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食事

 部屋一体に鐘の音が響くと周りに集まっていた他の奴隷が遊んでいた物などを片付け始め片付けが終わったものから部屋を移動し始めた。

バーザレスも手に持つ本を収めてると後ろからシンナが服を引く。


 「皆どこに向かってるの」


 「お昼になったから食堂に向かってるんだ、一流とまではいかないがここにいる者達は、家事全般は出来るようにしている、味は保証しよう」


 聞いていないことまで自慢げに喋るバーザレスに案内され食堂の前まで行き扉を開けるようにバーザレスに支持をされる。

食堂では、子供は机に食器を並べ大人は料理を運び配膳をし着実に食事の準備を進めていた。

先程バーザレスが帰ってきた時一番最初に気づいた女性がまたも、こちらの存在に気づき他の人に準備を任し近寄ってきた。


 「バーザレスさんと新入りの子ね、さっきはいきなり囲まれてちゃんと自己紹介は出来なかったね、私は夕凪ゆうなぎ 蓮華れんかよろしくね」


 いきなりの自己紹介に戸惑い少し引くがバーザレス少し背を押される。 


 「私はシンナメールよろしく」


 少し恥ずかしながらも名前を言うと蓮華が手を取る。


 「バーザレスさんいつも通り慣れるまでの教育係は私でいいよね?」


 バーザレスは少し悩み考える。


 「今回は、基礎は蓮華に他のことは得意な者に任せる事にするよ」


 蓮華は少し不満そうな顔をするが了承した。

シンナの手を引き食事の準備に戻る。


 「私は、何をすればいいの?」


 「この食器を机に並べて今日は、他の子がしてくれてるからやる事がほとんど無いのよ、その代わり明日には、沢山働いて色々覚えてもらうわよ」


 シンナは食器を並べ終えると蓮華が配膳をする。

食事の準備が終わり各自の席に着きシンナはバーザレスの隣に座らせられバーザレスの「いただきます」を合図に食事が始まる。

 目の前にある見たこともない料理に手を付けれずにいた。


 「食べないのか?」

 

 シンナに声をかける。


 「違わよ!見たこともない料理だから少し戸惑っていただけよ」


 「そうだったのか確か今回の料理当番はレイカだったか、あいつの出身地はメガラ大陸より北にあるフィヨル大陸だからなこの料理も知らないくて当たり前だ」


 美味しそうに食べる他の子たちを見てゆっくりと手を進める。

(美味しい、なにこれ今まで食べたことないのに、なぜか懐かしいような) 

 一口食べると手が止まってしまう。 


 「シンナどうした手を止めて?口に合わなかったのか?」


 「違うの料理がとても美味しかったから少し驚いて手が止まってただけなの」


 皆がそれぞれの会話をしながら食事をしてるなか一番早く食べ終えた男の子が食器を片付けシンナに近寄る。


 「お前さっき皆の前で自己紹介できなかっただろ、名前なんて言うんだ?」


 「お前って失礼ね、シンナメールと言う親からもらった大切名前があるの」


 食事をしながらゆっくりと答える。


 「シンナメールって言うのか、バーザレスさんと同じ呼び方でいいのか?」


 「別に構わないわよ」


 「俺はコネクこれからよろしくなシンナ!」


 名前を聞き終えるとコネクは食堂を後にする。


 少しして、コネクと入れ違いで食事を終えた事か確認をしに蓮華が近寄る。

 

 「シンナもう食べ終わった?片付けしよ」


 「ちょっとっ待って、これ苦手なの少し時間を頂戴」


 お皿の上にはトマトが残っていた。


 「食べてあげるよ」


 お皿に残ったトマトを蓮華は、一口で食べる。


 「よし、これで片付けできいるね、私について来て」 

 

 食器を今日の当番のところへ持っていく。


 「食べを終えた食器はこっちに、残したものがあるならゴミ箱に捨ててから持ってきてね」


 こちらに背を向けたままの白髪の少女が手を動かしながら少し冷たい声で言う。


 「食器はここでいいのかしら」


 白髪の少女は少し顔を向けてすぐに前を向く。

緊張しながらも皿を置き後ろに振り向き蓮華の元に小走りでむかう。

蓮華は笑顔で迎える。


「なんか、あの子少し怖いかったわ」


「あーごめんね、今日の料理当番あの子もだったの、だから少しでも残してたりするとすごく冷たいんだよね、でもシンナには少し優しめだったと思うよ」


 (あれで、優しくしてるんだ)

後ろを振り向き白髪の少女を見てると、シンナの視線に気づきた白髪の少女はシンナの方を向くと少しニコッとして前を向き片付けに戻る。


 「シンナいつの間に雪島と仲良くなってたの」


 「あの子そんな名前なんだ」


 「彼女は雪島ゆきしま 水仙すいせん 私と同じ生まれなんだけど」


 蓮華は言葉が止め少し悩む。


 「どうしたの?」


 「いやなんでもない、まずこの施設の案内しよう、私についてきて」


 シンナの手を引き食堂を後にする。

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