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クワガタ牛

作者: 周弥

朝、目が覚めた時、思いついた。

夢の中なら何でもできる。悪夢も然り。反政府的なコラムをネットで発表してきたオレは調子に乗りすぎた。いわゆる「調整施設病棟」に叩き込まれることになった。そこで調合されるドラックの実験。真っ白な病室で、とびきりの悪夢とご対面。むかし大量に作られた子供番組に、例えばカニとコウモリを掛け合わせた怪物が登場した。オレも、小学生の頃、妄想したモンスターを描いた。特に傑作だと思った、お気に入りの奴。それが目の前にヨダレを垂らしてオレを見てる。

牛の体、クワガタの角。哺乳類と昆虫を掛け合わせたグロテスクな怪物が超リアルに目の前にいる。オレを食うつもりか。これはオレが作り出した夢だ。パニックになるな。息を整えるんだ。オレは高級なステーキとカニ料理を頭に浮かべようと努力した。クワガタもカニも大して違わない。まさに食うか食われるか。恐怖より食欲の方が強かったのかオレは、とびきりの牛カニ料理を堪能。これでワインでもあれば文句なしだ。目を閉じて、ゆっくり味わう。

目を開いたら妄想をむさぼり食おうとヨダレを垂らすオレがいた。モー堪忍して(泣)。

ふーっと息を吐いただけで消える作品。そこがいいんじゃない(笑)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小説というのはスピード感は重要ですね。 『オレも、小学生の頃、妄想したモンスターを描いた。特に傑作だと思った、お気に入りの奴。それが目の前にヨダレを垂らしてオレを見てる。』  ここが秀逸だ…
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