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老齢オヤジが死んだけど異世界でゆっくり老後をおくりたい~チートに大金ゆっくり老後、あれ俺若返ってるけど?  作者: 通りすがりの浪人者


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第176話 既視感  ~ 「さてそろそろ都市へ戻ろうか」 「へい姐さん!」

こんばんわ

1週間ほどぶりの投稿、更新に成ります。

では第176話 どうぞ






 「さてここいらかニャ、トーヤ。どうだこの辺りが目的地で間違いないニャ」



 「ああ、恐らくそうに違いない。

 木々の間からさっきの小山がこっちに見えて、大森林の3連峰があって龍水湖がここ、それを源流にしている川があっちに流れてて・・・うん、おおよそ間違いないだろう。なあ、ピョンピョン」

 知矢は遠くの光景や周囲の地形を確認する様に見まわし肩にのる従魔へ確認をする。


 『・・・・・・・(ハーイ間違いないと思います)』

 片手(脚)をぶんぶん振りながら知矢の問いに応える従魔であった。





 昨夜小山の上から周囲を観察して異変を探すという行動に限界を感じていた彼らであった。だが他に良い案も浮かばず同行しているSランク冒険者の老人への問いにも妙案が帰ってこなかった。


 しかし知矢の従魔からこの森に広く生息する兄弟、ゴールデン・デス・スパイダーへ情報を訪ねる事を提案され従魔の問いかけに答えた兄弟たちが参集してくれたのであった。



 その数おおよそ2000匹。

 大小さまざまなゴールデン・デス・スパイダーが2000匹である。

 壮観と言うか恐怖と言うべきか異様な光景を目にし貴重な経験をした一夜であった。


 その従魔の兄弟達から得た情報情報とは。





 ・見た事の無い魔獣が1頭かなりの高速で森を駆け巡っていた。


 ・魔馬より大きく色は銀色に光り輝いて顔の脇にはみどりがかった線が3本の模様がある。


 ・時折、体躯全体から光り輝く魔力発光が観られると疾風の如く走り去る。


 ・魔獣が纏うオーラと魔力発光、そしてその速さに中型や小型の魔物や魔獣が森を右往左往しながら逃げ惑う姿がみられる。


 ・何かを探し求める様に繰り返し森を駆け巡る


 ・敵対した魔獣はその体躯で跳ね飛ばされるか蹴られて逃げ惑う。


 ・敵対してやられても死ぬ目には合されてはいない様子。


 ・狩りをしている様子はない。


 ・毎日同じ場所で見かける訳ではないが夜には一定の場所で休んでいる光景を何度も見かけた。






 従魔の兄弟。ゴールデン・デス・スパイダーの一族たちから得られた情報はこんな所であった。


 その情報をもとに夕闇が迫る前え頃になると体を休める為なのか湖へ水場を求める為なのか湖畔の浅瀬から森の開けた先にある大木の辺りで休む姿が何度も目撃されていた辺りを監視するために朝が明けてすぐに移動を開始して到着したのである。


