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世界で一番あなたのことが嫌いなのは私です

作者: 甘夢果実

 自転車で走る私の隣を、彼は走ってついてくる。結構早いんだけどな……どんだけ頑張ってるんだろう、気持ち悪い。


「なあ」


 しかも話しかけてくるほど余裕らしい。ムカついたからちょっと早く走っても、一向に彼は置いていかれない。物理法則大丈夫? 仕事してる?


「無視しないでよ、あっちー」


 あっちーってなんだよ。私の名前に一文字もかすってないじゃないか。


「それにしても、今日はいい日だなー。絶好のお散歩日和だから、走ってたら偶然君を見つけたんだよ、あっちー」


 嘘つけ。どこに近所に絶好のランニングコースがあるのに山を挟んで10キロ離れたウチまでやってくる変態がいるんだ。怖いんだけど。


「ところで質問なんだけどさ、俺って世界で一番あっちーを好きじゃん?」


 そんな軽々しく数十回目の愛の告白をするな。というかそんな軽々しく愛を扱うな! 愛ってのはもっと重いものなんだ、精神的に!

 さらに言わせてもらうが俺って○○じゃんってなんだよ! 知らねーよとしか言いようがねえじゃん!


「じゃあ世界で一番俺を好きなのは誰なんだろうね?」

「あなた自身じゃないですかね?」

「えー!! ドイヒー!」


 古い。


「じゃあ逆に、あっちーを世界で一番嫌いな人は誰?」


 知るか。そんなん知ってたら即刻殴り込みだこのやろー!


「うーん……じゃあ俺を世界で一番嫌いなのは?」


 その質問には、自信をもって答えられる。


「見知らぬ人を含めて世界中に住むあなた以外の人……いえ。答えを変えます」


 そう言って、私は一息つく。よし、言うぞ……言ってやるぞ……!


「世界で一番あなたのことが嫌いなのは、私です」


 私はニッコリと、笑顔を作ってみせてそう答えた。


「あー! やっと笑ってくれたよー! やっぱ可愛いな〜!! さすが俺の天使、マイハニー!」


 お前のハニーにも天使にもなった覚えはない。ていうかお前は皮肉も愛想笑いも見抜けないのか。脳みそ大丈夫?


「それでさ、お願いがあるんだけど、あっちーのこと大好きだから……今度デートしようぜー!」


「はいはい。……はい?」


 今、なんつったこいつ?


◇◆◇◆◇


「じゃあ、次の日曜日の午前8時に君の最寄り駅集合ね!」と言って、あれよあれよという間に予定が決まってしまった。そしてなぜお前は私の部活がない日と最寄り駅を知っている。


 前日までは行く必要ないよね! なんて気分だったのに「はい」と答えてしまった以上、行かないのは申し訳なく思えてきた。ということで、不服ながら私は今、集合場所に来ている。自分のことながら優柔不断すぎて辛い。


 まだ時間にはなってないとはいえ、女の子を待たせるとは何事だ! デートにおいて男は2時間前から女を待つものだろう!!


 なんて高飛車な女の子のフリをした妄想をしつつ待っていると、ソイツは来た。

 吉田翔太郎。できれば来ないで欲しかった。エイプリルフールじゃないけど俺の中ではエイプリルフールだったのに〜! なんてことが起こっていればどれほど喜ばしいことか。


「さ、行こうか。はい」


 そう言って、吉田翔太郎は私に切符を渡してきた。心なしかいつものハイテンションがないように感じる。


「……なんかあったの? ていうか、なにこれ?」

「心配してくれるの!? 優しい〜。大丈夫、休日はいつもこんな感じなんだ〜。ハイテンションだと疲れるんだよね。で、なにこれって言われても、切符」


 あ、それはなんかわかる気がする。そこまで仲良くない人と一緒に過ごしたり、道化を演じてたりするのってすごい疲れるんだよね。

 ……そして切符なのは私もわかる。それくらいはわかる。


「……別に切符なんて、電車代くらい自分で払う」

「いやいや、女の子にそんなことさせられないって〜」


 まさか、これを見越して時間通りに行き先も告げず……? こいつ……出来る……!


