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この、手にできぬものを私は掴みたい  作者: やいよるこい
11/25

遠野雪菜 幼前

雪菜回になります!若干ながめ?でも短いです!

  私には、幼稚園からの幼馴染みがいる。その幼馴染は、一言で言うとかっこかわいく頼りになる!!

  小さい私は、人見知り気味で周りと打ち解けられない子供だった。そんな、私の前に彼女は顕れた。宝城夏姫彼女はそう名乗った。

 

  「ねえ、あなたお名前は?私は宝城夏姫!!」


  聞かれたので私はかみかみのたじたじになりながら自分の名前を言った。


  「遠野雪菜、雪菜ちゃんね!雪菜と夏姫季節の名前が入っている者どうしこれから仲良くしよう!!」


  そう、いいながら私の手を持ち私には笑いかけてくれた。

  嬉しかったこんな私に嫌な顔をせずいつも笑顔で私と遊んでくれた。

  まだなれずあがり、たじたじな喋りでもちゃんと聞いてくれた。


  ある日、お母さん、お父さんに、幼稚園で私の一番の友達夏姫ちゃんの話を楽しくお話をした。

  話を一通りしたところで、私ははじめて二人が戸惑い焦っている姿に気が付いた。そんな、二人が私に確かめるようにこんな質問をしてきた。

 

  「雪菜、宝城夏姫さんが友達って言ったのかな?」

  「えっ?うん夏姫ちゃんは私の一番の友達なの!」

 

  質問の意味がよくわからず友達なのか聞かれたので一番の友達と答えた。


  「あなた、どうしましょう雪菜が迷惑かけて」

  「ああ、雪菜これからは宝城夏姫お嬢様とは距離をおきなさい。」


  え?お父さんからの一言、私は楽しかった気持ちが一気に冷めたのを感じで、何を言っているのか理解できず。ただ、ただ、二人の表情から頷くしかなかった。

 

  距離をとるように言われ、私は夏姫ちゃんを無視をし一人でお絵かきや絵本を読んだりして過ごす日々になった。


  それでも、夏姫ちゃんは毎日私には声をかけてくれ、私はそのたびに無視をし続けた。


  夏姫ちゃんは私に無視をされてもにこにこと私の側に黙って居てくれた。


  そんな、ある日夏姫ちゃんが体調が悪くお休みをした日私は、人気者だった夏姫ちゃんを無視し続けたことで、苛められた。


  その日は、泣いて家に帰っても泣き続けた。どうして私が辛い思いをしなきゃいけないの!!夏姫ちゃんを無視をするのも辛かったのに!!どうして!!どうして!!私は悪くないお父さんとお母さんが夏姫ちゃんと距離をとるように言った!!私は従っただけなのに!!夏姫ちゃんが無視をしても私から離れなかったから?夏姫ちゃんが悪いの?違う違う!!

 

  次の日の私は体調を崩し、お母さんに看病され幼稚園を休んだ。


  ピンポーン


  お昼、買い物に出掛けて、お母さんが調度おらず、私は熱にうなされつつもインターホンがなる音が耳にはいる。

 

  ピンポーン

 

  身体中が重く布団から出ようとしなかったなか、再びインターホンが鳴らされる。

  ひたすら無視をする。けれど一定時間でインターホンがならされ、ついに私は折れた。

  重い体を起こしおぼつかない足取りで何とか、インターホンにつけられたカメラから誰がきたか確認できるモニター前に来ることができ。背が足らず椅子ひきずってモニター前に揃え、今度こそかくにんする。


  すると、そこにはいないはずの少女がインターホンにてを伸ばし押していた。


  ピンポ~ン


  「うーん、でない……やっぱり嫌われちゃったかな……よし、次で出なかったら私は幼稚園に行くのをやめよう!!迷惑かけちゃったし雪菜ちゃんと最後に話せなかったことには残念だけどいつかまた、会えるかもうんうん」

 

  ピンッポ~ン


  これが、最後?私が夏姫ちゃんを嫌っている?嫌っていない!!好きだよ夏姫ちゃん!!幼稚園からいなくなる?いやだ!!いやだ!!会えなくなるのはいやだ!!迷惑じゃない!!最後なんて言わないで!!もっともっともっとたくさんお話がしたい!!


