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老齢オヤジが死んだけど異世界でゆっくり老後をおくりたい~チートに大金ゆっくり老後、あれ俺若返ってるけど?  作者: 通りすがりの浪人者


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第117話 消えた二人  ~ハーイ美味しいうどんは如何ですか!

こんばんは

更新が少し途絶えまして申し訳ありません。


なんとか今夜は更新できましたのでどうぞご覧ください。


では第117話です。




管理貴族であるアンコール伯爵との極秘協議を終え店へ戻った知矢へ知らされたのは使用人のアンドウとマリーが行方知れずになったとの報だった。


(先を越されたか?)

と知矢は店の者や知矢へ怪しい男女が接触していた事から何かがあると確信しボンタと共に探索を行い3名の不審人物の存在を確認していた。


そして商業ギルド会頭のルコビッチへ協力を要請し今の知矢達では知り得ないこの街の裏側に漂う情報を探らせたのだった。


その情報をもとに管理貴族のアンコールと対応を協議して戻った矢先だ、当然かの”南の大国”が先手を打ち使用人を拉致したのではないか、と考えた。


しかしまだその確証がつかめない状況で人を探して都市中を走り回っても徒労に終わると考えともかく一度全員を集めその上で方針を考えようと全員へ参集を指示をした。




広間には総支配人のリラレットを始め新人使用人に至る全員が集合したが皆沈痛な表情を浮かべ話をする者も無く押し黙りいつもは饒舌なワイズマンやギム等も眉間にしわを作り拳に力を込め俯いている。


アンドウの旧知の間柄でありアンドウと共にマリーの上司でもあるゼンゾウ、シンゾウ、ガンゾウ達はそれぞれいつものにこやかな笑顔が消え口を真一文字に結び黙って何かに耐えている様にみえる。



