第146話 サンダー!! ~ 「グヌヌ私の仕事を!」
本日もいつもより速い投稿が出来ました。
毎回この様子だと良いのですがなかなか・・・(^_^;)
では第146話です。どうぞ
「ガンツ、大丈夫ですか」
マジコはクレイボアへ止めを刺しに行き今一歩致命傷を与えられず逆に突き刺した剣ごと振り飛ばされ地面へと落下したガンツへ駆け寄りその状態を確認した。
「ウッツ痛てててっ」ガンツは投げ出されたときに軽く背中や肩を地面へ打ち付けられた様だが打ち身程度で済んだようだ。
すぐに駆け寄ったマジコの魔法で治療を受け始めたその後すぐにマジコに手助けされながら身を起こしゆっくりと立ち上がったのを見た知矢は(まあ大丈夫じゃな)とそちらはマジコに任せマリノスの方へ振り向いた。
クレイボアを一刀両断した後の呼吸の乱れも整えたように見えるマリノスは仕留めた獲物の傍らでじっと見下ろしていた。
「マリノスさん、お見事でした」知矢はガンツが仕留めそこなった時につかさず隙を見て一撃を加える事に成功した事を祝し声をかけた。
知矢の声にハッとしたマリノスは顔を知矢へと向けると何か確認する様に視線を上下させる。
「どうしましたか」訝しそうな顔をし逆にマリノスを見る知矢だったが内心では(サンダーの威力が初心者にしては強すぎたか)とマリノスの心中を察している。
知矢はクレイボアが突進を始める前からいざという時の為に魔力を準備していたが思いなおし一度魔力を霧散させていた。
つい魔力を込めてしまったが知矢の魔力はSS級。これを体内で集束させる。要は集め増幅しそれを一気にサンダーとして放出するとクレイボアは消し炭になるどころか周囲位を広範囲に電撃が暴れまわりガンツ達にも多大なる被害をもたらすであろう。
魔法はどのような原理で行使されるのかは知矢は今一つ理解していなかった。
確かに最高神より転移前に受け取った”指南書”には魔力の込め方、魔法の種類や用途、強さなど使い方、発する方法などの説明が詳細に記してあった。
しかしその原動力である魔力とは何か、その力はどこから湧いてくるのか。そもそも魔法魔力って何かを理解していない。
この世界の人々が当たり前のように魔法を使う、生き物が呼吸をするかの如く自然に。
産まれた時から周囲がそういう環境なのだから当然の反応であるが魔法の無い異世界から来た知矢は変に偏った例えばアニメや物語、映画で表現されてきた魔法のイメージが強く未だ完全に使いこなしているとは言えなかった。
その為知矢は自制しなければと一度魔力を霧散させサンダーを発する時に指先程度の魔力を利用し放ったのであった。
それでも少し強力過ぎたかなとマリノスの顔を窺がいながら思うのだった。
「・・・君は・・・剣士では無かったのですか」やはりマリノスはクレイボアへ放たれた魔法の傷跡を見てぼそりと呟いた。
(やはりそう思うよな)知矢もクレイボアへ打ち込んだサンダーの傷跡を見ながら思う。
「いえ私は剣士ですよ。ただ魔法も使えます。ですが攻撃魔法だけで治癒魔法などは使えませんが」
と知矢はファイヤーボールとサンダー、ウォータショット等の3原素の基本魔法だけは使える事を伝えた。
マリノスへ詳細は言っていないが光魔法や土魔法もその資質は持っているが未だレベル上げも出来ていなく伝えるほどの魔法も行使できないので割愛した。
ただ知矢はSS級の魔力を全力で込めるとファイヤーボールであろうともその火力、勢い破壊力は一般のそれと比べ数十倍から百倍以上の威力がある。そんな出鱈目な魔法は有り得ないのだがそれが魔法特性の良さとSS級と言う事なのだろう。
知矢の返答を聞いてもマリノスは未だ訝しんでいるのか再びクレイボアの脇腹へ穿たれているサンダーの痕跡へ視線を向けていたがガンツが起き上がりこちらに歩いてくる様子を察し疑問を呑み込んだようだ。
「くっそう、かっこ悪いったらねえな。トーヤ助かったお前があそこで魔法を撃ってくれなければもっと酷い目に遭ってた。しかし新人なのにとっさの判断が出来るなんてすごいぞお前」
ガンツは素直に知矢の行動を評価いてくれた。だがその後ろに控えていたマジコは微妙な顔をしている。
臣下の立場で主を守ることが出来なかった事とまさか主の酔狂で連れてきた新人冒険者に立場を取って変わられると思いもよらなかった事による思われる。
しかしそれを口に出すことも無くマジコはじっと後ろに控えるのであった。
「いやあ後方で全体を見ていたからなあ。あの場所から俺が剣を持って走っても届かないし咄嗟に魔法を撃つしかなかったよ。でも大した怪我でなくてよかった。
それよりこの獲物はどうする。持って帰るなら血抜きして解体しないと」
知矢もこれ以上話が膨らむ前に話題を変えた。
「ああそうだな。クレイボアか、高級肉だぞ置き去りじゃもったいない。トーヤの貸してくれたマジックバックがあるからもてるだけ仕分けして持ち帰ろうぜ」
ガンツの言葉にマリノスも賛意を示し知矢も手を貸しながら解体が始まった。
