第182話 主の帰還 ~ 『ふうううぅ、風呂は良いのうヒョッヒョッヒョ』
こんばんわ
週の半ば木曜日!さあ週末まで頑張りましょう。
では第182話 どうぞ。
「「「お帰りなさいませ!ご主人様」」」×多数
知矢が魔道具商店の裏口を一歩入るといつもの様に左右に居並んだ使用人たちが一斉に腰を折り頭を深々と下げて知矢達を迎えた。
最初は奴隷商会から購入した使用人から始まったが続々と人数を増やし今ではいったい何人の使用人や警備の冒険者が雇われているのか知矢は既に分からなくなっていた。
それ位人数が増えているのである。
最近は使用人も奴隷だけでは無く教会にて保護され養われていた孤児たちも加わり一気にその人数を増やしていた。
警備担当の人員もボンタの紹介や今いる警備担当者たちの知り合いなどを通じ冒険者としての活動の合間や冒険者活動に限界を感じている者などにも声をかけこちらも大幅に増員を果たしていた。
「お帰りなさいませ、知矢さま。無事のご帰還お慶び申し上げます」
その列からリラレットが一歩踏み出し知矢の前へ進む出ると改めて出迎えの言葉を述べながら頭を垂れた。
「ああ今戻った。みんなも留守番ありがとう。特に問題もなさそうで元気な顔を見れてよかった」
そう知矢が居並ぶ使用人達に声をかけた後、多くの使用人は知矢の合図でその場を辞し各自の仕事へ戻るのだった。
残ったのはリラレットとサーヤ、本日の知矢付のメイドミミともう一人そして警備主任のサンドスのみだ。
「知矢さま先ずは旅の疲れを流しておくつろぎ下さい。お客様にも用意が整っております」
そうリラレットが口にするとメイドの1人が進み出てニャアラスや老人を浴室へ誘導するそぶりを見せた。
「あああそうだな。ニャアラス済まないがカーネタリア様と風呂を堪能してくれ。その後はいつもの帰還宴会だ」
「ニャア、勝手知ったる何とやらニャ。カーネタリア様こっちだニャ」
ニャアラスはメイドと共にカーネタリア老人を案内しながらいつもの様に大浴場へと裏玄関へ姿を消した。
「ヒョッヒョッヒョ。風呂か、こりゃあご馳走だな。以前入ったのは何年前かのう。しかし落ち着いた良い住まいじゃなほっほっほー」
等と知矢には少しぞっとするセリフを吐きながらにこやかにニャアラスの後を付いて行った。
その場に残ったのは知矢と肩に乗るピョンピョンにリラレット、サーヤ、ミミ、サンドスそして若い女性のみだ。
「先に紹介しておこう。こいつは今度新たに俺の従魔になったフェリシアだ。姿は人族のそれだが姿を変える行使力を持っている。本来の姿は魔獣、いや聖獣フェンリルだ。だが恐れる必要はない」
そう言いながら知矢はフェリシアへ挨拶を促す。
『 この度より主様のお傍に控える事になりましたフェリシアと申します。どうぞよろしくお願いいたします 』
フェリシアは先ほど冒険者ギルドにてニーナへ見せた様な威圧の片鱗も見せない優しい口調で丁寧にリラレット達へ頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いしますね。私は知矢さまの使用人を代表し総支配人を仰せつかっておりますリラレットと申します」
リラレットは貴族の使用人としてスカートの裾を軽く持ち上げる様にし腰を上下する様に挨拶をした。
これはリラレットとしても客では無く同じ使用人として扱う事の意思表示でもあるが知矢から聖獣と言う言葉が出て一瞬の動揺を内に見せたが流石筆頭使用人だけの事はある。そう言った動揺をおくびにも出さずフェリシアを迎い入れた。
その後順にサーヤ、ミミ、サンドスが挨拶の言葉を口にしたがミミとサンドスは同様と緊張が顕著に見えていたが主である知矢の前でもありリラレットが落ち着いた様子を見せている事からその動揺を最小限に抑えることが出来たようだ。
サーヤは「よろしく」といつもの様に言葉少なく挨拶を口にしたが動揺する素振りは見えなかった。
「ご主人様後ほど聞かせて」
と、そう一言だけ知矢へ要望したのだった。
「夕食の時にでも皆に紹介するが取りあえずは人族と同じ生活を送る事で問題は無さそうだ。皆もそのつもりでいてくれ。
フェリシアもリラレットの言葉は俺の言葉と思い良く従う事。他の先輩使用人にも同じだ、良いな」
そう念を押しながらフェリシアへ念を押した。
『主様、承知いたしました』
「よし、じゃあピョンピョン。フェリシアと一緒にお前も風呂に入ってこい。そしたら夕食だ」
そう先達従魔へ声をかける。
『・・・・「了解しました。フェリシアさん行きましょう」』
そう言いながらミミの肩へぴょんと飛び移るとミミの先導で二人は奥へ進むのであった。
「知矢さま・・・」
先ほどは動揺を見せなかったリラレットであったがフェリシアが裏玄関の奥へ姿を消すとそれを見送り知矢へと向き直りながら言葉少なに不安そうな表情を浮かべた。
