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第125話 奇跡の出会い  ~ 「あっしの酒と夕食は・・・」

こんばんは

更新できましたよ

何とか頑張りましたよ


明日はどうなるかな(-_-;)

ともかくでは第125話どうぞ。



「・・こんな所でどうかなさいましたか?」


「すまない! 毒消し薬を持っていないか! 持ってたら欲しい、どんな対価でも払う 頼む!」

知矢はボンタを抱えたまま突然現れた見ず知らずの女性へ必死に訴えかけた。




「私に見せてください」

その女性は知矢とニャアラスを押し退けるようにボンタの容態を確認すると

「これはいけない!」と呟きすぐ魔法の詠唱を始めた。



『数多の星の下に集いし救い人達よ、このか弱き者に聖なる光を集め清め救いを届けよ・・・』


『・・・忌まわしきものを(ポイズン) ・ 聖なる力で(ホーリー) ・ 癒し(キュア) ・ 生を呼び起こせ(リバイブ)!!』



ボンタへかざされた手が青白く発光し徐々に光を増し最後に力強く発した呪文と共にボンタの全身が青白い光に包まれる



「「おおおお!!」」知矢とニャアラスがその光景に思わず声を上げた。



目の前で今にも朽ち果てそうな土色だったボンタは全身を光に包まれ輝いている。



「聖光ニャ!!」ニャアラスは感動したように呟く。


「成功したのか!」知矢がそれに答えるが


「違うニャ 体内の毒を消し去る聖なる魔法 ”聖光” ニャ」



ボンタを包んでいた柔らかな青白い光は次第に収まりそして消えていった。




「ふーっ。もう大丈夫でしょう」


その女性はボンタへかざしていた手を離すと安堵の吐息をつき成功したと二人へ伝えた。




「おおっ、ボンタ!生きてるニャ」


「ああ、顔色が良くなってきた。 すまない、急に無理な事を願って、しかも魔法でこいつを治療してくれて感謝する。本当にありがとう」


知矢はその女性の手を握り上下に揺さぶりながらボンタの顔色が劇的に改善した様子を横目で確認し感謝を伝えた。

「ありがとうニャありがとうニャ!!」

ニャアラスはその女性に抱き着き頬をすりすりしながら何度も何度も感謝を伝える。



「っえ、ぃいいえ。間に合って良かったわ」激しく感謝の気持ちを表す二人に困惑する女性だった。

するとそこに




「司祭様! 司祭様! どちらに!」


少し離れたところから人を探す声が。するとその声で感激していた知矢達の行動がふと止まるとその女性は静かに立ち上がり



「アーモント、こちらです」と返事を返した。



知矢達は改めてボンタを救ってくれた女性を見るとその姿は教会関係者と一目でわかる黒衣のワンピースを纏い首からは革紐に括られた聖なる光を示す紋章をぶら下げていた。


「司祭様! おおこちらにおいででしたか、姿が見えなくなったので心配して・・・この者達は?」

姿を現したのは同様の神官服をまとった歳の頃は今の知矢と同じくらいの見習いの様であった。


「アーモント、こちらで伏せている方が毒に侵されて今にも危ない状態でしたので癒しを与えておりましたのよ。でも間に合って良かった。本当にあとほんの僅か遅れていたら・・・」


