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開発中

セリス:リエラの敬愛するお姉さま。最近、マッドな調薬師になりつつある。

エリザ:リエラと同じ孤児院出身。最近、マッドな調薬師になってしまった。

「それにしても、思考停止してたのねぇ…。」


 私は調合の手を休めながら、そっと溜息を吐いた。


「でも、無理もない事だと思います。手近に単体で十分過ぎる働きをする素材があったんですもの。」


 私の言葉に分量を量りながら応じたのは、リエラちゃんと同じ孤児院で育ったと言うエリザちゃん。

リエラちゃんの育った孤児院はよっぽど良い方揃いだったのか、ウチの工房に入って来てくれた子達は皆素直な子ばっかりです。

エリザちゃんも、最初に来た時は少しおどおどしてるところがあったのですが、最近では随分と落ち着いて優しげな雰囲気もあってか中町の男の子達の中での人気も高いんだそうです。


 今、私達が行っているのは、イニティ王国全土で採れる様々な薬草から『高速治療薬』に近い性能の傷薬を作れないかと言う開発作業です。

リエラちゃんの発案で始めた事ですが、始めてみるとなんとも面白くて、何で今までこれを思いつかなかったのかと自分を呪いたくなってしまいました。

ただ…、この作業。とっても楽しいものの、私一人では新しいアイデアが中々出ないのが困りモノ。

服のデザインは湯水のように湧いてくると言うのに…。

リエラちゃんとエリザちゃんの発想力にはどうしても敵わないのです。

なので、リエラちゃんが王都に向かうメンバーとしてエリザちゃんを選んだ時についつい泣きついてしまいました。

事情を察したリエラちゃんが、代わりにアッシェちゃんを連れていく事にしてくれた時には本当にホッとしたモノです。

これで、リエラちゃんがいない間も新しいお薬の研究を続けられますから…!

王都で頑張る事になる彼女の為にも、良いお薬を色々開発しなくてはいけません。


「セリスお姉さま。」

「どうしたの?」

「傷薬以外の物も研究して見ませんか?」

「傷薬以外と言うと、解毒剤みたいなものかしら?」

「いえ。お腹を壊した時に飲むお薬とか、喉が痛い時に飲むお薬とかですわ。」


 作業の手を止めてゆったりと彼女は微笑んだ。


「ああ…。病気のお薬も魔法薬ではないのね。」


 そっちも当然気付くべきもののはずなのに、本当にどうかしていると天井を仰いだ。


「エルドランでも色んなお薬があったみたいでしたわ。」

「なら、そういうお薬も開発した方がいいわね。」

「はい。きっと、リエラちゃんの力になると思います。」


 私達は顔を見合わせて頷き合った。


そう、私達は同士なのです。

全ては、離れていてもリエラちゃんの力になる為に…!


 でも、病気のお薬の方は被験者に苦労しそうですね…。

何か方策を考えなくてはいけません。

まずは今研究しているモノを仕上げてからになりますから、それまでの間に考えておきましょう。


 そうして今日も被験者(工房の人間限定)の恐怖の時間が始まるのでした。

薬が失敗した時は、魔法でリカバリー…。

がくがくぶるぶる

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