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この、手にできぬものを私は掴みたい  作者: やいよるこい
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諦め?諦めない?

短いです!!

 私はいろいろあり疲れきった状態で帰宅した。

 放課後に握手会がまさかあそこまで辛いものなのだと洗礼をうけた。

 終わり、日が傾き始めたころに迎えにきた車に乗り込みその帰り道、彼氏と一緒に歩いてる姿を見て心にズキリと痛みのようなものが走った。これは、まだ私が諦めきれていないということの証明となった。


「夏姫ちゃん、大丈夫?心なしかお母さんにはやつれて見えるのだけど」


「あー、心配しないであと数日のあいだには心の整理すますから。」


「夏姫ちゃん、本当によかったの?」


「ええ、まぁ」


「……そう、じゃあそろそろ淑女らしいふるまいに言葉遣いにができるようにしなさ~い。」


「え、ええ、がんばる、頑張りまね?」


 たまたま、鉢合わせたお母さんにあれこれ心配され、諦めたことでいいのかと聞かれ心の中では諦めきれていないけれど、私自身に追い討ちをかけるように表面的には諦める趣旨の返事を返した。

 すると、しばらく私を無表情で見たあと私に淑女…女らしくしろと言われた。

 私が雪菜、一筋だと知っていた家族は私の男っぽい口調に仕草になにも言うことはなかった。

 私が、雪菜を落とすのに必要な事だったのだと解っていたからこそ直せとは言われなかっただけ。

 その、雪菜への恋を諦めるなら女ぽい、口調に仕草を将来的にも身に付けたほうがいいだろう。

 多分私は近いうちに縁談の話が来るのだろう。

 考えるだけで憂鬱だ……あーせめても縁談の話し相手が女の子ならなぁ


「女の子からの縁談なんて普通来ないわよ~」


 しょうもないことを考えていたら、お母さんに考えていたことを読まれ、ビクリッとする。


「い、いやですわぁ、おお、お母様そそそソンナコト」


「声裏返ってるわよ、震えているわよ、動揺まるわかりよ~?」


「はぁ、縁談などはもう少し時間をいただきたく……まだ……」


「まぁ高校を卒業するまではまってあげるわ~それまでには決めなさい」


「はい、ありがとうございます」


 私は、頭を下げた。あと、一年半以上猶予ができた。

 それまでに、私自身前世うんぬんなどなどいろいろ心の整理はしなければならい。


 このままだと、私は男性と婚約だけでも嫌な顔をし、その先を想像するだけで死にたくなる。


 今の生を性別を受け入れ私自身女であると決めなければならない。

 まぁ、性別についてはとっくの昔に受け入れているし、あとは、心のほうだけだ。

 多分雪菜を完全に諦めきれれば私は私を受け入れるだろう。


次回もよろしくお願いします!

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