セオス、精霊たちの報告を聞く
ちょい、前進、されどまだヒロインでず。
数ヶ月がたって、だいぶ情報も集まってきた。まずは家名。なんか我が生れたとき、王様に文官が連絡を入れたそうなのだが、その特徴の中に、髪が輝く銀の色をしていた、と言うのが含まれていたのを聞いたマテウス王は、アルギュロスという家名を送られたそうだ。まぁ街の名前は前領主のシールズのままなのだが、その貴族の家名を譲り受けたくはないので<悪名なので>、そのまま有り難く頂戴して、シールズという家名を即廃止し、これにより我が家はアルギュロス家を名乗ることにしたそうだ。うん、英断英断。で次に、風精霊の、
「神様~調べてきたよ~~」
元気よく笑顔で言ってくる返事と共に周りの地理、地形を概ね理解した。
まず街の真ん中の小高い丘の様なとこに、豪勢な屋敷がある<前領主が建てたものをそのまま戴いたもの>が、新しい我が家らしい。周りに貴族待遇の文官武官の屋敷が数十軒という処で、貴族地区はそれほど賑やかでもない。で、次にその周りを一周囲むように、街の民の家やお店並んでいるのだが。ここは広くて結構賑わってるそうだ。うむ、今度神眼で覗いてみるかな。と考える。
で、その周りを2メートル程の城壁が囲んでいるそうで、門が北西、東、南の3ヶ所にあるらしい。
まず、南の門の先にはヴィーゼと名の付く草原が広がっており、街との間には放牧地や農業用地が街の人間をある程度まかなえる規模であるそうな。<結構ひろそうだ>でその草原を超え馬車でとぼとぼ5~7日程行くと首都であるエスターレに行くそうな。<まぁ、早馬などなら、3日位だろうけど>
で、お次は東門でこちらを抜け馬車で3日程行くとメルゼールという海につく。そこにある街も同じ名前で、港街メルゼールだそうだ。<うむ、海産物か、ぜひ手に入れねば>この途中の一日位のとこに前にいたアーカイド村もある。
で、最後の北西の門なのだが、ここは特殊で冒険者や鉱夫がよく使うらしく、遠く北に見えるイファイアス山脈の麓が有数の鉱山地帯らしく鉱夫と運搬人が行きかい、その山脈の横から街の西にかけては、もう呆れるしかない程の、ラヒューレ大森林が広がっている。その名をきいたとき、神力を眼に集めみてみると、お~~、なつかしき世界樹があんなとこに、道理で精霊たちがすぐ駆けつけてくるはずだ。こんなに近かったとは。と、昔を懐かしんでみた。まぁ森の魔物などを狩って生活している冒険者も、この街には多いのだろう。なので、街の北西の方は気性の激しい者の住処が多いようだ。
とまあ、この辺が風精霊が調べてくれた、この辺の地理、地形というところかな。で、お次は、
「調べてまいりました」
落ち着いた雰囲気の土精霊からで、先ほどの報告と被ることも多いのだが、北のイファイアス山脈の手前の鉱山は、結構な鉱石の量を産出しているとのことだが、驚いたのはその先で、その山脈には竜族が住み着いていて、その真下辺りには、さらに貴重な鉱物が眠っているとの事だが、この山の竜は強すぎて、過去勇者でも退治できず、尚且つこちらから手出しをしなければ襲ってこないそうなので、放置されているそうだ。我が動けるようになったら、領地経営の為、貰い受けに行くかな。そう考えながらも、光と闇の精霊より街の民の噂などを聞いてみる。
「頑張ってしらべてきたよ~、かみさま~」
「聞いてきた」
ホワホワした感じと、無口な感じの両精霊は、概ね父上カインの領地経営を良心的に受け止めている噂を多く届けてくれていたので、これもまた安心できる内容であった。
「あぅ~ごめん、神様~~」
と、しょんぼり帰ってきたのが火の精霊で、串焼きやスープの露店など賑わっているお店もあるが、この世界、まだまだ凝った料理を出すお店は少ないそうだ。う~~む、それはとてつもなく残念なのだが、ま~時機を見て我が異世界料理をちょこちょこと小出しに、などと考えながら、報告をしてくれた精霊たちにお礼を言いつつ自由な時間を戯れながら過ごすのでした。
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うむ、え~と、水の精霊のファンの皆さま、すいませんな、忘れてる訳ではないのだよ。ちゃ~~んと、その少し前よりお仕事を頼んでおりましたとも。凄い重大任務、その名もお風呂大作戦。お風呂のない生活なんて嫌にきまっている、という事で、温泉にできるような水脈があるか探してもらっていたのだ。そしたらなんと、ご都合主義と申そうか、この小高い丘がちょうど水脈の真上なのだそうなので~、喋れるようになったら、一番に父上にいって、作る許可を貰おうと思うのだった。
そろそろ、成長させるかな?赤ちゃんでのやりのこしは?と言う感じですので、まだぼちぼちかなっ。