その言葉を私は待っていたのかもしれない
みじかいです!
朝、私は手始めになるべく女性ぽく話すことにした。
すると、どうだろう目の前で鳩が豆鉄砲を喰らったように呆けた顔が2つ、お父さんと弟の優だ。お母さんはというと、いつものおっとりスマイルでにこにこしながら、二人の反応を楽しんでいた。
まぁ、呆けたあとに私は頭を打ったのか?変なものでも口にしたのかなどなどおろおろした二人に問い詰められたがお母さんが微笑み頭叩きで鎮圧してくれた。
お父さん、優よ、私が女っぽくするのはそんなに慌てることかな……?これでも、女性としては若干ルックスはいいはずだ。若干ね若干……
その後訳をお母さんから説明してもらい二人は複雑な顔をしつつ、さいど本当に大丈夫なのか?などなど心配されたが、私の登校時間が近づいたあたりで話は自然と違う話しに変わった。
「おはようございます。雪菜さん」
いつもの迎えに、雪菜の家に向かった。
すでに、家の前で待っていた雪菜を運転手の田中が雪菜をエスコートし、雪菜はエスコートされ広い車内に入ってくる。
私は雪菜に挨拶をした。女性モードで。
「え……あっお、おはよう……夏姫ちゃん?」
向かい合って私の見せたことのない口調に作用に、戸惑いを見せる雪菜……かわいい
「ふふ、ビックリしましたか?そろそろ、宝城家の令嬢らしい、言葉遣いに作用を身に付けなくてはならないといけないと思いましてね。これからは、このような言葉遣いになるけれどこれからも、友達として仲良くしてくださいね雪菜さん?」
「う、うん……あのな、夏姫ちゃん?なんでさんつけるの?」
「これからは、皆にはさんをつけますから……雪菜さんも例外ではありませんからね。」
「そ、そっかぁ……なんだか、拒絶された気分どうしてこうなっちゃったんだろう」
一応納得?してくれた。最後ボソボソとなにか呟いていたけれど声が一人言のように小さすぎて聞き取れなかった。
そう、私の中で例外はない、そう決めた。皆平等に扱う。
「今の私は嫌い?」
つい、雪菜があまり、反応がよくなくもしかしたら嫌われたかなと思い聞いてみた。ただの興味本位だった。
「……嫌い……かな……」
嫌いと今日私は雪菜から始めて言われた。私はもしかしたらその言葉を待っていたのかも知れない。正直内心落ち込んだ。でも、それ以上に最近辛かった心が楽になった。
その言葉が今の私には嬉しかった。私は愛した人に嫌われたのだ。もう、私の恋はこの時点で終末を迎えた。
「ふふ、そう……では、私とのお友達やめる?」
ぽろっとでた私の最低な一言のあと、私の耳にパァンという音、頬に鈍い痛みが走った。
私は雪菜に殴られた。殴られた衝撃で私は少し横に倒れ横を向いた状態で痛む頬を押さえながら、私は叩いた本人を見て
ああ、やってしまった
身体はぷるぷるふるえ、させたくなかった、そんな、表情は涙を目尻にため歯をくいしばりなにかに耐えようとする姿
「な、なん、で、そんな、事を、言、うの?」
雪菜は、震える口で耐えるように一言一言私にうッいかけるように言葉を紡ぐ。
「雪菜ちゃんなんて!!大ッ嫌い!!」
その、言葉と同時に車は停車した。
本当になんて、タイミング……
車のドアを勢いよくあけ、走りどんどん小さくなる雪菜の背をみつつ私はただただボーッと見守ることしかできなかった。
きっと、西城のとろで泣きつくのだろう……
次回もよろしくお願いします!




