表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

(1)-始まり-

第一話になります。

一月一五日(木) 八時一〇分 昇降口


 朝の学校。生徒たちは昇降口で自身の下駄箱から上靴を取り、外靴と履き替えて、自分たちの昇降口へ向かった。その人ごみの中で私は自身の下駄箱の前で茫然と立っていた。

「今日も・・・」

 その言葉は今までにも同様のことがあったと窺える発言に聞こえる。一週間前から私の身に不思議な事が起きている。毎朝、必ず私の下駄箱に一通の差出人不明の封筒が入っており、便箋には「Ia・Fd〝」か「Cu・Bb」のいずれかが書かれた便箋が入っている。最初は何かのイタズラと考えて無視していたが、さすがに一週間も続くと不気味に思えてくる。

「本当に何の目的で、こんなことするのだろう。しかも、何なの、この暗号!」

 今日まで続くものだから、私はこの状況に怒りを露わにした。犯人捜しをしようにも、生徒という立場である私は日中は授業、放課後は部活動と、犯人を捜す暇もない。

(友人や先生を巻き込みたくない……)

「!!」

私は背後からの視線を感じ、後ろを振り向いた。

(気のせいか……)

「封筒の件で警戒しているな……私……」

 他の生徒からの視線と考えられるが、普通の視線とは違う。ねっとりと舐められているように感じる視線だ。

「もう早く終わってほしい!」

「ま~み、な~に、怒っているの~♪」

 私が正面を向いた時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、自身の身体に違和感を感じた。

「きゃあ!」

「もう~、真美の可愛い笑顔が台無しよ♪」

 私の幼なじみ兼クラスメイトの綾子が背後から抱き着いて来た。私は彼女に抱き着いてきたことを怒った。

「いつも会う度に抱き着くないでよ!」

「う~ん、怒った顔も可愛い♪ 食べちゃいたい♪」

(ダメだこりゃ……。昔から何かと抱き着いてくるから困るんだよね・・・)

 綾子の行動に呆れかえる私。

(手紙の件は二週間くらい経てば春休みだし、二ヶ月後には卒業だから無視するか……)

 犯人捜しをしたいが、その気にはなれなく、諦める事にし、私は彼女と一緒に教室に向かった。

(本当にこの嫌な予感が気のせいであってほしい……。)

 次の日から私の日常が変わることをこの、私は知らなかった。


読んでいただき、ありがとうございます。久々の更新なので、ワクワクしながら投稿しました。また、登校するときはTwitterなどでお知らせします。

5月26日21時に次回作を投稿します。

良かったら、作品中のメッセージの意味を考えてみてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