表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/163

セオス、情報を集め始める。

まだまだ、赤ちゃん状態。

 ふむ、千客万来だな。部屋中に一杯浮いている。


 この前尋ねてきた精霊が、同じ風精霊だけでなく、他の光精霊や闇精霊など色々引き連れてやってきている。あっちへフワフワ、こっちでもフワフワと部屋中を漂い我の周りを飛び回っている。まぁ、物理的に邪魔になる事はないので、いいのだが。


 うちの家族には精霊が見える者はいないらしく、今日何度か部屋に、母上も姉上も、メイドのエリーナも入ってはきたが、気付く素振りもなく行動していた。そこいら中無邪気に、騒がしく飛び回っているので、家族(特にあわただしい姉上)などは何度かぶつかっていたが、精霊がブツブツ苦情を言うのみで、向こうは気付いてもいなかった。まだまだベットから出れない我が身としては、その微笑ましい風景は心地の良い緩やかな時間だ。この緩やかな時間を使い今後の予定為、色々と調べておこうと思う。


「ばぶ~~、だぅ~~~、ばぅ~~、ばぶ~~?」

『お~~い、精霊たち~、暇な子は、いるかな?』


 遊んでいる精霊たちに、そう問いかけると、


「どの属性の子も暇な子いるよ~~」


 すぐにそう返事が返ってきたので、


「あぅ~、ばぶ~~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

『じゃあ、風精霊は周りの地理を、光と闇の精霊は人の噂などを陰から、地の精霊は近くで取れる作物や 鉱石を、火の精霊は美味しそうな料理を出すお店で料理を、調べてきてくれるかな?』


 まだ動けないので代わりにと、皆に頼むと、


「了解、りょうか~~い、ちょこっといって~~ひょいひょ~~いと調べてくるよ~」


 嫌がる事なく、即答で引き受けてくれて飛び出して行った。

 この領地を父上が収めているならば、いずれは必要になるであろう情報を、今のうちから調べておく事にする。そういえば父上は忙しいのか見かけないな? と思いながら、今日は耳に神力を集めて、家の中の会話を聞き集めてみた。すると仕事の話みたいなので執務室かな? から父上の声が聞こえてくる。


「エルネスト、文官の君から見ても、そう思えるかい」


 同じ部屋に居る男に、そう問か掛ける様な話声が聞こえてくる、どうもエルネストという方と会話中の様だ。


「ええ、カイン様、武官のアルフォンスも騎士団と共に街周辺の警護を、他の者に命じる位にして、本来はして欲しくはないのですが、領主自らが農地改良をし、そのうえで私が、前の領主の悪政で取り立てていた税を正常化しましたので、民も落ち着き、笑顔も増えてきていると思います」


「それは良かった、農作業の合間に話を聞いてても、遠慮して言えず、本心ではないのかも、とも思ったので心から街の皆が喜んでくれてるみたいなら、何よりだよ」


「王より紹介され、アルフォンスと共にこの地にきて、よかったと思っていますよ」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・


 そのような話が繰り広げられているところを見ると、父上もお仕事をとても頑張っておられるようだ。我も早く手伝える日が来るとよいのだが、まだまだ時間が必要そうだ。それにしても・・・・領地の件と言い、文官武官の件といい、王は何故に父上に?


 そこら辺の疑問の答えを精霊たちが調べてきてくれる事を、願うばかりだ。まぁ~我も地道に見て聞いてみる事にするが、いかんせんこの場より今暫し身動きできないからな~~~。そう思いながら、今度は母上の方に耳を傾けてみると、


「エリーナさん、すいません、何から何まで」


 遠慮するかのように話しかける声が聞こえ、


「いいえ~、奥様はセオス様の授乳のときだけは、さすがに動いてもらわないといけませんが、産後ですので、あとの事は私どもメイド達にお任せください。でないと奥様が、ここに来られた当時の様に、何でもなさいますので、私どもの仕事がなくなってしまいます」


 母上の話を聞いたメイドのエリーナの返事が聞こえてきた。ま~こちらは和気藹々の会話かな、と耳を澄ませていると、


「奥様、セオス様は少し変わってはおられませんか?」


 我の事を確認するような言葉が聞こえてくる。なので、なに~、我の何処が変だというのだ、聞き捨てならんぞ~~。などと、考えながらも、続きを聞いてみると、母上の、


「えっ、どこか変かしら?」


 首を傾げつつどこの辺がと問うように言う言葉の後に、エリーナは、

 

「え~と、悪い意味で変と言うのではなく、まず余り泣かれませんよね? 普通はかなり夜泣きなどするものなのに、それと用を足された時なども、普通なら不快感から泣き出すはずなのに、私に向かって、だぅ~、などと言われるのです、はじめの頃は何なのかと思いましたが、どうも不快な時に教えてくれてるみたいで、そう考えてみると~、まだ本能だけのはずの赤ちゃんが、立派に考えながら、もう普通に生活されてるみたいなので、あり得ない、みたいな感じを受けるのですが。奥様はそうは思われませんか?」


「う~ん、私は比べられるのが、子供はアイシャ一人なので、それが良いのか悪いのか、というのが、よく判らないわ」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 普段思っている事を二人して色々会話しているのが聞こえてきた。うむ~、我も人間の赤ちゃんの当たり前というのを、どれ位から如何するなど気に掛けた事もなかったので、知ろうとはしなかったが、変に思われていたとは、・・・・まぁ悪いことではないとも言っていたので、良しとして、今後出来る限り気を配るかな?まぁ我に赤ちゃんの振りを続けることは難しいかもしれんがなぁ~~。などと考えながらも、今後も情報を集めていこうと思い今日も過ごしていくのだった。


 


 

しばらく波乱などないボチボチの穏やか状態が続くとおもいます。(赤ちゃんなので)なのでつまらないかもしれませんがよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