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老齢オヤジが死んだけど異世界でゆっくり老後をおくりたい~チートに大金ゆっくり老後、あれ俺若返ってるけど?  作者: 通りすがりの浪人者


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第104話 静かな宴会  ~「おいワイズマンキング様に酌をして来るニャ」「ブルブルブル」

取り急ぎ更新いたします。

どうぞよろしく

では第104話です



夜の帳が下りた湖畔。


この地は湖の先、遥か遠くに見える北の大森林と人族が踏み入る事の出来る地の丁度間に位置する場所だ。


今宵も知矢達はこの地に設けたキャンプ地へ泊り明日の朝を持って撤収、帰還の途へ着くことを決めた。


そんな湖畔のキャンプ地にいささか変わった、そして超巨大なゲストを迎えて夕食を兼ねた宴の真っ最中であった。



「フォッフォッフォー、久しぶりに飲む人族の酒と言うのも良いものだ。」

知矢が提供したたるに詰められたワインを口先で舐めるように飲むのはこの森、いや大森林一帯で一族を率いている森の仲裁者”キング・ゴールデン・デス・スパイダー”である。


見上げるその巨体は黒い夜空に半ば同化し全体像が良く分からぬほどの大きさであるが8本ある脚を器用にたたみその身を低くする事で立ち上がったその姿に比べるとだいぶ圧迫感や巨大さゆえの恐怖心を和らげている。


その脇に椅子に座り同じように酒を飲む知矢。目の前のテーブルには使用人たちの作った食事やつまみが並んでいる。

そのテーブルの隅には知矢の従魔が自分の皿を目の前に置き何かの獣の肉であろう物をついばんでいる。


「森の仲裁者さま、人族の酒を飲んだ経験があるようですね」と楽しそうに先ほどからこの巨大なゴールデン・デス・スパイダーと会話をしながら飲んでいるのだった。


ゴールデン・デス・スパイダーの目の前には大きな布が広げられグレートボアの肉が供されていた。


料理するには及ばずとのゴールデン・デス・スパイダーからの返答で使用人たちは血抜きをし解体したままの肉を布の上に並べて提供する事にした。


「トーヤ殿、そんな呼び方はせんで良い良い。そうじゃなクモのジジイとでも呼んでもらおうかフォッフォッフォー。」


「ならばおじいさんと呼ばせてくれ。俺の事はトーヤでいい。」

一気に砕けた口調へ戻した知矢だったがゴールデン・デス・スパイダーも存外その方が良さそうな感じを受ける。


「おお、それで良いそれで良い。わしは昔、そうだなもう千年は遥か昔だろうかこの其方が従える眷属のようにな人族の剣士と共に旅をした事が有るのじゃ」


そう言いながらふと夜空を見上げその時を懐かしく思い出す様に話し始めた。




キングがその人族と出会ったのは知矢の従魔であるピョンピョンと同じような出会いだったそうだ。

その人族は戦いを求める事無くただただ世界を回り見た事の無い景色やであった事の無い人や生き物に巡り合うために旅をする者だった。


そんな旅の途中でキングが若い頃出会いそして共に旅をしながら時に美味い物を食べ珍しい光景にであり時として身を守るための戦いもあり、そして老いた旅人の剣士が最後の地に定めたのがこの湖と森であったそうだ。


最後の時まで一緒に過ごしたキング。


その人族との別れを経て以降キングもこの森に居を構え遥か数百年いや千年を超える時をこの森で過ごしてきたと話していた。



しかしなぜ森の仲裁者と呼ばれることになったのか。知矢がその事を尋ねると


「フォッフォッフォー。いや何単に懐かしきアヤツの眠るこの森を騒がしたくなかった。

それだけであったのじゃがいつの間にか争いを仲裁する事が多くなっての、気が付いたらそう呼ばれるようになっておっただけじゃ。大した話では無いフォッフォッフォー」


ワインが程よく回ってきたのか上機嫌に話すキングであった。




その宴の席から少し離れた場所にテーブルを並べ同様に夕食を食べながら知矢の好意で酒を振る舞われており上機嫌のはずの使用人たちはキングと知矢の話を聞きながら静かに、そう、そっと静かに食事を口に運びワインやビールをそっと飲むのであった。