 もし情報の魔獣が大森林の変異の元凶だとしたら、ただ走り回るだけで森を騒がす程度と判断しこの周囲の異変は確認できたとする。

 これ以外の地域でどのような異変があるかは帰還しないとわからないが知矢が依頼を受けたのは龍水湖周辺の探索だけであるから良しとするつもりである。


 あとは各地から持ち帰られた情報を冒険者ギルドや管理貴族がどう判断するかである。



 「よし、じゃあ先ずはその魔獣がねぐらにしているであろう大木の場所を探してから夜まで待ってその魔獣が戻ってくるのを見張ろう」



 知矢達はゆっくり周囲を警戒しながら目標の場所を捜索する。


 老人はギガントポメラニオンと共に少し離れた岩場の影へ置いてきた。


 相手に悟られない様に捜索するにはギガントポメラニオンの大きさは目立ちすぎる。それに目標の魔獣と遭遇したギガントポメラニオンが瞬時に交戦状態になっても困るからだ。



 「しかし銀色に輝く風より速い魔獣っていったいなんだろう」

 知矢はレーダーを確認しながらニャアラスへ問いかける。


 「カーネタリア様も知らニャイんじゃ俺が解るわけニャア。そんなヤツ話にも聞いた事が無いニャ」


 ニャアラスどころかこの森を根城にする程大森林に精通しているSランク冒険者の老人でさえ聞いた事の無い魔獣。

 さらに言えばこの周囲の森に関するすべての情報を把握しているであろうゴールデン・デス・スパイダーでさえ見た事の無い魔獣と断言しているのだ。

 人族が知り得ない事はまだまだあるともいえる。



 ただ知矢はその話を聞いたとき何かかとてつもない異変が起きているのではないかと心配になった。

 だが昨夜の情報によるとその魔獣は走り回るばかりで何かを攻撃する素振りは見せずただひたすら森や山を駆けまわるばかりだとか。


 その魔獣におののいた他の魔物や魔獣達は逃げ惑い、己の力に自信があるのか、そう言った者達がたまにその魔獣へ手向かう姿も見られたそうだがどれも吹き飛ばされたり蹴り飛ばされるなど敵う者は居なかったらしい。



 ゴールデン・デス・スパイダーの一族は各所でその魔獣の様子を窺がっていたらしい。しかし情報共有の結果、無闇に相手を傷つけたり暴虐舞人な様子も見られなかったことで大森林に生きる者達の忌み敵(ワールド・エネミー)では無いと解釈し現状静観の様子である。



 森の仲裁者とその一族 ”ゴールデン・デス・スパイダー”

 彼らは大森林の平和と協調、生存圏の安寧を願っている。


 この場合の平和とは人族の言う戦争の無い、争いのない世の中とは少々異なる。


 互いに生きていくには食事が必要なのは当然だ。

 この大森林の中でも弱肉強食のことわりの中で皆が懸命に生きている。


 食料にする者されるもの。それは生きるためには仕方のない事でありそれが自然の摂理である。



 その中で時折無意味な争いが起こり無意味に命が失われることがある。

 ゴールデン・デス・スパイダーの王、キングはそう言った無意味な争いのみ間に入り調停をし、やむなき場合はその強大な力を発揮し事を納める存在である。


 不必要な争いを仲裁する。それがゴールデン・デス・スパイダーの一ぞ族に何時頃からか課せられた使命となっていた。


 そう言った観点で観察をしていたゴールデン・デス・スパイダー達の判断は。

 『観察』

 『放置』

 であった。


 実際その謎の魔獣はむやみに何者かを襲っている事は無く相手が敵対してきた場合のみ反撃をしているだけなのだから。



 ではその魔獣は毎日走り回り何をしているのか・・・真意はつかめていなかったが



 『・・・・・(兄弟たちは何かを探し求めているのではと言ってました)』

 知矢の従魔に寄ればそう言った気配を感じるとの事であった。


 「何を探しているかか・・・まあ何にせよ影は見えてきた。あとは今夜か明日か近いうちにその姿を確認してだな。もし本当にただ走り回り何かを探して右往左往しているだけなら森から逃げ出すような魔物たちは大した事は無いだろう。

