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第138話 甘い希望の亡命  ~「さあ!痛い目に遭いたくなかったら吐いちまいな!」

こんばんは

だいぶ遅くなりましたが何とか書き終えました。

ですがいつもの通り話は進んでいません。


では第138話どうぞ。



(なんか落ち着かないよね)


(そりゃあ昨日までにいわば敵地だからな、当然だ。)


(ほんと大丈夫かなあたしたち)


(信じるって決めてここまで来たんだ。今更『やっぱり帰ります』なんて言えないだろ)


(確かにさあのパンケーキは天にも昇る美味しさだったよね)


(ミサエラ、お前食い物だけかよ)


(だって仕方ないじゃん。コルサミルだってそうでしょ)


(あたしは確かに美味しい物を食べられる事にもひかれたけど、もうそんな物だけじゃない。生活ひっくるめて全部何もかも違い過ぎるし!)


(そうよね。あんた気が付いた? まだ門をくぐっただけだけど・・・臭くないよね。っていうか良い匂いも漂ってたし)


(今思うと人民共和国の街って汚いし臭かったな。クリーンの魔法だけじゃ街は綺麗にならないしな)


(この街さ見た? 門の外なのに花壇が有って綺麗な花が咲いてたよ。信じられないよね街の外だよ)


(意識も違うのもあるだろうけど、やっぱり生活に余裕があるんだよ。うちらなんか花を植えてたら『そんな食べられない物に手間をかけるな。食べられるものを植えろ!』 って絶対同志から怒られるよ)


(は~っ。言えばいう程違い過ぎて・・・本当にこんな所で生活させてもらえるのか不安だよ)


(トーヤって言ってたあの若い冒険者に対する兵士の態度見ただろ。兵士だぞ!貴族側の兵士が冒険者に頭下げて言うこと聞いてたの見たろ。聞いてた話もあれ見せられたらまんざら嘘でもないなとあたしは逆に安心したけどな)







知矢、ニャーラス、ボンタの三人はラグーンへ潜入し知矢達魔道具商店の秘密を探るとともに製作者を誘拐し更には店へ火を点けようと企んだ南の大国、ルドマリッド人民共和国の潜入工作員の捕縛した後工作員が所持していた精霊魂石の扱いや始末について手がかりを得る為、工作員が密かに帝国内に設けたキャンプ地を探し出す為南の森へ向かった。


その後キャンプ地出であった工作員の残党。ミサエラとコルサミルと言う女性二人を知矢のおいしい物作戦で見事に釣り出し共和国を抜け帝国へ亡命する様説得し二人を連れてラグーンへと無事生還したのだった。




ゲートをくぐったすぐ脇にある兵士の詰め所に通された4人は知矢の要請でこちらへと向かっている第1騎士団長モンドールの到着を待つのだった。



いざ帝国の街へと入り兵士の詰め所へと誘導された二人は僅かに不安は覚えたものの基本的には腹をくくった様子を見て取れたことを知矢は安堵した。


「まあ気持ちはわかるがそう不安がる事も無い。話した通り拷問も無ければ死刑にもなりう事は無いから安心しろ。ただし、」


促されソファーへと腰かけたもののミサエラとコルサミルはコソコソと話し込んでいたところへ知矢が声をかけたが


「「ただし?」」


知矢の言葉に少しだけ恐れと不安を見せるのだった。


「そうだ、ただし聞かれた事を嘘無く素直に答えしかもこちらの要求する問いに間違いなく回答すれば、だがな」

知矢は念を押す様に二人へと釘をさす。


当初からの一番の目的は二人を亡命させる事では無く肝心なのは ”いかに問題なく精霊魂石へ封じられている精霊を怒らせることなく解放できるか” これにかかっているのだからだ。



「解っているわよ、何でも聞いてちょうだい。勿論知っている事だけだけど全部話すわよ」

コルサミルは腹を固めた様子であっけらかんと答える。


もう一人のミサエラはどうかと知矢が視線を向けると

「あ、あたしだってダイジョブよ。ちゃんと嘘無く応えるわ」


少しキョドリ気味だが知矢は大丈夫であろうと踏んでいる。ミサエラの様子は別にしてコルサミルは覚悟を決めた様なので同行するミサエラはそちらの意思に引きずられているのは間違いなさそうだからと確信していた。




そうした少し緊張感のある空気の中暫くすると”コンコン”「失礼します。第1騎士団長モンドールが参りました」兵士が告げるとすぐに扉からモンドールが入出してきた。



「トーヤ殿、先日以来ですな。あの時は大変お手間を取らせ申し訳ありませんでした。」

モンドールは入ってくるなり知矢の方へ進み立ち上がって挨拶を交わそうとした知矢の手を両手で握り盛大に感謝する様に詫びを口にした。


その様子を見ミサエラとコルサミルは唖然とするのであった。


2人の感覚では騎士団長など雲の上の存在だ。貴族の部下の中では最高位に位置付けられる。

そんな騎士団長が入ってくるなり相手の冒険者へ礼を求めるのではなく自らが進んで礼と詫びを口にする。

そんな光景が目の前で実際行われているのだ。

2人はポカーンとし思考停止に陥っていた。



「モンドール団長、こちらこそお騒がせいたしました。彼女はその後元気でうちにいますしまじめに働いていますよ」


知矢はモンドールへ安心する様にと声をかけ逆に話がありますとソファーへと促すのであった。



「都市を出て探索に入ったと言うのは伯爵様から聞いていましたがええと・・・」

知矢以外に面識がないモンドールはちらりと周囲を見ながら知矢へと説明を求めた。


「ええ、先ず先に。こちらはBランク冒険者のニャアラス殿です。今回の探索では非常に貢献してくれ彼がいなかったら達成困難だったと言っても過言ではありません」


「トーヤは大仰だニャ。Bランクのニャアラスニャ」とニャアラスは立ち上がり笑顔をみせながらモンドールへ礼をとる。


「ニャアラス殿か。この度は手間を掛けさせて申し訳ない。トーヤ殿と併せ後日伯爵様からも十分な例が出ると思います」とモンドールは礼を取るニャアラスにも気さくに握手を求めるのだった。



