな。しかし素晴らしい魔法だった」


 先ほどから三人はそれぞれの能力を行使しながら魔力の練り方や命中精度の向上などを繰り返し練習していた。


 知矢の感知魔法のレーダーで周囲1キロ以上に人の気配も感じられず安心して練習ができた。


 『・・・・(じゃあ今度は私が)』

 小さな従魔G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)のピョンピョンが知矢たちに自身の能力を見せつける番だ。


 『・・・・(エイ! 投網(キャスト・ネット)!!)』

 想念を発するとその口腔から白い糸が勢いよく飛び出すと空中で網状に大きく広がり河の中へと打ち込まれた。


 口元の糸を切り離した従魔は両手で4本を巧みに力強く操り河の中から網を引き揚げる。

 その小さな体躯にそれだけの力がどこに備わっているのかと不思議に思う知矢だが従魔はそんな事とは知らずぐいぐいと糸を引き込んでいった。


 ザブザブザブと河の中から引き出された網の中には多くの魚が捕らえられていた。


 「おおピョンピョン凄いじゃないか。大漁だぞ」

 知矢は網に包まれながら岸へと引きずられてきた魚をみて声を上げた。


 「・・・・(楽勝です!)」


 岩場の上で両手を振り上げ自慢げな小さな従魔だった。


 大漁の魚をより分け無限倉庫にしまう知矢。


 「昼ごはんに何匹か焼いて食べるか」

 そう言いながら大小や種類をより分けながら収納する。もちろん小ぶりの物や食べられないような見た目の物は河へ帰したのだった。



 そんな風に各自が色々とその技を修練して楽しい時間を過ごしたのであった。


 昼ごはんには無限倉庫から出したご飯や他のおかずと共に先ほど小さい従魔がとった魚が焼かれ皆で舌鼓を打った。


 『・・・・(肉もよいですが魚も美味しいです)』


 『私はこの骨付き肉が好みでございます』



 そんな他愛もないことを話しながらのんびりとした時間を送る三人であった。


 午後は知矢とフェンリルの従魔が互いに弓矢を用いて的中と距離を争ってみた。


 知矢はこの世界に和弓を持ち込んだわけではなかったので従魔が装備していた弓矢を借りた。


 久しぶりと思いながら放つその矢は目標である100m先の木に設けた的の芯中を射抜いた。


 (体はやはりその技を忘れないものだな)

 知矢は久しぶりの弓を堪能したのであった。

 大学生のころ弓道部にいたころは毎日合同練習で60射ほどそして居残り練習で20射程いていた。

 さすが社会人になり時間もないことからその後は週に1度か2度市営道場へ赴き40射程度の練習であったが後年道場を構えるようになると時間の制限を気にせずに練習できたためほとんど毎日60射程射ていた。

 その合間に剣術や居合の練習をしていたのだから寝る間を惜しみ没頭していたことになる。

 家族や弟子たちもあきれるほどであった。



 片や従魔は流石に知矢ほどの弓の精度は持ち合わせていなかった。だが特質すべきは魔法によって得られる力を弓に用いる能力だった。


 矢をつがえずに魔力を練りうち起こすその弓にはかすかに光を放つ魔力の矢が形成されていた。

 しかもその矢は行使する魔法の種類により 【火の矢】【水の矢】【風の矢】【癒しの矢】などを自在に使うことができた。


 特に癒しの矢は離れている相手にその矢を打ち込むと回復魔法を行使した事と同様の効果があり一般的な回復魔法の使い手がその対象者へ近づき手を翳す様に治癒させることから比べると使い勝手が劇的に向上すると思われる。


 しかし知矢はそう思いながらも

 (射られる方は精神的にあまりよくないな)

 と一見攻撃を受けたように自身へ向けて矢が飛来することを目の当たりにした者の心をおもんばかった。


 そんな時間を過ごしていた一行に知矢が

 「オイ!」森の先を見つめながら2人へ声をかけた。


 『はい。何者か、魔獣らしき反応が多数こちらの方へ』


 知矢のレーダーに感知すると同時にフェンリルの従魔もそれを感じたようだ。

 ちなみに小さい従魔G・(ゴールデン)D・(デス)S(スパイダー)は遠くのものを感知する事は殆んどできない。しかし野生の感なのか何かが接近する気配は認識しているようであった。



 「この感じは・・・オークの集団だな」


 オーク。イノシシのような風貌で2足歩行の魔獣。一般的には知性は低いと言われているが集団で行動をすることで知られている。

 木の棒や石など道具を使い戦う術は持っているため集団で襲われるとその獣の力に対抗するのは危険だった。

 1対1であればEランクの冒険者でもなんとか戦うことはできるが集団を形成するとその力と能力はDランクに匹敵する。

 しかも集団の中から秀でた能力を持つ者が生まれるとその個体はリーダーとなり強い集団を形成してしまう。


 そしてさらにリーダーが生まれその集団の人数が増えると【オーク・ジェネラル】と呼ばれる変異種へが生まれさらなる集団を形成しついには集落と言うべき原始的な村をも作り上げることがあった。


 そんな集落が出来ると数年以内にはその中からより強靭な肉体と高度な知性を有したさらなる変異種【オーク・キング】が出現する。


 オーク・キングが生まれた集団は確固たる集団力と知性から生まれた指導力に併せ石槍のような武器、そして盾の様な防具も使いだす。


 こうなってくると集団の数は劇的に増え100頭以上、時には数百の集団へと発達することがありそれに対抗するには少なくとも数十人の冒険者、そしてA、Bランクのものが多数参加しなくては討伐出来ない程であった。

 まさに人類に対する脅威である。よって発見し大即時殲滅が必要であった。


 しかしさらに言うとオークの肉はうまみが凝縮しその味わいは手軽ではあったが確実で人気の肉である。

 並のオークではそう高値で取引されることは無いがそれだけに庶民の味だ。

 オーク・ジェネラルはさらに美味く、そしてオーク・キングに至ると状態によっては1頭、中金貨、100万イエンほどの価値を有することもある。

 それはその値段だけの価値があると言われるほど旨味を内包して肉の焼けた匂いだけで心を満たすことが出来るとも言われていた。






 『数は20程です。狩りますか』

 涼しい落ち着いた声で何のことは無いと従魔が問う。


 「ああ、しかし中に1頭少し強いやつが混じっているな。事によっては集落を形成している奴らかもしれない。

 冒険者ギルドの依頼や情報には無かったが人知れず集団を巨大化する場合もあるらしい。

 よし狩るぞ。だが良いか必ず1頭は殺さないで逃がすんだ」


 『・・・(後を追うんですね)』


 「その通り。よくわかっているじゃないかピョンピョン。という訳でフェリシア、大規模殲滅魔法は避けて接近戦か弓、または低位魔法のみで仕留める。

 さあ、今夜は焼肉大会だ!!」



 『はい!!承知いたしました』


 『・・・(わーい)』



 知矢が声をかけると二人は勇んで進み出た。


 知矢も腰の刀を抜いて掲げると



 「行くぞ!!」



 そう刀を振り下ろし先頭を切って駆けだしていった。



 フェンリルの従魔はその姿を人型のままそして方に小さな従魔を乗せて知矢と共に一直線。オークの集団へと疾走する。





 さて何人前の焼き肉が確保できますでしょうか。






なかなか投稿ができませんで申し訳ありません。




ではまた次話にて。



※後書きに不快な文言を書いてしまいましたので削除させていただきました。

失礼いたしました。

m(__)m


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