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第四話

乗合馬車出発まであと二日。


僕は取り敢えずカバンを買う事にした。


先日は『森の悪魔』討伐を達成したのだが、その時に討伐証明として頭を持ち帰ったのだ。しかし、田舎で用意したカバンでは容量が頭だけでギリギリで危うく持ち帰らずに帰ってしまう所だった。


あの時、もし持ち帰らなかったらかなりの大損をしていただろう。何せ90万K……90万K!それ程の大金が一気に稼げてしまうにしては実に呆気ない戦いだったが、逆に言えばお手軽簡単に大金が稼げてしまうということだ。


師匠が伝説のS級冒険者の1人だった事にも驚いた。師匠よ、何してんですか。て言うか僕にも教えろよ!何で言ってくれなかったんだよ!僕はセリーヌと話をする道すがらにS級冒険者になって師匠を見返してやると誓った。


……閑話休題。とにかく僕には大きな容量のカバンが必要だ。それも、小屋が何十軒も入ってしまうようなカバンだ。え?そんなに大きなカバンだと持ち運ぶのも大変?確かにそうだ。しかし世の中には「四次元魔法」という代物がある!


説明しよう!「四次元魔法」とはっ!物体や空間にこの世を構成する三次元とは異なる四次元という概念を与えて主に空間を拡張・縮小する性能を与える魔法であるっ!


まあ早い話が空間を操る魔法だ。見た目小さいポケットにもっと多くの物が入るようにしたり、ある地点と地点の間の空間を縮小して所謂「縮地」の効果で瞬間移動したり。もっとも後者の魔法は世紀の大魔法使いクラスじゃないと使えないし、現在この魔法が見られるのは南大陸と北大陸の間を繋ぐ「セントリオゲート」だけだ。古代人が暇つぶしに作ったと噂されているが、暇つぶしに作るにしてはかなりヤバい代物だ。少なくとも現代人からすれば古代人は人間ではない。


一方で前者の魔法は使い手が多い。普通の魔法使いでもほんの少し――胸ポケットの容量を二倍にする位で有れば半数が使える。


しかし、拡張する容量が増えれば増えるほど魔法の難度も上がってゆく。今回僕が必要とする容量となれば、専門の職人が作るオーダーメイドとなるだろうか。そうなれば代金は90万Kでギリギリ買えるか買えないか。いや、そもそもそんな職人が地元よりマシとはいえまだまだ田舎のこの街に居るのか?


その辺をまずメアリーさんに聞いてみないと。


 ○●○●○


「小屋が何十軒も入るようなカバンを作れる職人、ですか?」

「はい」

先程から妙にキラキラした目で見つめてくるエレンさん。そんな風に見つめられても本当に困るのだが。

「あの、エレンさん。そんな凄い職人はこの街に居ませんよ。或いは王都であれば一人か二人居るかも知れませんが」

そう言うとガックリ肩を落とすエレンさん。いえいえ、そうガックリされてもですね……。

「王都じゃないと買えないんですか……という事はオークキングを全部お持ち帰りは出来なさそうですね…」

オークキングとか聞こえた気がしたが聞き間違いと思い聞き流す。

「普通に容量10倍位のカバン作れる職人でしたらいると思いますので、一応連絡しておきましょうか?」

「はい……お願い致します……」

私は最新版のタワンワーク(タワン一族が開発・出版してからベストセラーになった、オリジナル簡易魔法「番号連絡」が織り込まれている雑誌)を引っ張り出して最近頭角を現したばかりのカバン職人に「番号連絡」した。

今回は諸事情により短いです…

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