「さ、行こうか」


 なんかちょっとだけ共感して、私は駅から吉田翔太郎に連れて行かれるがままに目的地へと向かった。


 デート場所は遊園地らしい。吉田翔太郎にしてはあまりにありきたりだ。こいつ、そんなに疲れてるのか……。


「お疲れ様」

「え、なにが?」

「なんでもない」

「え〜? 本当にござるか〜?」


 とりあえず一発殴っておいた。


◇◆◇◆◇


 さて、遊園地の入園料は吉田翔太郎が払ってくれた。最低限持ってきてはいるがそんなにお金持ってきてなかったし、正直凄い助かる。それにしても金持ちだな……。そう言ったら、無料チケット持ってたんだとか。


 まさか、消化しきれない分を私に押しつけたとか?

 そう聞いたら吉田翔太郎はただ笑ってなにも言わなかった。図星か。


「さて、なに乗ろうか?」

「なんでもいいよ、お化け屋敷以外なら」

「じゃあお化け屋敷ね」


 そう言って、吉田翔太郎は嫌がる私を無理やり連れ込んだ。

 まさか、暗闇で私に言えないことするつもりじゃ……待って、心(携帯)の準備が──


「──ギャァァァァ!!!」


 なにしにきたんだ、こいつ。

 なんで連れていった本人が驚くんだ、なんだか白けちゃったじゃないか。ええいうざったい、ひっつくな! そしてどさくさに紛れて手を握ろうとするな!


 伸ばしてきた手を払いのけると、吉田翔太郎は涙目になっていた。そんなに怖いか……?


「怖かったね……」


 なんとかお化け屋敷を脱出して、私たちは次のジェットコースターに向かう間に話していた。

 そこまで怖くなかったし、私は別の意味でお化け屋敷よりもお前の方が怖いよ……。


「いやっふぅぅぅ!!」

「ぎゃぁぁぁぁ!!!」


「いええええええ!!」

「うわぁぁぁぁあ!!」


 あー、楽しかった!

 でも……なんでこいつ、こんな怖いものに弱いのに遊園地選んだ?


「げ、元気だね……」

「そっちは今にも死にそう」


 死にそうっていうか、多分半分くらい死んでるだろう。……ほんとになんでこいつ、今日遊園地を選んだ?


「ねぇ」

「ん、なんだいあっちー。なんでも聞くよ」

「なんで今日遊園地に来ようなんて思ったの?」


 私の質問にこいつはポカンとして、そして楽しそうに笑った。


「楽しかったでしょ?」

「うん」

「だからだよ」


 いや、今のどこに答えがあった? 「だからだよ」なんて言われてもわかんないよ……。

 私はそう思いながらも「そ」と返して、自販機で買ったソーダを流し込む。あー、おいしい!