 スタンピードへ発展する様子が見受けられないならば帰ってそう報告するだけだ」


 「そうニャ。1匹が走り回る位なら問題ニャイだろ。ああでも古龍さまが大暴れを始めたら1匹でも大森林がパニックになるかもニャ」

 ニャアラスはそう笑いながらも周囲に目を光らせ謎の魔獣の寝床と思しき場所の捜索を続ける。



 しばらく龍水湖の周囲を捜索していると開けた湖畔のすぐそばに大木を見つけた。


 その大木は見上げても最頂部が解らない程高くもあり、うっそうとした枝葉を周囲に広げどこかの家電、重工メーカーグループのCMを思い起こさせるような木であった。

 知矢は思わず心の中で(この木何の木気に成る木・・・)と歌を歌ってしまったほどである。



 最頂部は高く両翼は広い懐の大きな木である。

 その大木の根本周辺は低い草が一面に、まるで絨毯のように生えそろっていた。

 しかし一部が押しつぶされ型どっているのが見て取れる。


 そう、獣の寝屋ねやの様に。



 「多分ここだニャ」ニャアラスは恐るおそる近づくと周囲に魔獣が潜んでいないことを確認してクンクンと得意の嗅覚で寝屋の周囲観察を始めた。


 知矢はその寝屋と思しき痕跡を見ながら魔獣の大きさを推測し

 (魔馬より大きいと言っていたが倍する程では無いな)と辺りを付けていた。


 「うーんダメニャ。嗅いだことのない匂いニャ、っていうかほとんど匂いがニャイ。コンな魔獣は初めてニャ」


 周囲に魔獣などの気配がないのを確認した知矢も寝屋へ近づきその状態を見てみた。


 「周囲の草へ残された足跡も乱れが無くここだけ大きく草が潰れているか。枯れている草も多いから何日も前から同じところを使っているとみていいのかな」


 「ニャア、大体森の魔獣はこんな寝床を作るニャ。中には木の洞や大木の枝の上で寝るのもいるけど大型の魔獣は地面へ直接寝るか草や枯葉の上で寝るニャ」


 周囲を子細に確認しながらニャアラスが一般的な魔獣の特性を話してくれた。



 「じゃあここがその情報にあった魔獣の住処かを確認してどんな魔獣かを見て情報の姿かたちと一致すればそれを得られた情報として持ち帰ろう」



 知矢がラグーン冒険者ギルドから受けた緊急依頼 『大森林の周辺にてスタンピードが起こりうるような異変、若しくはその原因の調査』 ではあったが正直はあやふや、抽象的な物である。


 何を持って異変とみなすかはその場所へ調査に入った冒険者の印象によるしかないからだ。


 ここに至って知矢は冒険者ギルドのギルド長ガインや、鬼神モーリスが若く見える知矢の経験不足を戦力的な物言いで不安視した事と併せてやはりこの世界での経験不足からこういった状況下での判断の付け所に迷う自分に気が付いた。