コソコソと話す者達。


「ギムさんよあんた酒が進んでニャアな」

「ニャアラスの旦那、あんた解ってて言うなよ」

「ニャハハハっ・・・ハァ。トーヤはよくあんなに平然としかも楽しそうにのめるニャ」

「ご主人様は本当に心の広い、大きい方ですね」

「・・・そう言事なのか?」

「じゃなきゃ森の主を目の前にして酒なんか呑めないわよ」

「ご主人様は”キングウルトラスーパー星人”みたいだ」

「カンゾウ何言ってんだ」



「それはそうとピョンピョンさんもいつかあんなに大きくなるのかしら」

「「「「「・・・・・・・・」」」」」






「そうだおじいさん。一つ確認しておきたいんだが」知矢は酔いが回る前に確かめておかなければいけない事を思い出した。


「なんじゃな、何でも聞いてくれフォッフォッフォー」


「じゃあ、遠慮なく。

俺達や他の人族が魔物や魔獣を狩ったり戦って倒すことはどうなんだ。

それも森のルールに反する行為とされるのか。」



知矢は人族ある自分たちの一方的な考えで魔獣を狩り、食し時に毛皮やその他魔石なども含めて商行為を行う事などの全てに対する相手側」、魔獣の代表ともいえる森の仲裁者の見識や決まりを聞いてみたかった。


それによって今後どう生きていくかなども考え直さねばならないのかとも思うのだが。



「人族が魔獣を狩り食したりすることはわしらが他の種族を狩り食すのと同じであろう。生きていれば腹も減る。それは人族だけでなくわしらゴールデン・デス・スパイダー、龍族その他皆一緒じゃて。


ただ必要のない一方的な攻撃や我らが住まいを侵されたなら当然戦う。そして逆に人族の住処を襲われれば戦うのも全く同じこと。


わしが仲裁をするのはあくまでもこの周囲でだけの事。少なくともこの湖や森に棲む者をむやみやたらに殺して回る様なことさえなければどの一族とも争いに成るほどでは無かろう。

ただし、狩るからには狩られる覚悟だけは持っておくことじゃ。フォッフォッフォー」



知矢は最後の一言に一瞬の恐怖を覚えたが言っていること自体は知矢達人族でも十分道理が通じる常識的な話であると思い日本にいた頃言われていた古いセリフ”無益な殺生はするべからず”という子供の頃近所の坊さんが言っていた言葉を思い出すのだった。



ただそれを事細かに規定すると人も獣も生きてはいけないのだから生きるための命を無駄にしない殺生を心がけようと思うのであった。



「そうだ、もう一つ確認しておきたい。このピョンピョンの事なんだが。縁あって俺の従魔として契約をしたからには一生家族として一緒に生きていくつもりだが・・・そのなあ」


「フォッフォッフォーわしのように大きく育ちすぎるのではないかと心配しておるのだろう」


「ああ、解るか。いや最近時に暴食とでもいうのか大食いを突然しだしたと思ったらあくる日脱皮して一回りも二回りも大きくなっているのに驚いて。ゴールデン・デス・スパイダーってこんなにあっという間に大きく育つのか?少し食事の量を減らそうかなんて思ったりしてな」


「・・・・・・・・!!!(えっご主人様それだけはご勘弁を!!!)」



「フォッフォッフォーなに心配ない。眷属達は確かに脱皮をしながら大きくなるがわしの様に木々を超すような大きさになるにはそれこそ数百年以上生きてやっとここまでなる物じゃ。しかも同じくらい生きているからと言って皆が皆大きくなるとも限らん。逆にわしほど大きくなるのは珍しいくらいじゃて。そこは安心して良かろう。人族は百年は生きまい。その年数じゃとこやつもほれそこに置いてある小さな小さな樽があるじゃろ精々そのぐらいだ。」


とキングが指さす先には醤油を保管して運んできた西瓜程の小樽が置いてあった。


知矢は(俺が死ぬまでにそのぐらいなら問題ないか)と安堵し「ならピョンピョン、安心してご飯をいっぱいあげられるな」と食事を減らされる心配で泣きの波動で訴える従魔を安心させるのであった。



その話を聞いていた使用人たちも心の奥から「「「「「ハァ~」」」」」と安堵のため息を漏らすのであった。



その後しばらく酒を酌み交わしキングから森や魔獣の事を聞きながらそしてスライムたちを連れ変える許可も一応貰いながら貴重な夜を過ごすのであった。




「さてのうわしもそろそろ森の奥に帰るとするか。わが眷属の事頼んだぞトーヤ。」


「ああ、大事な家族だ。責任もって預かる。おじいさんも元気で、またこちらに来たときは酒をいっぱい持ってくるから飲もう」


「おお、楽しみにしとるわい。

これわが眷属よ。主を持ったのじゃからお前も一人前の大人じゃしっかりな。そして何か危険や危機で一族の力を欲するならどこに居ても誰かがお前と家族を助けるだろう。遠慮なく呼び寄せを使うと良い」



「・・・・・・・・・・・」知矢には何を話したのかわからない波動でキングと言葉を交わした従魔は元気に手を振りながら森へと去ってゆくキング・ゴールデン・デス・スパイダーを知矢とともに見送るのであった。



森の暗闇に静かに溶け込むように去っていくのを最後まで見守りながら。








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