 なんだかんだ言ってこいつも楽しそうだし、来てよかったなぁ。

 私は満足すると、さらに次のアトラクションに向けて駆け出した。


◇◆◇◆◇


『今日、デート行ったんでしょ? どうだった?』


『別に、楽しかったよ?』


『そう。彼のこと好きになれそう?』


『……さあ? 世界で一番嫌いな人だったからね』


『今も?』


『……今は、嫌いではない、かな』


 私は親友のLineにそう返信して、ケータイの画面を消した。


◇◆◇◆◇


「おはよ、あっちー!」

「ん」


 目の前の吉田……吉田翔太郎の言葉に短く返して、私たちは2人で校門を通る。

 人がやってるのを見ると付き合ってるのかとか思っちゃうけど、自分がやっててもそんな風には気づかないもんだね、うん。


 そんなことをクラスの友達に言われ、ふと気づいた。時々そうやって友達をイジってるけど今回のそれが仕返しなのか、それとも嫌味なのか曖昧なところだ。


 まあ、それはいい。

 言われた後、校舎の中で偶然にも吉田に出会った。


「あっちー。何持ってるの? 持とうか?」

「え、重いよ?」

「気にしない、気にしない!」


 そう言うと、吉田は私の抱えてたノートの90%を取り上げて私を待つ。


「どこ行くの?」

「先生のところ」

「どの先生?」

「唐墨先生」


 唐墨先生は国語の先生で、普段職員室にいる。今は、唐墨先生に頼まれた提出物のノートを職員室まで運んでいたところだ。


 職員室に行くまでの間も、吉田はしゃべり続ける。とにかくしゃべり続ける。沈黙が怖いっていうのはわかるけど、ちょっとしゃべり過ぎじゃないだろうか?


 そんなにしゃべり続けて疲れないのかと聞いたら、そこまで疲れないという答えが返ってきた。お前は明石家さ○まか、無尽蔵体力バカめ。

 そんな会話をしていると職員室に着いた。


「お疲れ様、矢作さんと……吉田くんか、珍しいね」

「あっちーのお手伝いでーす!」


 そう言って翔太郎はこれ見よがしに私にくっついてくる。気持ち悪い!!

 私の膝蹴りが翔太郎の腹部を低めの内角から抉るように直撃した。


「oh…」


 ついでに怯んだ翔太郎の男の弱点を蹴り上げる。

 おい先生、なにビビってんだ。あんたにはしないよ、多分。「ヒェッ…」なんて言うんじゃねぇ。


「ま、まあ、仲が良いようでなによりだよ。特に吉田くん、友達は大切にしてあげるんだよ」

「もちろん! 我が愛しのあっちーのことは命に代えてもお守りする所存であります!」


 ちょっと待て先生。それは翔太郎に対しての言葉なのか。私を大切にしろって、どゆこと? それはどっちを危惧しての言葉なんだ?


「てことであっちー。次は土曜日の午後に出かけよう!」


 だから私の予定を把握してるのは止めろ。


◇◆◇◆◇


 さて、今回の吉田翔太郎へのサービスは水族館デートだ。

 水族館いいよね水族館。綺麗だし、可愛いし、癒される。

 オットセイとかペンギンとかは水族館の中でもうるさいけど、静かな魚が多い水族館では逆に楽しめる。


 それにしても、水族館……本当に翔太郎が疲れてるんだなってのを実感する。


「うわ〜! 綺麗だね〜!!」

「翔太郎、うるさい」


 楽しそうで、やっぱり来てよかった。魚オタクでもない限り、1人で水族館来たって2人で来るほどには楽しめないもんね。

 楽しさを共有するっていうのは、いいことだ。うん、やっぱりそう思う。


「あ!マンタだ!」


 私たちの目の前にあるデカい水槽ではイワシが魚群を作り、マンタやジンベエザメが悠々と泳いでいた。綺麗だなぁ。

 あ、ウツボ。昔、なんで共食いしないのかなとか思ってたなぁ……。


「ウツボだ。共食いしないのかな?」


 やっぱり気になるよね。でも、前にテレビでちゃんと餌を与えれば共食いしないって言ってたんだよね。不思議なことは不思議なまんまでいいのに、文明の普及がこんなところで人の好奇心を削いでいくなんて……。


 まぁ、文明の発達を憂いたところでしょうがないんだけど。なんでウツボから文明の話になった?