「総支配人の気持ちはわしにもわかります。あれは確かに人族とはかけ離れた何か特別な力を持っている事は明白ですね。『お傍に控える』と申しておりましたが専任護衛と考えてよろしいのでしょうか」
不安げなリラレットの言葉を繋ぐようにサンドスが確認する様に言う。
サンドスも一端の冒険者ではあったがそれ程高位のランクにいたわけでは無かった為相対した魔獣なども精々Bランクが関の山でそれも仲間と共闘して出の事だ。
単体でのSランクの戦闘力を有するフェリシアは人族に姿を変化させていたとしてもAランク相当以上の力を有する。
その片鱗がにじみ出るのも当然だ。
ましてやリラレットは純粋なメイドでしかない。戦闘力と言うのは全く持ち合わせていないのだから優しい言葉使いで接せられてもその滲みだす畏怖に圧倒されるのも無理はなかった。
「詳細は後ほど話すがともかくみんなに危害を加える事は決してない。そこは保証しよう。あとは、そうだな。にじみ出る覇気か畏怖だかわからないが、それも良くフェリシアに話をしてみる。すまないが受け入れてほしい」
知矢の言葉に少し安堵しながらも心の中ではフェリシアから滲みだす畏怖に対して『フンヌ!』と心の中で気を引き締めるリラレットであった。
風呂を使い依頼の疲れを洗い流した知矢は既に準備の整っている夕食会場へと向かった。
そこは既にニャアラスやカーネタリアが席に付き早々に酒に手を付けていた。
「ニャア、悪いが先にやってたニャ」ニャアラスがジョッキを掲げる様に知矢へと向けた。
「ああ、気にするな。カーネタリア様も自由に過ごして下さい」
「ヒョッヒョッヒョ。言葉に甘えて頂いておるぞ」そう言う老人の手にはワインのグラスと目の前にはワインの小樽が鎮座していた。
さてとと知矢もその席につこうとした時
「あれフェリシアの姿が見えないが。おいピョンピョン一緒じゃなかったのか」
ニャアラスと同様に先に席へ着いて使用人から与えられた肉の固まりにかじりついていた従魔へ声をかけた。
『・・・・・(周りを見て来るって言ってました~)』そう答える。
「そうか。まあ直ぐに戻るだろう。オイ、皆も手の空いた者から席についてくれ」
知矢の言葉に使用人達もそれぞれ席に着き、帰還祝いと言う名の宴会が始まった。
「そんなに長く大森林にお住まいだったとは・・・」
Sランク冒険者への興味から警備担当者たちが酒を注ぎながら老人へどんな冒険をしていたか、未知の魔獣の事や遺跡を発見した事など質問攻めにしていた。
「俺達も年季が明けたら将来は大森林に挑戦するのも良いな。新たな遺跡を探し出したり、未知のダンジョンなんかに最初に突入したりしてな」
ノブユキが虚空を見上げながら未知の冒険への夢を語り出した。
「止してよノブユキ。あたし達がそんな恐ろしい世界に踏み込めるわけがないでしょう。これまでだって依頼に失敗して借金奴隷になったのよ」
アカネはノブユキの夢を現実的な了見で斬って捨てるのだった。
「女は夢が無いな。なあササスケ、お前も大森林に挑戦して名を上げたいと思うだろう」
アカネの言葉で現実に戻されたノブユキはふてくされ顔で仲間に賛同を求める。
「拙者は大金やお宝は欲しいでござるが・・・・大森林の魔獣は無いでござる」
「夢が無いなお前らは」
仲間の賛同を得られないノブユキは悔しそうにビールをあおり呑むのだった。
「夢か。わしらも若い頃は色々と夢を画いて仲間と語り合ったな」
ドワーフ族と人族のハーフで酒好きのギムはどこか遠くを見る様にした後何かを断ち切る様にジョッキのビールを喉へ流し落とした。
ギムは見た目は30前後と自称する青年であるがその実は既に60歳を超えていた。
人族の数倍ほどの寿命を持つドワーフの血が入っているからか比較的若く見える。
しかし自称と言うのは本人はそのつもりであるのだがやはりこれもドワーフの血か。
その体躯はずんぐりとし脚と腕も太く髭がたわわなその面貌は50歳と言ってもおかしくない。
60年の歳月を送っているとはいえやはり人族に換算するとやはりドワーフの感覚で言えば青年程度である。
しかしその言いようは長く人族の仲間と過ごし、冒険をしてきた事を思い出した結果である。
「なんだ今夜のギムはいつもと調子が違うぞ」
ワイズマンが茶々を入れる。
「あぁん。わしにもそんな時があるわい」そう言いながら気味は再びジョッキをあおり呑むのだった。
「何だかいつものギムさんじゃないみたいでどうします。詳しく聞いた方がいいのか触れない方が良いのか」
ワイズマンとのやり取りを見聞きしていたゼンゾウが小声で隣のマイに声をかける。
「えーっ、そんな難しい事は・・・サーヤだな」
マクはいつもののんびりとした口調でゼンゾウから振られた話をさらに隣のサーヤへと丸投げした。
