(2)-愛情-
第二話です。
一月一六日 一時三〇分
「うふふふっ」
一人暗い部屋の中で微笑む女性。彼女がいる部屋には壁一面に写真が貼られており、そこにはある少女が写っている。しかし、その少女は今部屋にいる人物ではない。
「今晩も可愛い寝顔をしているね」
少女はノートパソコンに映る映像を見ながら、そう言った。映像には写真の少女がベッドで眠る姿が映っている。
「本当に止められないわ。半年前に興味本位で隠しカメラを仕掛けたけど、見つからないか冷や冷やしたわ。まっ、見つからない自信はあるけど♪」
「おっ!」
少女は何かを発見したのか、マウスを操作して画面を拡大した。そこには服が捲れて、腹が見えている少女の寝姿があった。
「肌真っ白できれい♪ 食べちゃいたいくらい、きれい。あぁ、もし、これが目の前の事なら、私は理性を保てず君を食べていただろうね」
「でも、これ以上にあの時の貴女は可愛かったよ。今日、学校で私が下駄箱に入れた手紙を読んで動揺する君を。そして、部屋で一人動揺している貴女が。愛しくて愛しくて堪らないわ♪」
「あぁ、早く私の好意に気づいてくれないかしら……。お願い……。そうしないと私、貴女の大事なものを食べて、貴女を傷付けてしまうわ。だから、早く気付いて」
画面先の少女に語り掛けているように淡々と話した。
「その警告として、新しい手紙を送らせてもらったわ。明日は貴女の反応が楽しみだわ♪ お休み、私の天使ちゃん♪」
少女はふふふっ、と笑い、ノートパソコンに映る少女にキスをして画面を閉じた。
読んでいただき、ありがとうございます。今まで執筆してきた以上に恐怖感を入れてみました。次回は6月2日21時に投稿します。