知矢が部屋へ入ると全員が立ち上がり頭を下げる。


「先ずは座ってくれ」

知矢の言葉に全員静かに従い席へ着く。



「おおよその事は全員聞いたと思う。この数日不審な者が周囲をうろつき接触していたという状況で対策をたてぬまま留守にして申し訳なかった」知矢は皆へ頭を下げると



あるじに何の責もございません。皆を守る立場にいる私どもの落ち度です誠に申し訳ございませんでした」

知矢が頭を下げたことの驚き警備主任のサンドスが慌てて立ち上がり詫びながら頭を下げる。



「いえこのような状況下において二人へ使いを頼んだ私の落ち度でございます。ご主人様、そして皆にも勿論行方の分からない二人へもお詫びのし様もございません」

知矢の脇に控えていた総支配人のリラレットが憔悴する表情で知矢を始め周囲に顔を向けて頭を下げた。



「今は誤っている時ではない。主様あるじさまどう動く?」

サーヤがお詫び合戦になっている状況を止めるべく発言した。



「ああサーヤの言う通りだ。先ず状況確認をして全員で情報共有をしよう。動くにしろ待つにしろ先にそれだ」


との知矢の発言で話が始まった。



事の起こりは数日前から時折顔を見せ商品を眺めながらその実商品より店の店員との話をする事が多かった客がいた。


男女2人であったが2人が揃って同じ時間に来店した事は無く必ず時間をずらし商品は手に取り説明を受けるが毎回使用人や店の事を珍しそうに聞く様子がうかがえた。


最初は気に留める事は無かった。


しかし2度3度そのような状況が見受けられさらに外へ使いに出た者へ偶然を装い接触する事例が報告されると何人もの使用人から同様の報告が上がった。


当初男は若く身なりも悪くなく冒険者と言うより商会のボンボンの様にも見えある者に言わせると『笑顔が可愛い』との評判もあった。


特に接触しているのが若い女の使用人ばかりを狙っていた様子だ。



女の方もやはり身綺麗で顔も整い男の目を集めそうな容子で男の使用人にのみ声をかけていた。

ワイズマンやササスケは特に注視しその女が店を訪れると終始目で追っていた。とサーヤから報告があった。

その言葉にワイズマンやササスケだけでなく多くの男の使用人たちが下を向いて黙っていた。


しかしカンゾウ達は「僕たちには一度も声を掛けてきませんでした」と何か胸を張る様に報告した。


その後知矢から外回り時には必ず二人以上での行動をする様にと通達されるとその怪しい男女から直接の接触は無くなった。

その数日後アンドウとマリーの行方不明が起きたのだった。



「おおよその経過はわかったと思う。その上で皆に話しておく事が有るのだが」

知矢は今日までの経過情報が出そろった所で知矢が口を開いた。



「これは他の者へ口外はするな。この場だけに止める様」と念を押し


「証拠は今のところ無いがその怪しげな男女は南の大国”ルドマリッド人民共和国”が絡んでいる可能性が高い」


知矢の口から出た犯人である可能性に彼の大国の名が出ると一般の使用人たちは驚きの表情を見せた。


以前から店へ顔を見せ何としても商品を購入しようとする商人を装った南の間者が出入りしていた。


だがその者の対処は極秘に騎士団と共同で捕縛していた事を知っているのは一部の使用人、リラレット、サーヤやサンドス達警備担当にのみ知らされていただけだった。


これは単に余計な心配をさせぬ配慮としてであった。


それ故、店の仲間が行方不明になった事と彼の大国とが結びつくとは思いもよらなかったのだった。


「奴らが犯人で二人をかどわかしたと仮定するとその目的はやはり」

サンドスが口にする。


「ああ、おそらくはこの商店で扱っている魔道具のその製造方法を知る事、そして製造者をあわよくば祖国へ連れ帰ろうと画策していると俺は踏んでいる。」


「詰まる所それは・・・」


「そうだ、俺が狙いだな。まあ未だ俺が魔法で作っていると知られてはいない様だから皆に接近し情報を集めていたのだろう。だがうちの者は皆口が堅くいろいろ話しかけても雑談に紛れて口を滑らすことも無い」


「それで業を煮やしたと言う訳ですか」

サンドスはクッソーとこぶしを握りうなりを上げる。


「まあまだ想像の域を出ないが状況から推測するに的外れって事も無いだろう。」


「ですが何故あの二人なのでしょう。」

リラレットが疑問を持つ。


「単なる偶然か、それとも?」


「先ほど皆からの情報をまとめると。あの二人は未だその男女とかかわりを持った形跡がない。それと一見お嬢様にも見えるマリーと未だ幼く見えるアンドウ狙いやすいと考えたのでは」

サーヤが発言する。


「まあ相手の意図はともかく狙いは俺だとまだ絞れていない。だとするとあの二人が情報を口にするまでは命がある、逆に情報が取れたら命はない。そして情報を得る手段・・・」

知矢は暴力に訴えてでも情報を引き出すため二人がひどい目に遭っているのではと思ったが最後まで口に出来なかった。

しかし他の使用人もその光景に思いが至ったのか沈痛な表情だ。



「よし、一か所しか当てがないがその場所を探って二人が連れ込まれていないか確認しよう。もしいたなら何としても取り返す。」

知矢が声に出し指示を行う。



「リラレット。店の表戸を一か所だけ開けて店の中は煌々と明るくしておけ。そして表にうどんの屋台を開けた戸の両側に2台だしてその屋台も煌々と明るくしろ。屋台には2台で10人くらい人を付けて騒がしくない程度ににぎやかにうどんを売るんだ。」


「ハイ」と知矢の意図は解らないが指示に従い他の使用人に声をかけ準備に動いた。


「サンドス。ミレ、アヤメ、ササスケ、アカネを連れて行く。それと裏木戸の外へ人を配置してこれ見よがしに防備を固めておけ。警備の人間が足りないから他の部署の者に格好だけでも武装させて紛れさせろ。」

「はい」サンドスも指示を受けすぐに動き出す。


「ミレ、ノブユキ、アヤメ、ササスケ、アカネ。お前たちは俺と共に救出へ動く。暗闇で目立たない装束へ着替えて武器を用意。隣家の2階の隠し戸から夜陰に紛れて移動する。」

「「「「ハイ」」」」と同行の命を受けたミレ達も準備へ動いた。


残ったサーヤへ「この店へ注視する者がいたとしたらいつもと異なる店の動きを訝しみ余計に注視するかもしれない。その目をかいくぐり密かに出ようと思う。お前は各所に目を配りリラレットを補助してくれ。」


「わかった。アンドウとマリーを頼みます」知矢の目を見つめて答えたサーヤもすぐに行動を開始した。



残された知矢は虚空を見上げる様に「と言う訳だ。この店を注視する者を監視する事と俺と一緒にマリー達を救出する者とに分けてくれ。それと他の場所で何か動きはないのか」


独りごとのように呟く知矢へ


「はい、委細了解しました。既に各所出入りは騎士団や兵士もなるべく目立たぬように配置に動いております。それと裏町にも手の者が周囲を囲み出入りを監視中です。・・・お嬢様を無事お助け願います。」



