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日常3

食卓に並ぶのは、一般的な昼ご飯にしては豪華だった。

なぜなら、リアが食うからだ。

彼女は体に似合わず大量に喰う。

それはもう、稼ぎの大半が食費に飛ぶってくらいに食らうのだ。


「アル、そういえばまだ右頬は大丈夫ですか?」


「あぁ、いい具合に衝撃は逃がしたからな。多少赤い跡が残るくらいにするのが難しいところだけど、そこはまぁ経験かな。」


食事が傷にしみるような無様な真似はしないのだ、プロは。

今日の料理は当たりだな、実にうまい。まだ?


「そうですか、それはよかった。後3件ほど殴られ…」


「いやいや、リアさんや。何が悲しくて一日に4回も、それも別々の案件で殴られなきゃならんのよ。」


「家賃が払えなく悲しいから、アルにはもう3回ほど殴られてもらわないと私が困るんですが…。」


「理由が聞きたいんじゃねぇよ!!」


しかも困るのお前かよ!

おかしい。

おかしいよこの娘は。

いつから雇い主が率先して殴られる仕事をして、家賃をどうにかするのに罪悪感を感じないような娘になったんだよ。

昔はかわいかったのに!ときめいたりしたのに!!

それに仕事の割り振りおかしいよ。俺8割、リア1割、ジャン1割って…


「リア、おかわり。」


「はいはい、ジャンさん。」


「お前も何事もないかのようにお替りお願いしてんじゃねぇよ!」


それに殴られる案件が一日4件って…男女関係どんだけもめてんのよリーブラ都民!

いくら仕事だからって、さすがに萎えるわ!

慣れてるって言ったって、痛いもんは痛いんだからさ…


「ん~でも、私はこれから孤児院の手伝いがありますし…」


「自分はぬいぐるみの納品がある。」


「ぐぬぬぬぬ…」



そう、もめ事処理屋としての仕事はさっき言ったとおりの割合なのだが、リアもジャンもそれ以外の仕事で結構忙しくしているし、実はよっぽど稼ぎが良かったりするのだ。

かたや、俺は処理屋をしている以外は、家で寝てるか、酒か、ギャンブルか…すいません、殴られてきます。むしろ殴ってください、今度は衝撃逃がさないから。


「ダメ人間は黙って殴られてきます、生きててすいません…。」


「わかればいいんですよ?最近はちょっと顔ばれしてきた感があるので、変装と偽名はしっかりとして行ってくださいね。」


「顔ばれって…」


もめ事処理屋ならぬ殴られ屋開業しちゃうよ、俺…




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