第159話 新魔法 アセスメント!! ~ この魔法は現在使われておりません
こんばんは
また更新が空いてしまい申し訳ありません。
なんとか一話書き上げましたのでご覧ください。
では第159話どうぞ
知矢はザイードの方へ眼をやるとかれは知矢へ強く頷いてきた。
それにこたえる様に頷くと一歩、女との間にある柵へ近づきその人物をじっと見つめながら
「 鑑 定! 」
と鑑定魔法を行使したのだった。
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オウ・チョウェイ (26)
ルドマリッド人民共和国 オウ家次女
解放軍第16軍 行動連隊司令部 軍官 四級軍官士長
・身体 LV28
・種族 人族
・知性 C級
・耐力 D級
・成長 D級
・武力 D級
・幸力 F級
・筋力 D級
・速力 D級
・魔力 D級
・特力 基礎生活魔法LV15、火魔法LV5、教養LV18、品格LV11、儀礼儀式LV7
・行使力 剣技LV10、監視眼LV8
・&4$▲:*#$@14
そのステータスをみても特出する能力は見受けられなかった。
強いて言えば ”監視眼” という聞いた事のない行使力とそれを意味するところなのかその女のルドマリッドにおける軍の立場が ”軍官” となっている。
つまり軍人の行動を監視し上層部へ報告する役。日本で言う処の軍目付と同じであろうと思いながらその最下位の項を見ると文字化けしている項目が見て取れる。
「ザイード、これを見てくれ」
知矢は用意してあった紙へその女のステータスを書き出して見せた。
「成るほどこの女は軍官でしたか。ならば軍務の情報には特に詳しいでしょうね、しかも四級軍官士長。この軍の行動や作戦内容をすべて把握していた立場であったでしょう。
しかしこの下の項目はどういった? 」
この異世界には勿論パソコンやコンピュータプログラム言語などの概念すらない世界であり文字は人の意思で書くものである。
よって文字化けとい言葉は存在しないのだから当然これは・・・
「何かの暗号を示しているのでしょうか」
ザイードは当然の反応を示した。
「暗号とも考えられるが鑑定で表示できない様に何か細工がしてあるとも考えられるが。ザイードは過去に鑑定をした中で同じ様な事は無かったか」
「ハイございませんでした。 ですがこの女の鑑定を行った時もその様な項目まで知る事も、いえ詳しい役職等も私の鑑定レベルでは表示されておりませんでしたのでひょっとすると以前も有ったのかもしれませんが。
・・・私もまだまだ及びませんで」
ザイードは知矢に出会うまでは己の鑑定眼、鑑定レベル45に自信を持っていた。そして自らが行った鑑定の結果が全てだと信じていたのであった。
しかし初めてこの奴隷取引商会を訪れた青年がその自信をもろくも崩れさせたのであった。
ザイードの鑑定には表示される事の無かったさる貴族の娘、つまり今は知矢の使用人に列するサーヤの鑑定で知矢から
『商会の鑑定士のLVがどれくらいかは存じませんが鑑定士の方へ1つお伝え願いたいのですが。 鑑定に現れた項目やLVが全てでは無いと言う事を覚えておいてください』
そう言われた事があった。
事実知矢の行った鑑定ではサーヤにはザイードの見る事の出来なかった項目 ”地球からの転生者” の項目が表示されていた。