 その次はイルカショーに行った。


「ザパーン!!」

『イルカさん達が回りまーす!』


 飼育員かトレーナーかわからないけど、まあそんな感じの人の掛け声に合わせてイルカやシャチがクルクルと回る。可愛い。


『イルカさん! ジャンプ!』


 トレーナーさんが勢いよく手を振り上げると、それに従ってイルカが高くジャンプした。うわ、凄い。めっちゃ高い。


「うお! すごく高いね!」


 翔太郎もテンションが上がっている。こんなの見たら誰だってテンション上がるよね。翔太郎は元々高いけど……。


『次は、お客様にお手伝いいただきたいと思いまーす。そうですね……』


 げ、嫌な予感。


『では、そこのカップルのお二人! こちらにどうぞ!』


 トレーナーさんがそう言うと、係員がこっちまで来た。やっぱりね。

 カップルでもなんでもないんだけどな……。


◇◆◇◆◇


 その後、カップルと間違えられてのお手伝いという羞恥心をガリガリ削る拷問イベントを終えて、展示を見て水族館デートは終了した。


『どう? 楽しかった?』


『うん。水族館楽しかった』


『そう。それは良かった。嫌いなはずの彼はどう?』


『……嫌いじゃない。ていうか……』


『ていうか?』


 あぁ、可愛い。思わず口がニヤけてしまう。親友の反応がこんなにもよくなるとは思わなかった。吉田翔太郎には感謝をしなくちゃ。


『カップルに間違えられてたね』


『見てたの!? ていうか来てたの!?』


 私の言葉に驚いた親友の反応に満足して、私はスマホを落とした。……さて、そろそろ行動に移すとしようかな。


◇◆◇◆◇


「ごめーん、大道。待った?」

「ううん、ハギ。全然」


 私たちは空いた日を見つけて、カフェで食事を摂る約束をしていた。


「あれ? 吉田翔太郎じゃん」

「ん? あ、本当だ」


 吉田翔太郎。残念ながら、親友は君には渡さない。


「お待たせしましたー。カップルドリンクでございまーす」

「お、来た来た。飲もっか」

「うん」


 私たちは大きな1つのコップに入っているジュースを、二本のストローで2人で分け合う。

 あー、美味しい! やっぱりオレンジジュースは最高!


 吉田翔太郎の方をチラリと見ると、こっちの方を見て絶望していた。顔からは血の気がなくなり、まさに顔面蒼白という言葉を体現するようだ。


「……あっちー」

「翔。どうしたの?」

「どうしたの、じゃないよ…。その男、誰?」

「カップルじゃないのに、君にそんなこと言われる筋合いはないんじゃないかな」


 私は男のように、ハギ……矢作純子を庇う。まるで、私が矢作純子の恋人であるかのように、彼氏であるかのように。


「……っ!」


 私がそう言うと、吉田翔太郎はたじろいで逃げだした。


「……どういうこと、大道?」

「どういうことも、こういうことだろう?」

「……大道(だいどう) (ひかる)! 分かるように説明して!」

「簡単だよ。全部演技だったってことだよ。君を愛してる」


 その言葉に、矢作純子はたじろぐ。

 だが、次の瞬間──


「ふざけないで!」


 矢作純子の平手が、僕の頬を撃ち抜く。


「ってー……相変わらず容赦がないね」

「知らないわよ! ふざけないで! 全部偽って、それでも私を愛してるなんて……私、どうすればいいのよ……」


 そう言って、矢作純子はボロボロと泣き出す。彼女を落とすためだけにここまでしてきたけど、それは失敗だったかな。


「もう、関わらないで!」

「いいとも、さよなら」


 女性という生き物は、仲のいい男を好きになる。彼女が僕のことを好いてくれるように振舞ってきたつもりだが……まあ、いいさ。代わりはいくらでもいる。彼女は実験のサンプルケースの1つに過ぎないのだからね。


 雨が降り出したのも気にせず、傘もささずに矢作純子は走りだした。

 行き先はどこなのだろうか。そんなどうでもいい疑問に、終ぞ答えは訪れなかった。


 ……オネェキャラはモテるのか実験は失敗。次はオネェの中でも最後をちょっと変えてみるべきか、それともライバルを作らないでいるべきか。

 次の実験の考察をしながら、矢作純子を見送った。


◇◆◇◆◇


「翔!」


 必死に、去っていった彼の名を叫ぶ。

 どこに行ってしまったのかも分からない。そうだ、ラインしよう。


 ラインで謝罪と会いたいという趣旨を伝える。いつもならすぐに既読がつくはずのラインに、既読がつかない。あぁ、怒ってるのかな。考えてみれば、おかしい所が多い。なんで、なんであんなこと……。