 おそらくだが鬼神モーリスなどで有ればこれが魔獣大暴走スタンピードなのかそれ以外なのか過去の経験や実績の中で培った感で即座に状況判断が下せるであろう。

 そう言った意味でいくら個人的な戦闘力を有し無限の魔力を保有しようとやはりこの世界へ転移して来たばかりの知矢はひよっこであった。


 そんな事を悔しく思いながらも知矢は少しでも情報を集め依頼を果たそうと努力するだけである。




 そのご少し離れた木々と岩場の影を監視拠点と定めた知矢達は交代で監視を始めた。


 監視拠点から更に離れた場所にはいつもの知矢が無限倉庫から出した道具でキャンプ地が設営されている。


 もちろんそこにはSランクの老人とギガントポメラニオンがゆったりと知矢達を待っているのだった。



 「おお戻ったのう。成果はあったのかい」


 のんびり椅子へ深く腰掛けどこからかとって来たのか果物を食べながら鷹揚に知矢達を迎えた老人。

 その背後ではまるでボディーガードの様にギガントポメラニオンが控え、香箱座りをしている。


 「ええ、情報通りの場所を見つけました。寝屋の存在も確認済みですからほぼ間違いないと思います」


 「ほうかほうか、ヒョッヒョッヒョ。わしもそいつが姿を表したら覗きに行くかのう」

 そう言いながらも老人は果物を口にしてのんびりと構えるのだった。



 「俺とニャアラスは監視場所に籠りますから食事は自由にしてください。念のためあまり香りの強そうな物や火を起こして余計な警戒をさせない為にこんな物に成りますが」

 知矢はそう言うとテーブルの上へ料理やパンなどを並べていく。


 「俺達も交代で食べに来ますがカーネタリア様は自由にお休みください」


 「ヒョッヒョッヒョ。若者に任せて老人はのんびりさせてもらうかの」


 そんな事を話しながら知矢はキャンプ地を離れ再び監視場所へ取って返すのだった。





 そろそろ太陽は大森林の巨木の向こう側へと隠れ始めた。


 この森は木々も高くそびえ巨大であるが枝も長くその腕を存分に伸ばし見事な葉を茂らせている。

 それによって陽の光が少しでも傾くと地表はほぼ夕闇へと変わってしまう。


 都市では 『そろそろ夕刻ね』 などという時間帯でここ大森林では 『夜』 と言っても過言ではない。


 しかし人族では暗闇でもニャアラスの様に夜目の効く種族や魔獣、魔物の中には夜、暗闇を好んで活動する種類も多い。監視対象である未知の魔獣への注意と同時にそう言った魔物たちへの警戒も怠れない。




 知矢とニャアラスは長丁場になる事も考え岩場の影へ毛布を敷き詰め休みながら監視を続けている。


 時折何かの魔獣や魔物が知矢のレーダーへ反応する。

 しかし念のため知矢が『気配遮断』 の魔法を行使し更にじっと息をひそめているためか二人に気が付くことも無く接近する気配は無かった。



 時折、岩の隙間から少し離れた大木の根本、魔獣の寝屋ねやと思われる辺りに視線を向け辺りを確認する。

 ニャアラスが岩の隙間から覗くとその眼球は闇夜にきらりと輝くように見える。しかし今の所その視線に映し出される影は無い。


 「・・・異常なしニャ」ニャアラスが敷き詰めた毛布の上へ寝転び休憩する知矢へと小声で伝えた。


 「了解、今日はハズレかな。まあまだ夜はこれからだからジックリ行くか」

 そう言いながら知矢はニャアラスへ白湯さゆの入った容器からぬるま湯をコップに注いで渡す。


 「ニャア、そうだニャこれからだニャ」そう返しながらコップを受け取りごくりと白湯さゆを飲んだニャアラスも知矢と同様に毛布の上へと寝転ぶのだった。


 知矢の頭上には従魔が従い静かに控えている。従魔は時折静かにその場から外の様子を見に行っては念話で異常なしを告げていた。

 ゴールデン・デス・スパイダーはその存在気配を殆ど他者へ知られる事なく活動できる能力が有る。

 しかも知矢の従魔はその体躯がまだ小さいため余計に気配を出して発見される恐れは少なかった。


 こういった諜報でも活躍できることを知り知矢は感心するとともに感謝して背中を撫ぜてあげるのだ。




 今2人がいるのは即席で設けた監視場所。ここは知矢が無限倉庫から出した防柵用木組みに毛布を屋根替わりに覆いその上から木の枝葉で全体を覆った物だ。


 暗闇で見るとただの繁みに見えるかもしれない。


 そんな監視小屋を作り待機していた。


 常時視線を注がず時折岩の隙間を開けて覗く程度にしていた。

 もし異常に警戒心が高い魔物だとひょっとして視線をも感じるかもしれないと念のためである。




 二人が監視小屋へ詰めて数時間が経過した。


 その間二人は交代でカーネタリア老人が留守をするキャンプ地へ休憩に出向き食事などをとっていた。


 その間にすっかり闇夜が深く成った頃、全く明かりも無く何も見えない暗闇の中から何かが ”カサ、カサ” と草を踏みながら歩いてくる音が聞こえ始めた。

 と、同時に知矢の従魔も反応し

 『・・・・(何か来ます)』

 と告げながら静かに表へ出て行った。



 知矢は岩の隙間からそっと視線を向ける。


 しばらく暗闇の中でじっと待機していたおかげかそれとも何か身体能力が向上している恩恵なのか知矢の想像以上に暗闇の中で移動する何かを見ることが出来る。だがやはり微かに輪郭程度しか確認できない。