アーモントと呼ばれた若い神官に説明しながらボンタを振り返ったその女性は20代後半程と見受ける小柄の女性だった。

その歳で司祭と呼ばれているところを見ると相当優秀であると思われる。



「こちらこそ仲間をお救い頂きありがとうございました。

私は冒険者のトーヤ、こっちはニャアラス。そして今お救いいただいたのはボンタと言います。重ねて感謝申し上げます」

知矢は立ち上がりその司祭と呼ばれた女性と神官へ深々と頭を下げたのだった。


「ニャ、ホントに助かったニャ。ありがとうありがとう。

でも先に言っておくニャ。この辺りは悪い奴らのキャンプが有ってそこいらに罠が仕掛けてあるニャ。今通って来た獣道を外れる事無くゆっくり森から出た方が良いニャ」



ニャアラスの言葉に驚いた司祭たちは周囲に気を配りながら言われた通り元来た道をゆっくり慎重に戻っていった。


知矢はボンタを背負うとニャアラスの誘導で司祭たちの後をゆっくり森の外へと出て行った。






「ここ辺りならもう大丈夫だろう」知矢は周囲の安全を確認するとボンタを軟らかい草の上へそっと寝かせた。


未だ目を覚まさないボンタであったがおそらく毒の影響で衰弱し眠っていると思われた。

寝息は穏やかでしばらく休めば目を覚ますであろうと思えた。



「司祭様、改めて感謝申し上げます。貴方と出会えなければこの者は既に死を迎えていた事でしょう。本当にありがとうございました。」


知矢とニャアラスは一息ついた所で改めて謝意を表す。


「いえ、これも母神デミレサス様のお導きです。ともかく助かってよかったですね。私たちはこの者とそして、あああそこに見える者達と一緒に旅の途中で薬草を採取するためたまたま街道を外れ森の周囲を散策していたのです。」


司祭の指し示す方には馬魔車を連れた老爺の様な護衛らしき腰に剣を携えた者がゆっくりと近づいてきていた。



「そうでしたか。我々は近くの都市で事件が起こりその犯人たちが潜んでいたと思われるキャンプ地を探して森に入った所で仕掛けられていた罠にこの者がかかってしまい難儀していました。」


「近くの都市で事件ですって。それはラグーンと事でしょうか」

司祭の女性は驚きながら知矢の情報を確認する。


「ええ、そうです。今はその事件の混乱の収拾と共に残る犯人の関係者の捜索が大々的に行われて都市内はまだ騒ぎの最中です」


「事件ですか。あのう、教会は、デミス教会ラグーン支部は無事なのでしょうか」

司祭の女性は事件と聞き都市の教会の心配に関心が移った。


「はい、教会の辺りには騒ぎは全く起こっていませんでしたし被害に遭ったという話も聞きません。それに今は都市全体に騎士団や兵士の方が通りや辻道を管理巡回していていつも以上に治安が良いかもしれませんね」


「ああそれならばよかった」ほっと安堵する司祭の女性であった。



「司祭様、何かありましたかの」おそらく警護の老剣士なのか男がやっと馬魔車を引き連れて来た。


「ガイモンズさんすみません」と若い神官が老剣士から馬魔車の手綱を引き取った。


「勘弁してくれ、こいつはわしの言う事を全く聞いて聞いてくれんし」と魔馬車が思う様に誘導出来ない事の苦情を若い神官へ愚痴をこぼす。


「ガイモンズさん申し訳ありません。私がふらふらと1人森へ入ってしまいましたのでアーモントが心配して。

でもそのおかげでこちらの方が毒に侵されているのをお助けできました。全ては母神デミレサス様のお導きです」


と再び横たわるボンタの方へ視線を送るとガイモンズと呼ばれた老剣士も視線を向けた。

すると


「司祭様! 離れて!」司祭を手で脇へ押しやると腰の剣をいきなり抜刀しボンタへ向けた。


「魔物です! 毒から救われたと思ったら今度はゴールデン・デス・スパイダーに食われるとかつい取らんぞこやつは」と構えた剣を振り被りボンタの脇にいる蜘蛛へと迫ろうとした。


「待ってくれ!」素早くその間に身を入れた知矢。


「うぉつ、あぶねえじゃねえか若いの!どけ俺が一刀両断にしてやる」

と知矢の姿にやっと剣を止めた老剣士は知矢をどかしてゴールデン・デス・スパイダーへ再び迫ろうとした。


「違うんだ。この蜘蛛は俺の従魔で俺達と一緒に来たんだ。今そこで目の覚めないボンタを診てくれているんだ。危険はないから安心してくれ」


なんだと?と老剣士は呟きながら知矢の従魔ピョンピョンの方へ視線を向けると従魔はいつもの様に気軽な調子で前脚をこちらに向かって振っている。『・・・・(ハーイボンタさんはお任せ)』