「大人には大人の事情がある。言いたければ言うだろう」
サーヤは無表情のまま一言だけ伝えると目の前の食事へ意識を戻すのだった。
「サーヤに振った私の失敗。こういう時は・・・誰だ?」
結局マイも答えられずにゼンゾウへと話が戻るのであった。
「やっぱり冒険者の話は冒険者の人が良いと思いまーす」
横から話へ加わったカンゾウがニコニコしながら当然と答える。
「じゃあやっぱりサンドスさんだね」
ゼンゾウはテーブルの向かい側でカーネタリア老人の話を聞きいっていたサンドスへ声をかけた。
「うん? ああギムのあれか。なあに気にする程の話じゃない」
サンドスは薄笑いを見せながらゼンゾウ達への方へ身を乗り出しながら小声で答えた。
「ヤツはな、クックック」
サンドスは一度言葉を切ると押し殺すように下を向きながら笑い声を押し殺すように堪え出す。
「ヤツは初心者冒険者として活動を始めてすぐに知り合った同じ世代と思しき仲間たちとチームを組んで活動を始めたそうだ」
「最初は皆ソロだと危険なのでギルドでもチームを組んだり上級ランク者に弟子入りとかを推奨するっていう話は僕でも聞いた事がありますよ」
カンゾウは商家で働いていた丁稚であったがこの世界は冒険者という職種が広く周知されていたため基本的な知識はあったようだ。
「ああ、それが多くの冒険者が最初に教えられて行動する事だな。勿論最初から一人で活動する事も可能だがどうしてもリスクを伴うからな。そう言った事でアイツもチームを組んだわけだ。どんなことでも誰が最初は待望や夢を抱いて仲間と語り合う。とりわけ未知の世界に挑む冒険者と言うのは若いうちは特に夢を追うもんだ」
「サンドスさんもですか」
マクが興味津々でサンドスの顔を覗き込む。
「はっはっは。まあな俺にも若い頃はあった。まあ今はギムの話だが」
サンドスは少し恥ずかし思い出があるのかはぐらかすように話を戻す。
「話は簡単だ。若い者同士が夢を語り合い熱く盛り上がる。その延長上でチームの仲間にいた女性と親しくなったが思いは一方的でしかなく破れはてた訳だ。その後そのチームから別れたギムは頑なに同性同士のチームしか組まなかったって話だ。まあ、そのお陰で別の噂が一時期流れ同性からも避けられてた時期もあったがな」
わっはっはー
とサンドスはつい大笑いをしてしまった。
「えー。ギムさんかわいそうじゃないですか。そんなに笑ったら悪いですよ」
カンゾウはちらりと静かに酒を飲む義務に視線を送りながら同情を見せた。
「まあ大笑いしたのは悪かったかの。だがな、奴がその女性と思いを遂げられなかったかと言ってそれ以来女を避けて生きていくなど純粋過ぎて逆にあの風貌じゃ、つい笑ってしまっての」
そんな話をしながら使用人達も宴会を楽しんでいた時である。
(うん?)
知矢が怪訝な顔をしながらある方向へ顔を向けた。
「トーヤどうしたニャ」
隣で飲んでいたニャアラスがそれに気が付いた。
「いや・・・裏に反応が・・・」
知矢が静かに席を立とうとした瞬間
バーン!
宴会をしていた魔道具商店隣棟の裏口の扉が勢いよく開かれた。
「「キャー」」
突然の事に裏口のある厨房の方から使用人の悲鳴が上がる。
知矢を始めニャアラスや警備担当者のサンドスらが一斉に反応しそれぞれの獲物を手に警戒態勢に動いた。
厨房への通用口に人影が現れた。
サンドスがずいっとその身を盾にする為、人影と知矢の間に入り込んだ。
すると
「まて!」知矢からの声が室内に響き渡った。
知矢の声に静まった室内に厨房からその人影が入室してきた。
『主様、怪しい者を見つけましたがどう対処すればよろしいか、御裁可を願います』
スラリとした体躯の女性が音も無く部屋へ入ってきた。フェリシアである。
しかしその肩には何か黒い物を担ぎ上げていたのだった。 厨房からの悲鳴は彼女の出現も原因らしいが本命はその肩に担がれていた物が原因かとおもえた。
フェリシアが肩に担いでいたのは絣状の黒い衣装を身に纏った人の様であった。
う~ん
特に後書きは無いですかね。
ああそうそう新PCをBTOで購入し昨日届きました。
ネットに接続できません。
サポートと電話でやり取り・・・・・・・・
どうやらIntelのLANボードが物理的にどこか不良品のようです。
(◎_◎;)
送り返してボード交換だそうです。ハーッ
私的にはまあまあのスペックで楽しみにしていたんですけどね。
インテル Core i9-11900 プロセッサー
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なんですが息子に言わせると 『俺のに比べるとまだまだ』 ですって(^_^;)
ゲームしかやらない息子の自作PCはなんか凄いらしいですけど。
ではまた次話で。