「そしてこちらにいる二人ですが」知矢は挨拶を終えた二人が席へ戻ると本題へと入った。


「実はこの二人は南の大国の工作員で森の中にあったやつらの簡易砦で留守をしていたところを発見し連れてきました。彼女たちは情報提供の代わりに亡命を希望しています。ミサエラ、コルサミル」


2人をモンドールへと紹介し挨拶を即した。


「あああわゎっあたしはミサエラって言います。あのう何でも聞いてください答えますんで。ですから拷問はしないで!」

ミサエラは雲の上の存在と位置付ける貴族配下の高官である騎士団長を前に何とか助けてと訴えるのだった。



「ええっとあたし、いえ私は元ルドマリッド人民共和国の諜報機関において潜入補助員を仰せつかっていた剣士恪のコルサミルと申します。どうぞよしなに。」

かわってコルサミルは落ち着いた様子で堂々と官、名を名乗った。



「元、と来たか」モンドールは苦笑いを浮かべた後姿勢と表情を改め自己紹介をする。



「うむ、私はこの商業中核都市を管理する貴族、アンコール伯爵様より第1騎士団を預かるモンドールである。安心しろ我々帝国では捕虜や亡命者への体罰や死刑は禁止されている。

勿論協力的であればの話だがな」


流石騎士団長である。最初が肝心と亡命者にきっちりと釘をさすことを忘れない。



「「ハイ!勿論ちゃんと話します!」」



モンドールの鋭い眼光に二人は姿勢を正しながら汗をかきかき応えるのだった。



「さて団長様」

「モンドールで結構ですよトーヤ殿」


(いやお前な・・・)と思いながらも知矢は「ウオホン、モンドール細かい話はそちらでじっくり聞いてもらうとしてだ先ず俺も絡んでいる話から聞いていいか」


知矢は公の場で良いのかこいつはと思いながらもモンドールの言葉に甘え呼び捨てだ。



「ええ、そうですね。肝心な事を先に終わらせましょう」と同意を得て知矢はミサエラへと向き直る。



「話は早い方が良い。ミサエラ、俺は鑑定魔法が使える。だからお前が精霊使いであることは既に把握済だ。その上で聞く」

知矢は今までにないまじめな顔つきと鋭い視線をミサエラへ向け問うた。


「お前らの仲間でこの都市への潜入工作に失敗し既に捕縛されている仲間に ”精霊使い” ”精霊の山の一族” と言うものがおりそいつが持っていたこれ、この精霊魂石に封じてある精霊を無事精霊を怒らせぬように静かに開放してほしい。その方法をこちらへ開示してくれ。それが俺からお前に聞きたい話だ。」


そう言いながら知矢は無限倉庫から先日捕縛した工作員が所持していた石、”精霊魂石”を出し示した。


「あっ・・・」

ミサエラは話を聞き石を見せられると一度その石を確認する様にじっと見た後視線を知矢へ移しその後俯いて黙ってしまった。



因みに知矢がすでに鑑定してあるミサエラのステータスは





ミサエラ (28)


 ・種族   人族 ルドマリッド人民共和国情報工作員


 ・精霊使い 精霊の谷の一族


 ・知性 C級


 ・耐力 C級


 ・武力 E級


 ・幸力 D級


 ・筋力 E級


 ・速力 D級


 ・魔力 C級


 ・特力 基礎生活魔法LV5、風魔法LV5、精霊召喚LV8


 ・行使力 精霊への願いLV16、精霊の舞LV25



である。



先に捕縛した者の ”精霊の山の一族” ”精霊封じLV24”

と異なりミサエラは ”精霊の谷の一族” ”精霊への願いLV16”、”精霊の舞LV25”


と族名も若干異なるうえに ”封じ”では無く ”願い”と”舞” だ


元々知矢はこの世界の人間では無いので当然であるが帝国に於いて禁じられている精霊に関する魔法の類は敵性魔法である為少々の研究はされているが情報と言っては乏しい物しかないのが現状だ。


よって知矢にはその魔法や行使力の違いそして族名の違いを判別できない。


どうが有ってもミサエラから話を聞きだし精霊魂石の精霊を開放しなければせっかく破壊工作を未然に防いでも怒り狂うた精霊がこの都市で暴れまわっては意味がない。


是が非にでも語ってもらわなければならなかった。


押し黙り下を向くミサエラ。

その横で事情を知ってか知らいでかハラハラしているコルサミル。


モンドールは話の主導権を知矢へと譲りじっと経過を見守っている。


ニャアラスは心配そうにミサエラを見てこちらもハラハラと落ち着きがない。


知矢はそんな空気の中じっとうつむいたままのミサエラを見つめ黙って彼女が口を開くのを待つのだった。






果たして!

精霊の開放の行方は!

おかげさまで28万5千アクセスを突破いたしました


皆様ありがとうございます。


最近更新頻度が遅くて申し訳ありません。

1人でも読んでくださる方がいる限り何とか頑張って更新したいと思います。


では次作で

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