さらに言えばその後購入した奴隷、ノブユキ達の項目にも ”日本からの転移者の子孫 ” という項目はザイードの鑑定では知る事は出来なかったのである。
「鑑定のレベルで知り得る内容が異なる原理について俺は何も知らない。しかしザイードの鑑定と俺の鑑定では確かに差異がある。俺の鑑定に信ぴょう性が有ればだが・・・」
知矢は最高神から与えられた数々の能力や魔法を持っているがその原理をよくは解っていない。
この世界の者達も実はそれ程魔法やその他特殊能力の原理概念を詳細に理解している者は少ない。
それらの研究を行っているのが一般で ”大魔導士” 等と呼ばれる者達であった。
身近で言えばアンコール伯爵家で食客として招かれ魔法の研究に没頭している ”モンゴミリア” などがそれである。
しかし未だ多くの魔法に関する原理は不明、不可解な物も多く大多数の者は 『神の与えたもうた奇跡の技 』 という事で済ませってしまっていた。
これが魔法の解析、魔法学が発展しない一因でもあった。
因みに知矢はその魔法や特力、行使力を 『最高神様から頂いた力』 と思っているが実の所少々異なる。
最高神は知矢へ与えたのは日本、地球では存在しなかった力、魔法を使えるようにしただけである。
よって今知矢のステータスに現れている能力の殆どは知矢が日本に於いて長年培っていた経験と技などが元になっておりそれらの能力に魔力的なものが加算される事により現在のステータスとなっている。
そしてその知矢のステータスも多くは鑑定魔法で見る事は出来なかった。
この中核商業都市ラグーンへ来て翌日には冒険者ギルドで冒険者登録を行ったがその際知矢を鑑定したギルド主任のニーナも名前や年齢、基本能力そして賞罰の有無などしか見る事は出来なかった。
だがもし知矢のステータスの全てをニーナが鑑定出来たとしてもそれを信じる者は居なかったかもしれない。
なにせ ”最高神の加護を持つ者” ”若返りし者” ”転移者” などこの異世界における常識では考えられないものなのだから。
そして一般に比べ高位の鑑定能力を有するザイードでさえ知矢の全てを観る事はかなわず、そして今回知矢が鑑定したルドマリッド人民共和国の捕虜、戦争奴隷の女の鑑定もザイードには叶わなかった。
「さてその暗号のような物を解読若しくはその表示を隠す何かを消し去ることが出来るかが問題だな」
知矢も初めての経験にどうアプローチをするべきなのかを思案し始めた。
もちろんザイードは知矢任せなので黙って控えるしかない。
「その女に聞いてみるニャ」 知矢の護衛で付き従っていたニャアラスがふと言い出した。
「ニャアラス様。実はこの者は以前より何の問いにも答えずだんまりを決め込んでおりまして。ただ話が出来ないとか精神を病んでると言う訳では無さそうで自己の欲求や希望があった時は自ら口を開くのですが。それ以外は、あの様な表情をしたまま何も問いに答えないのです」
ザイードの言葉通り知矢達が入室してきて以降もその女は身じろぎもせず知矢が話しかけても表情を変える事無くじっと一点を見つめるように黙ったままであった。
一見すると戦いの中で心でも失っているのではと考えられたがそうでもなさそうである。
「うーん、それも含め何か魔法で封じられているのかもしれないな」
(コナビ!)