「まあ、魔物を従える。貴方はトーヤさんとおっしゃいましたね。獣使いの方でしたか」司祭は口に両手を添え驚きながらも従魔であることを確認したようだった。


「一応俺は剣士ですが縁あって主従ラインを結び今ではコミュニケーションもしっかりとれるようになりましたからご安心を。

ああ、そういえばこいつは一度ラグーンのマベラス司教様とも会った事が有りますよ」


と思い出すように話す知矢だった。

「そうそうこいつはゴールデン・デス・スパイダーだけど本当に大人しいし迷惑かける事も無いニャ。少し大喰らいだけれどニャ」


そんな話を話題にされた従魔は『大喰らいじゃありません。普通ですよ』と訴えたがその声は知矢へしか届いていなかった。


「えっマベラス司教様をご存じなのですか。我々は新たにラグーンへと派遣されて旅をしてきたのですよ

申し遅れました。私は新任の司祭見習いでモームスと申します。どうぞよろしくお願いいたします」

と軽く頭を下げ自己紹介をするのだった。



「ご丁寧に、私はラグーンでマーベラス司教様にお願いして教会で養われている子供たちを手伝いとして派遣してもらった事が有りましてその折とその後も色々相談に乗って頂いています。今後お会いする事も多いでしょうからどうぞよろしくお願いいたします」

改めて知矢も今後の縁を知り挨拶するのだった。


「しかしお見受けするに未だ若いモームス様があの様な凄い魔法をお使いになるなんて素晴らしいお力をお持ちです。驚きました。

あっ、そうだお礼をお渡ししないと」

と知矢は忘れていた事に慌てて背中のリュックを下ろし中に手を入れるふりをして無限倉庫から金貨を出そうとすると


「いえ、お礼は不要です。人の道を解き人の生を守るのも大地母神デミレサス様から定められた私共の使命なのですから。」と遠慮する様子を見せた。


しかし「お心承りました、流石です。ではこうしましょう。これを差し上げますがこれはお礼の金子では無く浄財、デミレサス様のお心を広める為の(つい)えとしてお納めくださいますよう」


と知矢は金貨を入れたマジックバック(小)ごと渡すのだった。


「これはこれは、そう言うお心使いでしたらありがたくお預かりさせて頂き今後の布教の手助けにさせて頂きます。」

とマジックバックを両手で目の前に掲げ感謝を述べた。





その後ラグーンへ向かうために知矢達と解れ再び魔馬車へ乗り込んだ司祭たちであったがその際


「用心のためにこれをお持ちなさい」と魔馬車に置いてあった”ポイズンポーション”を幾つか分けてくれた。




ありがたく頂戴して知矢とニャアラスは大きく手を振りながらラグーン方向へと進む魔馬車を見送るのだった。





「いやあ失敗したニャ」と力なくつぶやくニャアラス

「ああ、大失敗だった」と知矢も渡されたポーションをその手に見つめながら同意した。



先にも紹介したが知矢はまだまだ冒険者としては初心者も初心者であり冒険や活動の基本を知りもしないで今まで活動していた。

それが今回の活動で露呈してしまった。


ニャアラスは経験豊かな冒険者ではあったが船主とさらに各種アルバイトにかまけ冒険者としての基本を失念した事を恥じて後悔していた。


運よくモームス司祭が偶然にも薬草を求め森へ入った事に寄りボンタの命が助かったのだ。

運よく・・・そう本当に奇跡的であったと二人は真剣に振り返り今後決して忘れぬよう誓うのだった。





ボンタは未だ目を覚まさない。

モームス司祭が「良かったらこのまま魔馬車へお載せになりラグーンへとお運びしては」と言ってくれたがありがたく感謝し辞退していた。


毒が抜け傷も魔法で治り後は覚醒するだけであったしボンタもきっと気を失っている間に起こった出来事や知らぬ間に街へ運ばれていたら自責の念にかられまた自信を失い前の頼りない冒険者へ逆戻りでもしてはしまうのではないかとも考えニャアラスとも話し合いこの場にキャンプを張りゆっくりと用を済ませてからラグーンへ戻ろうと決めたのだった。