 知矢の頭越しにニャアラスも暗闇に視線を向けていたが彼の方が元々目も良く夜目も効いた為知矢よりはっきりとその姿を確認できた。



 「トーヤ、見えたニャ?」

 「いや俺にはボンヤリとしか見えないがお前はどうだ」

 「何とか見えるニャ。・・・確かに見た事の無い魔獣だニャ。四肢でしっかりした足取り。だけど体格に比べて足音が軽いニャ。見た目は・・・何に似てるかニャ・・・わからないニャ」


 知矢はニャアラスの説明では全く分からず、かと言って夜目も効かない事に歯がみしながら思考していた。


 するとふと思いついた。

 「コナビ! ”魔眼”に暗視機能は無いのか」

 知矢のサポートナビゲータへの問いかけに直ぐ返答が来た。


 『ピーン 暗視機能は実装されています。魔眼へ魔力を供給しながら大きく見開く様に対象物を確認ください。自動的に画像処理を行い解像度も自動調整いたします』


 「よし!それだ。」

 知矢は微かにガッツポーズをすると即魔眼を行使してみた。


 すると先ほどまで裸眼ではほぼ暗闇でぼやけたシルエットしか見えなかったものが次第に光量を増やしほぼ昼間の様に見え始めたのだった。


 「ようし、これは最高だ」そう呟きながら魔眼へ魔力供給を増やす様に体内の魔力を練った。

 すると視覚が拡大され監視対象物の姿は眼前にいるかのごとく大きくはっきりと見ることが出来た。


 「ニャア、見えたか」


 「ああ、バッチリだ。ああ確かにゴールデン・デス・スパイダー達からの情報通り・・・そうだな確かに魔馬より大きくしかし脚は魔馬のそれと言うよりはギガントポメラニオン達のようなしっかりとした四肢だな。顔つきはどちらかと言うと・・・ウルフ種に似てなくもないが」


 知矢は魔眼ではっきりと見え始めた未知の魔獣の特徴を一つ一つ確認する様にその全体像を見る。


 「・・・・・・・」

 その時知矢は何か異変を感じ心臓が”ドクン”と急に脈を打った様な感覚を受けた。


 「トーヤどうしたニャ」

 急に声を出さなくなった知矢へニャアラスが不審そうに声をかける。



 「・・ああ・・・すまない。だがあれは・・・・・」



 知矢はニャアラスへの問いかけにはっきりと答えずその見えている魔獣の全体を確認していく内に何か既視感を覚えたような錯覚に陥っていた。


 「・・・どこかで見た事のある・・・・」


 知矢の視線の先に見えた未知の魔獣は知矢達が監視している事など全く気が付いていないのか、それとも矮小な気配の存在を相手にしていないのか、 昼間知矢達が発見した寝屋と思しき(おぼしき)あたりへ歩み寄ると静かにその大きな体躯をそっと沈ませ休む姿勢を取り始めた。



 「どうしたんニャトーヤ。見たことがあるって?」

 ニャアラスが知矢の呟きを耳にして問いかける。


 「・・・いや見たことも無い魔獣なんだが・・・何だあれは・・・知っている気が・・・」

 そう知矢が何かの記憶を呼び起こそうとした時不意に二人の背後へ気配が現れた


 「ヒョッヒョッヒョ。こりゃあまた珍しい生き物が現れたもんだわい」

 カーネタリア老人が突如知矢達の所へ姿を現した。


 「カッ、カーネタリア様!。 脅かすんじゃニャイ、いや脅かさないでほしいニャまったく」

 ニャアラスは突然の老人の接近に危うく大声を出しそうになりながら踏みとどまった。



 「カーネタリア様。知っているのですかあの魔獣を」

 知矢は自身の思考から浮かび上がらなかったその魔獣を知っているような老人へ訊ねた。



 「ヒョッヒョッヒョ。若いのが知るはずもないであろうな。あれは魔獣では無い」


 「「魔獣じゃない(ニャイ)?」」


 「そうじゃ。あれは ”聖獣” しかも先ずお目にかかる事も無い神の使いとも神の化身とも言われたり一説には精霊獣とも呼ばれる、まさに幻の獣じゃ。わしも見るのは何十年振りかのう」