 頭の中がこんがらがってる。落ち着け、落ち着け……。

 焦っているのに、急いでいるのに、それをバカにするかのように交差点の信号が点滅し、赤に変わった。


「……え……?」


 信号が変わるのを待っていると、背後から何かが私の背中を押して、車道に突き飛ばした。

 ちょうどその瞬間、トラックが猛スピードで突っ込んできて──。


 押された瞬間。車道に突き飛ばされた瞬間。私は、私を押した大道光の姿とトラックを見て。私は、自分がこれから死ぬであろうことを認識した。


◇◆◇◆◇


 ──彼女が、死んだ。

 唐突な話かもしれないが。訳のわからない話だが。彼女が、死んだ。

 なんで、なんでなんだよ。


 彼女が死ぬ直前に、俺に送ったラインのメッセージ。その内容が脳内で反芻される。俺のことが世界で一番嫌いだって、そう言ってたじゃないか。なんで、なんでだよ……。


 俺を愛してくれた人は死ぬ。それは、どうしようもなく世界が定めた事実らしい。ならば、愛を与えるだけでよかった。施すだけでよかった。施されて、それに何も感じないような人であってくれればよかった。なんで、なんでだ──。


 家族は死んだ。

 親友は死んだ。

 恋人は死んだ。

 俺を愛してくれた人は、みんな死んでいった。


 死なないのは、俺の愛を受け入れて何も感じない他人だけだ。

 ならば、一生他人に尽くそう。

 他人に愛を受け入れてもらおう。

 愛は、施すだけでいい。

 何も感じずに施されてくれることだけが、俺への愛だ。


 ──この愛は、いつになったら報われる?


◇◆◇◆◇


『今日の昼はゴメンね。でも、アレは勘違いなの。あの男は、ゲイだった……ううん、ゲイだと思ってた。だから、女の友達として扱ってたの。ゴメン、ゴメンね、こんなことになるなんて。

 騙されてるなんて思ってもいなかった。あの男のことは大嫌いだから。だから、安心して。

 あの日、あなたに「あなたのことが世界で一番嫌いなのは私です」なんて言ったよね。自分であの言葉を言って、今とっても後悔してるんだ。このメッセージを見たら、いつものあの駅に来て。そこで、ちゃんと想いを伝える。けど……これだけ言わせて』


 液晶が読めない。涙で滲んでいく。

 そのあと、恥ずかしそうな意思を伝えるスタンプが送られて来た。

 可愛い、なんて、そんなことを思ってしまった。


『世界で一番あなたのことが好きなのは私です

どうしようもなく、なんのひねりもなく

こんなことを言う権利はないかもしれないけれど

どうしても

あなたのことが

大好きです

大好きなんです

だから

嫌われてもいい

どう思われてもいい

これだけ言わせてください

世界で一番あなたのことが好きなのは私です』


 あぁ、なんで、なんで、なんでなんでなんで。あの時、メッセージが届いた瞬間に開かなかった? なんで、裏切られたと思ったくらいで施すのをやめた? ……そんなこと、わかっている。


 俺も、大好きだったんだ──。


◇◆◇◆◇


『世界で一番あなたのことが好きなのは私です


どうしようもなく、なんのひねりもなく


こんなことを言う権利はないかもしれないけれど


どうしても


あなたのことが


大好きです


大好きなんです


だから


嫌われてもいい


どう思われてもいい


これだけ言わせてください


世界で一番あなたのことが好きなのは私です』

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[良い点] ラストが良かったです。胸に刺さりました。
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