  震える指で返事をするボタンに手をかける。でも、なかなか押せなかった。

  私がぐずぐずしているとモニターごしから小さな溜め息が聞こえ、ハッとしてモニターから夏姫ちゃんの姿をみると、そこにあったのは今までに見たことのない悲しげで寂しそうな表情だった。

  いつもの、夏の向日葵のようなあかるい笑顔ではなくそれと、正反対の表情。

 

  「ねぇ、もしかしたらさ、聞いてるかもしれない。だから、聞いてね。雪菜ちゃんは私の一番のかけがいのない友達……ううん、親友だよ。どうして最近、無視するのかはわからないけど多分私の事のせいだよね。ごめんなさい辛い思いをさせちゃったし護ってあげられなかった。本当にごんね。体調崩したって聞いたからお見舞いドアにかけとくね。もし、聞いてなかったら手紙入ってるから読んでね?今までありがとうさようなら」


  そう、最後にさようならといい、礼をした夏姫ちゃんは身体をもとに戻すとモニターから姿が外れる。

  いやだ、いやだ、お別れなんていやだいやだよう。

  そんな、思いがこみあげ私は玄関のへ走り鍵をあけ外へ裸足のまま飛び出した。

 

  「まって!いやだ!お別れなんていやだよ夏姫ちゃんあっ!」


  夏姫ちゃんはすぐに目にはいり私の瞳に写し出される。黒くて綺麗な立派な車に乗るところだった。そして、熱のせいで足元がふらつき身体が前のめにたおれ込む、地面にぶつかる!!と思い目をどじ来る衝撃と痛みをまつが、予想とは違った。


  「ハァハァまっまにあった!」


 柔らかな衝撃に感触に鼻から感じられるいい匂い、ドクドクト早くなった鼓動の音に頭上から聞こえる私の大好きな声音。

 

  ああ、夏姫ちゃんだ落ち着く夏姫ちゃん好き


 私は安心したのか、身体から力が抜け眠りについた。


  「ふふ、熱があるのに無茶をして、やっぱり雪菜可愛いなぁ」


  おでこにひんやりとしたものを感じ私の意識は浮上し目を覚ました。

  私の部屋の天井……たしか、私は玄関前で夏姫ちゃんに支えられて……それから……


  「あれ?目が覚めちゃった?ポカリ飲む?ゼリー食べる?あっ桃缶桃缶開ける?」


  私を覗きこむように、私の目の前に夏姫ちゃんの顔が視界にはいる。鼻と鼻がくっつきそうな距離で。

 

  「夏姫ちゃん?なんでいるの……風邪うつっちゃうよ……」


  「うーん、雪菜が寂しそうにしてるから側にいるの」

 

  「寂しくないもん」


  「顔に寂しいってかいてるよ?うりうり」


  顔に書いてあると言われほっぺをつんつんされる。私は頬が少し暑くなるのを感じた。

  寂しかった。夏姫ちゃんと離れると思うとなので、私は黙って布団で顔を覆って隠した。

  熱のせいで夏姫ちゃんの指がいつもよりひんやりと感じた。


  「こら!息苦しいでしょカタツムリはやめなさい!もう、言わないからね?」

 

  覆っていた布団をもとの位置まで下ろされた。私はニコニコと私を看病?してくれる夏姫ちゃんをみて最近感じなかった幸せな気持ちを感じた。

 

  「ねぇ?聞いてもいい?何で私を無視したの?」

 

  「えっ……」


  私は悩んだ。言うべきか言わないべきか。


  「お父さん、お母さん」


  「ッ!!」


  突然の発言に私は反応した。


  「へー、なるほどね。雪菜ちゃんが私から距離をとろうとした原因は雪菜ちゃんのお父さん、お母さんにあるわけだね。ふふ、ふふふ」


  ニヤリとした笑みを浮かべた夏姫ちゃんに私はドキッとした。

  それと、同時に夏姫ちゃんが私と同じ幼稚園とは思えなかった。

 

  でも、そんなところもいいとおもった。


 

 

 

次も雪菜回予定!

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