(ピーン! ハイなんでしょう)
(この女を鑑定してみたがそのステータス表示にバグの様な表記がある。これはどういう意味なんだ。何か読む方法が別にあるのか)
知矢は意識下でサポートナビゲータのコナビへ聞いてみた。
(ピーン! この表記は鑑定阻害の魔法によるものです。鑑定阻害の魔法の効力を消す事は可能ですがそれには外部より魔力を強制的に送り込む必要がありその反動で意識障害や思考能力への著しい負担を生じ記憶の欠損や思考能力の低下の可能性が有ります。
それらの障害を起こさずに取り除くには二つの方法が考えられます。
① 長時間に渡り阻害解除の魔法をかけ続けかかっている魔法自体を破壊する。これはおおよそ14時間を要します)
② 精神に強い衝撃や自己覚醒を促し自力で阻害魔法に打ち勝つことによって障壁を破壊します。
しかしこの方法は本人にその能力が無い場合不可能です。)
(どちらも現実的ではないと言う事か。だが他に方法が無いんだな)
(阻害魔法を破壊するにはこの方法しかありません。しかし知矢さまの鑑定魔法のバージョンアップにより鑑定魔法能力を向上させることで可視化する事は可能です)
(じゃあバージョンアップを行ってくれ。どうやるんだ)
(現在のステータスでは不可能です。現在の鑑定魔法のレベルは ”MAX”に達しています。これに併せ光魔法のレベルを50、そして解析魔法と併せる事により鑑定魔法の上位魔法、評価魔法 が行使できるようになります。
現在の光魔法レベルは15です)
(当分無理と言う事か。分った、また何かの時は頼む)
(ハイ分りました)
知矢は閉じていた目を開き周囲で知矢の様子を窺がっていたザイードやニャアラスそしてボンタを振り返った。
「方法は解った。これはやはり阻害魔法の一種だ。そしてそれを解除する方法もいくつかある。が、しかしそれには色々な制限や条件をクリアしないと無理な様だ。しばらく時間がいる。
ザイード、その方法が可能になるには何日、いやどれくらいかかるか今は解らない。しばらく時間をくれ」
「ハイ、わかりました。しかし方法があると言う事だけでも解ったのですから素晴らしい。その方法を窺がっても?」
ザイードは感激した様子だ。
元々ザイードは知矢の鑑定眼やその能力や人となりに以前から好意を寄せていたのだった。
「う~ん、そうだな。俺のステータスや秘密に係わる事だから詳しくは言えないが1つだけ言えるのは、光魔法のレベルをもっともっと上げる事により新たな魔法の行使が可能になると言う事だけ言っておこう。それ以上は聞かないでしばらく時間をくれ」
そう言いながら席を立つ知矢。もうここには今のところ用も無い事だと判断しニャアラス達へ声をかけ帰路に付くことにした。
「わかりました。知矢さまの秘密に迫れないのは残念でございますが詮索はマナー違反。諦めると致します。
ではこの件はお任せいたしますので十分にお時間をお持ちになって結構でございますのでよろしくお願いいたします」
ザイードは深々と頭を下げるのであった。
奴隷取引商会を後にした知矢達。
「兄貴、じゃあ店に帰りますかい」
ボンタは相変わらず周囲を警戒しながら先を歩く。
「そうだな、取りあえず近場で昼にするか。もういい時間だろう」
知矢は空を見上げながら太陽の位置と腹の減り具合を勘案しながら提案する。
「ニャア、そうだニャその辺の屋台にでも寄るニャ」
ニャアラスは官庁街を抜けた先の通りへ目を向けながらどこかに良さそうな店は無いかきょろきょろ見回す。
「兄貴! もし良ければあっしの知っている店はどおっすか。夜は飲み屋っすけど昼は定食も酒も出してる店がその先にあるっス」
ボンタは通りの先を指さしながら嬉しそうになじみの店なのか知矢へ勧めてきた。
「おお、お前のおすすめか。どんな料理が出るんだ」
「ひっひっひ、兄貴驚いちゃいけませんぜ、なんとその店は ”炒めたうどん” を出す店なんすよ。これが結構うまいんであっしは結構食べてますけど飽きも来ないしともかくうまいんですよ。どおっすか」
ボンタの言葉に知矢は少々驚いた。
何故か。それはこの都市の料理事情が原因であった。
知矢はこの異世界の料理の殆どを未だ知らないと言って良いだろう。
今まで食して来たのはこの都市やその周辺の街などが精々だ。