騒ぎのせいで時間があっという間に過ぎ去り遠く地平線には夕日が掛かろうとしていた。

モームス司祭たちは魔馬車であるから日の沈むころまでには都市へと入場できるであろう。


知矢は門の厳しい検問検査を手早く通過できる助けに成るかもと自身の署名とニャアラスの署名を併せ兵士へ優秀な司祭様であるからと便宜を図り手早く通過させてほしいとの書状をしたためて神官の若者へと預けた。


知矢達の手紙にそれほどの力があるかはわからなかったが少しでもほんの少しでもお礼のつもりでしたためたのだった。




知矢とニャアラスは今日の活動は無理、いや無理をしないと決めキャンプを張る準備を始めた。


毒消し薬やポーションの準備は疎かにしていたが知矢の無限倉庫には多くの食料を始めキャンプ用品、簡易かまど、光の魔道具から水の魔道具、風呂桶まで入っていた。


ボンタがいつ目覚めるかもわからないのでしっかりと居住準備を済ませてボンタをテントの中へ移して休ませた。




夕日がそろそろ完全に地平線の彼方へ落ちる頃とても街道を外れたキャンプ地に見えない豪華な装備の中で知矢とニャアラスは横目でボンタを見ながら椅子にくつろぎ身を休めていた。


知矢の隣に設けたテーブルでは従魔が静かに与えられた食事を食べていた。


お茶でも入れるかと言い席を立つ知矢へニャアラスが知矢から格安で譲り受けた専用リュック(マジックバック中時間経過無し)から素焼きのボトルを出し


「嫌な事が有った時は清めの酒だニャ」と冷たいビールを互いのコップへ注ぎ、ボンタ様に出したコップにも少し注いだ。


知矢の日本人的感覚では怪我人を脇に置き酒を飲むのはどうなのだろうかと思ったがここは素直に地元のニャアラスに従い互いの反省とボンタの無事を祝いそしてモームス司祭とその連れの安全を祈願し酒を飲み交わすのだった。


その時従魔のピョンピョンが

『・・・・(ご主人様、私の糸で結界も張りましたから安心してお休みできますよ)』と言ってくれた。


いつの間にそんなことが出来るようになったのかと驚いたがその言葉に少し安心するのだった。


さそてさらに知矢は光魔法の使用したことが無かったためレベルを全く上げていなかったことが今回の失敗の一員でもあったので少しでもレベルを上げるべく光魔法LV1で使用できる”霧壁”を行使していた。


この霧壁はほんの四刻半 (約30分)ほどしか継続できないが周囲半径30メートルほどを霧で覆い外部からの視覚を阻害することが出来る低位魔法だ。

今はまだこれだけだがレベルが上がると霧壁がさらに進化し侵入者を感知できるようもなる。


ただ知矢の場合感知レーダがあるので用途が重複するが今は光魔法のレベリングを優先するのだった。



夜も更け酒は程ほどし夕食を済ませた二人は念のため、冒険者の基本交代で夜番をしながら過ごすことにした。


従魔の結界や知矢のレーダーそして霧壁があったがそれとは別に二人で基本に立ち返ろうと話し合っての事だった。



先に夜番をする知矢。「じゃあ起こしてニャ」と夜具へ入り込むニャアラスを見送りながら1人そして傍らに1匹で夜を過ごすのだった。



勿論居眠りをするわけにはいかないがニャアラスが寝ているのだからむやみに動いて邪魔も出来ない。

知矢は「これは結構な修行になるな」と疲れを癒しながら周囲に気を巡らせそして静かにすると言う苦行を殆ど初めて体験する事になった。


「どう時間を過ごそう」と考え頭の中で最近の予定や今後の対応などを整理しながら僅かな魔道具の明かりでメモをまとめて過ごすのだった。




知矢の夜番はまだまだこれから。


寝るな知矢。


音を立てるな知矢。




夜はまだ始まったばかりだ。




今日、妻と正月休みをどうするか話しました。


結論から言いますと

寝正月

と言う事で決まりました。




ちきしょう!中国のバカ野郎が!

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― 新着の感想 ―
[一言] 九死に一生を得たボンタ。 いやあ油断というか準備不足だったね。 冒険者なら傷薬や解毒薬は常備しておかなきゃ。 母神様に感謝!
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