やはり女の子なのか単に苦手なのかマジコは少し離れたところへ控え周囲を警戒する様にクレイボアの解体から目をそらしていた。
「お前解体が上手いな」ガンツはマリノスと知矢に解体を任せ傍で観察している。
やはり子爵の子弟では解体に手を出すような事は無いと見え日頃からマリノスへ任せているようだ。
知矢は以前、都市の散策中に知り合った鍛治士兼武器屋のガンテオンの店を何度か訪れた際に使いやすそうな解体専用ナイフを購入していた。
武骨な作りだったが刃渡りも適当で厚みも薄く刃に弾力はあるが丈夫で切れ味の良い物で使いやすかった。
一度ガンテオンへ知矢が聞いた事が有る。
「これだけ素晴らしい刃物や武器を作れるのですから誰か売り子を置いてガンテオンさんは製作に集中してはどうか。そうすればもっと売り上げも上がるのでは」と。
知矢は返答を聞くまでも無く鍛治士としてのガンテオンの気質を理解していたが、何かの折にあまり商品が売れない(売らない)ので材料の支払いに困る時がある様な事を耳にしたのが切っ掛けだった。
だがやはり答えは予想通りであった。
「刃物の良し悪しも解らねえ馬鹿に売る物はねえ。ましてや売り子を雇っても売り子自体が物と者を理解なんか出来やしねえ」とぶっきらぼうに答えるのみだった。
そんなガンテオンであったが最初に一度投げナイフを買った知矢には以降何も言わずに商品売ってくれるしオーダーメイドも受け付けてくれるありがたい存在だった。
「いやあそれほど慣れてる訳じゃないさ。俺も最近他の冒険者から指導を受けて覚えたばかりだからな。本当は血抜き後、内臓を取り出して沢や川の冷水へ浸して肉の熱を取る方が肉が傷みにくいらしいけど川が無いから魔法で冷やせば構わないだろう」
知矢は実際最近ニャアラスとボンタから実地で教えを受け解体の技を勉強中であった。
日頃は使用人たちが解体を行ってくれていたのですっかりそれに甘えることが多かったがこれも基本の内と思い教わる事にした。
しかし日頃は狩った獲物はすぐに無限倉庫へ収納していたので時間経過を止めることが出来る無限倉庫の中には未だ多くの獲物が収納されているのである。
解体を終えた一行はその場で小休止を取った。
内臓は不要と言うので地面へ穴を掘りしっかり埋めた。放置しておくと匂いにつられ思わぬ魔獣などが寄ってくることもあるし腐った内臓などから病気の原因を生み出しそれを食べた獣や魔獣を介し病気が蔓延するのを防ぐためでもある。
知矢は(ピョンピョンがいたら喜んで食べるのだがな)とたまたま今日は同行せず店へ置いて来た従魔は今頃どうしているかと思い出していた。
知矢は自身の持ち物から携帯燃料とポットを出しお湯を沸かし紅茶も提供した。
それを4人で飲みながら3人は先ほどの反省会を行っている。
「私が判断を誤りました。申し訳ない」
マリノスは自分の判断ミスだと口にしたがガンツは
「いやリーダーは俺だ。俺がこのまま行けると思いこんだのが悪い。獲物の想定も甘かったし配置に指示も出さなかった。これからは気を付ける、すまない」
とマリノスでは無く自分が悪いと素直に言えるところは子爵の子弟でありながらも反省できる点は素晴らしいと知矢は評価した。
しかし冒険者は一瞬の判断ミスが即、死へつながる仕事だ。それをどこまで理解できているのかとも思うが知矢も先日仲間のボンタを死なせそうになったばかりである。 自らも戒めて気を張り直そうと思うのだった。
知矢は話の流れでフォーメーションを前後左右に広げ日本で俗にいうダイアモンド体形を提案した。
盾職も出来、弓をも使えるマリノスを頂点に少し下がって左右へ剣士のガンツと剣も魔法も使える知矢、そして中央後方に魔法職のマジコ。という形である。
当初彼らは知矢の力を計算に入れず「見て学べ」としていたが初戦の遭遇戦でとっさの判断と実績を見せているのでガンツは素直に提案を受け入れた。
マリノスも「それが正解でしょう」と未だ知矢の力に何か秘密があるのか少し訝しんでいる様子も見えるが害では無いと判断しガンツの決定に従う形で了解した。
マジコは何も言わず頷くだけで賛意を示したが魔法使いとしての力を見せようと思っているのか両手の拳目の前にし自分の中で「ウン!」と何か決心した様子だった。
小休止を終えた一行はそのまま先ほど打合せした体形で森の奥へと進む。
「情報にあったキリングパンサーの生息域はまだ先だ。だがさっきの事もある充分に注意を払いながら進むぞ」
「「「了解」」」
ガンツの声で一行は森の奥を見定めながら進むが知矢のレーダーでは周囲に小動物や小型の魔獣は確認できたが脅威になる物はいなさそうだった。
だが知矢もレーダーと併せ再び己の気を周囲へ向け進むのだった。
昨日は自分の目を疑いました。
日頃はおおよそ閲覧して下さる皆さまの数が2000~3000アクセスでしたが急に一気に増えて
なんと7000アクセスを軽く超えていました。
ありがとうございます。
滅茶苦茶嬉しかった!!
ですが・・・なんで?
不思議過ぎて何かに騙されているのかと心配になります。
今後ともよろしくお願いいたします。
<(_ _)>