しかしそれらのどこでも共通するのは料理のバリエーションが非常に少なく素材を生かすと言えるのかそのまま切ったりしてただ焼いたり炒めたり、時に揚げ、スープ状の物は多くの店が同じような味付けであったりして味付けは基本塩が主流。香味野菜を混ぜる程度。胡椒やその他の香辛料も無くはないが高価な為使用量も少なく種類も少ない。
そんな食文化の中に最近異変を生じさせているのが知矢の売り出したうどん文化であった。
これは勿論日本の食文化からの流用であったがそもそも素材に併せ出汁をとり塩以外の調味料。この場合だと醤油や酒を利用して味に変化や深みを持たせるなどの手間をかける事で複雑な味わいを醸し出していた。
それもこれも知矢やサーヤによる日本での知識と日本からの転生者の子孫たるノブユキ達の故郷で手に入れることが出来た調味料によるものだ。
それ故この都市の料理人にはそう言った味や料理を再現したり新たな料理を作り出すのはハードルが高いのである。
その中でボンタが行きつけの店に新たなメニューが存在する事は驚きであった。
「ほう、それは変わっているな。よし案内してくれ」
知矢は興味を持ってボンタを促すのであった。
「こいつのおすすめニャ。大丈夫かニャ」
疑いのまなざしのニャアラスであった。
「旦那、大丈夫っすよ、ほんと美味いっすから。さあこっちっス行きましょう」
ボンタは知矢達を誘導しながら通りをどんどん進んでいった。
しばらく歩くと知矢にはなじみのない通りへたどり着いた。
「この辺りは来たことが無かったな。商業地区も方角が変わるとまだまだ店が色々あるんだな」
知矢は周囲の店を眺めながら歩く。
「兄貴は初めてっすか。ここいらはどっちかっていうと 北門 からの人の流れが多いっすから兄貴が良く使う 東門 とはちょっと違うっすかね。」
そう話しながらどんどん進むボンタは「こっちっス」と通りを曲がりながら先導する。
「ニャアここいらは呑み助の街だニャ。夕方になると酔っ払いが溢れて楽しい通りだニャ」
「成るほど、そんな通りもあるんだな。たまにはそんな所で食べたり飲んだりも良いな」
周囲をよく見ると出店の店先につるされている肉を燻製にして削いだものをパンにはさんで売っている店や併せて酒も売っていたりする。
注意して観察すると食べ物の匂いと酒の匂いが強い通りだ。
だがまだ昼間のせいか実際呑んでいる者の数は少ない。
ここいらの出店や屋台では立ち食いや立ち飲みが多そうなのは見て取れるがまだ人はまばらだ。
「兄貴! ここっす。この店っすよ」
ボンタが指さす店は屋台では無くしっかりとした店構えであったが雰囲気は居酒屋の様でもあった。
「ニャア! お前この店はあの店じゃニャ!」
ボンタが店を見ると少し異議があるように声を上げた。
「どうしたニャアラス。知っている店か」
「どうもうこうも。こいつ気に入った女の店に俺達を連れて来ただけニャ。トーヤ別の店へ行くニャ」
そう言うとニャアラスは知矢の肩を掴み回れ右をさせ別の店へと案内する様だ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっス。この店、本当に美味いんですから食べてみてくださいよ」
慌てて知矢の背を押しながら別の店へと誘導するニャアラスを引き留めるのだ。
「ニャア、お前女に客を連れてきていいところを見せたいだけだろ」
「そんなつもりじゃないっすよ。本当に美味いんすから」
ボンタも必死で抗弁するがニャアラスはますます疑いのまなざしでボンタを非難する。
「ニャアラス、まあたまにはいいじゃないか。こいつのおすすめの ”炒めたうどん”ってやつを食べてみたい」
知矢のとりなしでしぶしぶ同意したニャアラスの背を押し知矢はボンタの先導で店の戸をくぐるのだった。
「こんちわ! 今日は客を連れて来たっす!!」
ボンタは店の中へ大声で声をかけるのだった。
(しかし炒めたうどんか。ちょっと楽しみだ)
知矢はこの異世界で新たな食に出会えることに興味津々であった。
読者の方から
「背景が黒では読みにくい」
との指摘を受け白へ戻しました。
如何でしょうか。
筆者には黒の方が読みやすいのですが読者の方のご意見を優先いたします。
また何かございましたらお声かけくださいね。