どこからか聞こえた声は囁くように呟くと微かな気配をすぐ消し去った。



話しを終えた知矢は次に

「コナビ、レーダーに周囲の人感反応を出せ」知矢のサポートをしてくれるコミュニケーション・ナビゲーターのコナビ(仮称)をに指示を出す。


「”ピーン”了解しました標示します。」との返答と同時に知矢の目にスクリーンが表示され周囲に人の存在が青い点で明るく示された。


「コナビ、俺の関係者と伯爵配下の者を除いて表示」

「了解」


すると数十の点が消え残ったのは知矢の店を囲む様に6個の点のみになった。

これが全て敵の者か確認はできないがおおよそそうだとは推測できる。

その位置から死角になる場所を確認して店外へと抜けるつもりだ。


暫くすると店の外がにぎやかに動き回る様子がうかがえる。使用人たちがうどん屋の準備を始めた様子だ。

すると「ご主人様こちらの準備は出来ました。」ミレが再び顔を出し報告する。


その背後にはミレと共に全身艶の出ない黒い衣装に身を包むアカネたちも姿を見せる。

全員がまるで”忍者”の様な姿だった。


「よしじゃあ移動を開始する。全員に俺の魔法で気配希薄の魔法をかける。俺を中心に10m以内が外部から認識しにくくなるし音なども漏れにくくなるが店を出たら俺が声をかけるまでは無言でな」


良し付いて来いとの声に黙って頷く者達を従え2階の隠し通路から隣家へ移動。そこから更に隠し扉で屋根の谷へ姿を出した。


一度止まり知矢はレーダーで敵と思われる者達の位置を確認するとその死角になる方向の隣家の屋根を伝わりながら移動し数剣先で地上におり裏通りを音もたてずに移動する。


ミレ達も同様に離れる事無く付いていった。





店の前では大勢の使用人が煌々と照らす灯りの下にぎやかにうどんの屋台を出す光景がみえる。


「よし俺がどんどん麺を作るからな。出来た順にどんどん持ってってくれ」ワイズマンが元気よく声をかける。


「脇に板を並べてテーブルにしましょう。もしお客様が続けてきてもどんどん食べられる様に」

元商家の奉公人モレはいつにもまして張り切って声を出して新人に指示を出す。



「総支配人、もしよろしければ美味しいにおいで人が来るように店先で具の”てんぷら”を揚げましょうか」同じく元商家のワオンも客寄せに美味しいにおいを振りまこうと提案する。



「そうね奥の厨房だと匂いが伝わらないし良い案ですね。でも火事や火傷の無いように十分注意してね」リラレットは賛意を示すが同時に注意も即す。



知矢とサーヤの希望で最近はうどんの具材に種類が増えた。


当初は素うどんのみであったが既に店の厨房で揚げた状態の”かき揚げ”や”ごぼうのてんぷら””ちくわの磯辺揚げ”等をトッピングとして一つ幾らと追加を払えば乗せられるシステムを始めていた。


ちなみにわかめと天かすは希望者へお玉で一杯無料で載せていたが”天かす”は好評で希望者が続出、天かす欠品になる事もしばしばだった。



そんな賑やかな様子と言い匂いに吸い寄せられたのかうどんの屋台を知っていた者が

「おお、なんだ今日はここで店開きか。全く神出鬼没なんだからな」とか言いながら店に出会たことを喜びながらまた一人、もう一人と客がうどんを注文していくのだった。




その様子を近所の家の陰からうかがう者はなぜこんな夜更けにこんな騒ぎがと困惑しながら注視していたがそのせいか余計に知矢達が密かに店を離れるのを全く気が付かないのであった。





人気の少ない裏通りを気配希薄の魔法でさらに密かな存在になりながら知矢達は駆け抜けていった。

暫くすると

「よしもうこの程度なら喋って良いぞ。」と知矢から許しが出た。


「ではご主人様、作戦を」ミレが予定を尋ねる。


「これから向かう場所は南のゲートから少し離れた倉庫だ。倉庫に入り口は前の通りと裏に1ヶ所ずつ。そして高所に明かり取りと通風を兼ねた板窓が各所に設けられている。」


知矢は目標の建物の構造を話しながら作戦を伝える。


「お前たちは2手に分れ表と裏の入り口を固めてくれ。もし誰か新たに人が来るようならそれも抑え、出てきた者がいたら同じく抑えろ。おれが上から侵入し二人の存在を確認し可能ならそのまま助け出す。難しい場合は一度戻る。」