 懐かしそうに記憶をたどる様な顔をする老人から聞かされた言葉は意外な物であった。


 「ニャア、聖獣様! 白き猫の女王様とおんなじニャ!」

 ニャアラスは老人の話に思い出した様に声を上げた。


 ニャアラス達猫獣人族が一族を上げて祀り称えていた白い雪豹。それが”白き猫の女王”


 猫獣人族の命にも代えがたい精神的信仰の対象である。

 ※ (詳細は  『第13話 獣人の歴史 ~にゃんかようか』  を参照下さい)



 「えっ、白き猫の女王様って聖獣だったのか」知矢はニャアラスの話に自身の思考の中から目を覚ました。


 「ホッホウ。そうかお前は彼の獣人族の者かヒャッヒャッヒャ」

 老人はニャアラスの一族の話を知っていたようだ。


 「ああ確かにあの雪豹は精霊獣であったな。だが同じ精霊獣と言っても目の前にいる”フェンリル”は別物じゃ。雪の女王が知の精霊獣であるとこのフェンリルは風と雷(かぜといかずち)の精霊獣じゃ。

 雪豹が眷属に知識と恩恵を授けるとするとフェンリルは眷属に武を、力を貸し与えるそんな存在じゃ。怒らせると怖いぞヒョッヒョッヒョ」




 少し離れた大木の根本で静かに体を休める様に腹ばいになる大きな魔獣は実はフェンリルと称される精霊獣であった。


 その事に衝撃を受けるニャアラスであったが知矢は岩の隙間から魔眼によりその姿をはっきりと捉えながら未だ何か頭の中にもやがかかった様なすっきりとしない様子で黙り込むように考えている。




 「さしもの大森林の魔獣や魔物たちも神の化身や精霊種とも呼ばれる者が相手では立ち向かった所で相手にもならんの。あいつ、ほれ一緒に来たギガントポメラニオン。アヤツの親とて一瞬で叩きのめされる程の力の差があるわい。そんなやつが大森林を駆けまわっておったのじゃ、まあ魔物どもが逃げ惑うのも無理は無かろうて」


 老人の説明に感心しながらもその力を聞き驚愕するニャアラスであったが知矢は再び思考の中へ迷い込んでいた。


 (精霊獣、フェンリル・・・いや違う。なんだ俺の記憶の中で霞かかった先にいる者は・・・・・)




 ニャアラスと老人を置き去りにして知矢はじっとその精霊獣と呼ばれる生き物を見つめながらも言葉が出てこないのであった。







左手首の痛みも少し収まりだいぶタイピングも出来る様になりました。

しかしまた再発を防ぐ意味もあり更新は少し間をおかせて頂きます。

申し訳ありません。



さて所で昨日は個人的に大変うれしい出来事が有ったのでこの場でお話しさせて頂きます。


実はご存知の方もいらっしゃると思いますが作者はバイク乗りでございます。

昔からツーリングが大好きでしたが近年サーキット走行を始めました。


そして昨日は某会社主催の膝擦り講習会へ参加をしてまいりました。

バイクの膝擦り。

ハングオンってやつですね。

コーナーを走り抜ける時にバイクをあまり倒さず高速で走る為に体重移動で体をINにバイクをOUTにそして膝の擦れ具合でバンク角を感じ取り安全に高速走行する技術です。


その技術を習得するためHIZASURI CAMP と言うものに今回で3回目の参加でした。


そこで昨日は非常に自身の中で上手くできていると気持ちよく走行を繰り返しておりましたが一連の走行を終えた後プロレーサーの主催者の方による好評で見事、最優秀者、

”TOP・GUN”の称号を授与される栄誉を賜りました。

想像もしていなかったことで驚きましたが私の走りをご評価いただきとてもうれしかったです。



ハイ!

それだけです。

個人的な話ですがまあ興味のない方にはどうでもよい話でした。


「そんな事よりもっと更新しろよ」


とおしかりを受けそうですね、ごめんなさい。


ではまた次話にて。



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