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この、手にできぬものを私は掴みたい  作者: やいよるこい
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報告!落ちる気分

 ああ、ついにこんな日が来てしまったか……表と裏、表で私は彼女に微笑みながら。


「おめでとう、雪菜」


 祝いの声を幼少の頃からの付き合いの幼馴染み、遠野雪菜にかける。

裏では、私の心は荒れて荒れて最終的には、落ち着きいや、諦めて……いや、諦めきれずも仕方ないかと落ち込みどんよりしている。


 仕方がない、いくらお金がありなんでも望めばなんでも手にはいる星のもとに産まれた私でも、人の心はまでは、いくらお金を積んでも本物は手にはいらないし、それに、同性。

昔から、こんな日がくると解っていたことだ。


 雪菜が彼氏を作った。私が彼氏になるチャンスは失われた。

ならば、一番の親友として私は雪菜が幸せになれるよう私は雪菜へたいする恋心に封をし全力で親友を演じよう。


「夏姫ちゃん、ありがとう!! ふへへ、じゃあ、私今日から西城君と帰るからまた明日!!」


「また明日、雪菜」


 付き合いました報告から、一緒に下校するまたねと、言われ内心荒れ表情が歪みそうなところなんとか耐えた私は手をふり、雪菜を見送る。

雪菜は、教室前に待っていた西城へきっとふんわりした、かわいくあどけない笑みを浮かべていたのだろう。

顔を紅くしつつ照れぎみの西城を見て、ムカムカする。

内心そんな私を置いて二人は付き合いたて、ほやほやの初々しい雰囲気を周りに振りまきながら帰っていった。


 教室に、残された私は窓から差し込む夕焼けに、下校中の二人が玄関をでるところを眺めつつ、溜め息を何度も何度も吐いた。


 俺が男なら、こんな気持ちを味あわなかっただろうか……


 私には1つ誰にも言えない秘密があった。

私には前世の記憶が存在していた。しかも、前世は男だった。記憶は曖昧だったしいつ、どのように死んでしまったのかはわからないからけれども幼少の頃からの私・・・いや、俺の意識はっきりとあった。

私は幼稚園で雪菜と出合い一瞬で惚れた一目惚れだった。今は可愛い成長し将来は可愛い美人さんにちがいないと思い私は雪菜へ猛アタックし仲を深めあった。


 小学校には、父がお嬢様学校へ通わせようとして、雪菜と別々の学校になりそうになり、お願いして一般の小学校、雪菜と同じ学校へ通えるようにしてもらいさらには、クラスも6年間同じにしてもらい、恋人未満親友以上までに発展した。

小学校と同じように中学でも関係はかわらず仲良くスクール生活を満喫した。


 そんな中、高校に入り周りが彼女彼氏と恋愛の話しによりついに歪みが生じた。


 雪菜が彼氏を欲しがりだし、1つ上のサッカー部の次期キャプテンとまで言われ、容姿がよく、勉強、運動神経抜群のモテモテな西城に雪菜は告白され、あっさりその告白を受けたのだ……


 ああ、思いだすたびに、心臓あたりがジーンと重力がかかったかのように重くなる。


「はぁあ、つらい、つらいよ雪菜、好きだよ雪菜……ちゃんと、親友続けるかな私」


 独り言を溢しながら私は窓から写る夕焼けの景色をぼーと見続け、家の使用人が来るまで教室に、入り浸った。






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