簡単に指示を出し同意を確認すると再び無言のまま全員ひたすら通りを駆け抜けるのであった。




そのころ中核都市ラーグーン某所にて。


「貴様!こんなことをしてただで済むと思っているのか!卑怯者めがこの縄を解いて正々堂々勝負しろ!」

と喚く声が響く。


「さっきっからうるさいんだよ!」縄で柱に縛り付けられながらも喚き続ける女に対しその女は拳で顔を殴りつけた。

「うっつ」 先ほどから何度も殴られている女、マリーは顔が腫れあがり口からは血を流して少し気を失ったかに見えた。

「マリーさん!」一緒に縛り付けられている男アンドウが叫び声をあげる。



「ったく、何だこの狂犬みたいな女は。てっきり店のお嬢様かと思ってひっ掴まえりゃあただの下働きった全く」


綺麗な顔立ちのその女はその様子とはかけ離れた暴力的な言葉を吐いてマリー達を攫ってきたことを後悔する。


「しかも男の方は奴隷紋まで付いてるたあ、何なんだあの店は」


「まあお前も一緒になって騒ぐ事は無いだろう。明日になれば仲間が薬を手にして戻ってくるさ。そしたら情報を吐かすだけ吐かして裏の奴隷商人に売り渡すんだ。女の方はこれ以上傷をつけないでくれよ値段が下がる」


もう一人は優男の方だった。



2人は他の仲間とともにこの都市へ潜入した勿論”南の大国”の間者であった。

当初は二人が得意の”誘惑”の行使力を用いて店の者を篭絡。情報を手にする予定でいた。

しかしどの者に篭絡を行使しても反応が無く全く情報がつかめなかったのだった。


それもそのはずである。知矢の店にいる使用人はマリーを除くと全員が奴隷である。

奴隷と言うのは契約魔法に寄りその得た情報を他人へ話すことの制約を魔力によって制限されていた。


知矢が奴隷取引商会で行った契約は『知矢の魔力魔法に関する事、知矢の個人情報に関する事、知矢の作り出したものに関する事』等を他人へ伝えることを禁止する制約が課せられており如何に行使力の誘惑で気持ちを靡かせても魔法契約を破棄させることは不可能であった。


間者達はまさか店の使用人が全員奴隷などと想像もしなかった為事を荒げず誘惑の力で魅了する事で情報を引き出す算段であったのが失敗に終わった。


しかし何も情報を得ずに国へは帰れない。

主と思われる者を確保しようにもその情報も無く店の者を殆ど確認したが主らしきものを確定できなかった。


唯一それらしい男に声をかけた女だったが少し声をかけただけだったが過剰に警戒されたと思いその場はすぐに引いたのだった。


まさかその男が主であったとも思わず。


その女と男は誘惑で情報を引き出す専門として生きてきた。

その為戦闘行為はおろか自白強要や暴力的な行動は専門外である。


その事がアンドウとマリーの身を偶然にも保っていたが今、知矢の店を監視する者も含め戦闘行為に特化したものが作戦内世から随行していなかった事が裏目に出てやっと人数で確保できたのがこの二人であった。


マリーの方は意志が固いのかその狂犬のような性格が功を奏したのか誘惑の行使力が通じずアンドウの方は奴隷紋に寄り情報が引き出せずにいたため仲間の一人が都市から急ぎ出て奴隷紋の魔法契約を破棄させることのできる薬品を取りに走った。


この薬品は確かに奴隷紋の制約を一時的にかいくぐる強力な効果があったが一度使うと即死が訪れる為殆ど情報を手にする事は出来ない程度の物であったが主が誰か、その一点だけでも知ることが出来ればとの最後の手として急ぎ入すする事となった。


それに併せ都市から離れた森の中で密かに隠れ家を設けてあるキャンプに駐留する戦闘部隊も呼び寄せることとした。


相次ぐ間者の捕縛で警戒をした為明らかに違和感を持つ戦闘のプロをあえて除外したこの作戦であったが見事に頓挫しそうになり慌てての行動であった。




果たして知矢達はマリー達を無事救出できるのか。


目標の場所に二人はいるのか。


都市の外から応援が来る前に・・・



時間は余り残されてはいない。







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