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神、姉と精霊に会う。

主人公の視点に戻りました。

バンッ~、、というけたましい音とともに、今世でできた姉が、

 

「ママ~、もう生まれたの? ね~生まれた?」


 部屋中に響きそうな掛け声とともに、ドアを壊すかという勢いで飛び込んできた。で母は笑顔で、


「ええアイシャ、夜中になったけど無事に生まれたわよ。あんまり騒がしくすると嫌われますよ」


 慌ててやってきた騒々しい娘に、そう優しく話しかけると、アイシャは声のトーンを落としながらも、


「あ~、もっと起きとけばよかった。いつの間にか寝てたもん。起こしてくれればよかったのに」


 頬を膨らましつつ、そう言いながら、近寄ってきて、じっとこちらを見つめてくると、


「わ~、ちっちゃ~~い、でも、かわいい~~」


 見た感想を表現など考えもせず、感じたままを言いながら、


「わたしがお姉さんですよ~、これからよろしくね~」


 優しい笑顔で生まれたばかりの弟に、そう話しかけてくれるのだった。で、我としても、姉との初顔合わせだ、気合を入れて、


「だぅ~」


 今の喉で出せる声と共に笑顔で答えてやった。すると姉も返事をしてくれたと、大喜びだ。うんうん、いい感じのコミュニケーションがとれたな、と我ながら自画自賛。そうこうしていると、母がアイシャに向かい、


「さあ、そろそろ、学園へ行く時間ですよ、弟に恥ずかしくない様、いっぱい学んできなさい」


 ここから離れようとしない娘をせかすように、言い聞かせていると、渋々という感じで、


「う~、頑張ってくるかなっ、帰ってきたらすぐに来るからまっててね~」


 名残惜しそうにそう言いながら、部屋から出て行った。母も見送る為か、自分の部屋で産後間もない為無理をしない様、休む為か、一緒に部屋から出る。ようやっと一人になれた時点で、色々な事を考えてみる。まずはこの家族を選んだ時点でわかっていた事だが、父上になった方が、カインという名で、なぜか男爵で領主になっている、これは動けるようになったら調べるとして、次は母上、セリナという名で只今産休中みたいだ。で、お次が、さっき初顔合わせをすませた、アイシャという名の姉上、でなぜか生まれたときにお産を手伝っていたとおぼしき、エリーナという名のメイドさん? 現在見かけたのはこの人達のみ。う~~む、この星に我の神力を中和する為に、母上のお腹にいた十ヶ月位の間に、なにがあったことやら。いざとなれば女神たる娘を呼びつけ問いただせばよいのだが、我儘で転生した手前、頻繁に呼ぶわけにもいかないので誰が何の為、どうした、という確信がもてたら、呼ぶことにしようと思う。そのような事を考えながら、窓の外を眺めていると、やはり、転生前に確認していた農村の風景とは違うようなのだ。なので我の全知全能<全てを知る力、全ての能力を使える力>の知の方の力の一部、眼に神力を集め遠くまで見通してみる。


 う~~ん、そこそこ大きな街ではあるみたいだが、どの辺の街なのであろう? 周りを見渡した後、そう考えながら、まぁ動けるようになったら調べるか、と神力を解除し、それでも窓の外をしばしぼっと眺めていると、ふよふよと、光の塊みたいなのが漂っている。もしやと思い神力をまた眼に込め、今度は遠くではなく、それ、を見てみると・・・・・・


 あっ、やっぱり神力に気付いて覗きにきたか、我にしか見えぬだろうが、などと思いつつ見つめてみる。そこには、きょろきょろ、うろうろと右往左往する風の精霊がいたのだった。


「だぅ~~」

『おい~~』


 相手が聞き散り易いよう、今度は声に神力を込め呼びかけると、やっとこちらに気付いたのか、窓の隙間より、慌てて入ってよってくる。


「神様~~、こんなところで、そんな姿でなにしてるの~~」


 そう訊ねてくるので、


「だぅ~~~ばぅぅ~~~~~、ばぅばぅ~~~~、だぁぅ~~~~~~~~~ばぅ~~~」

『色々な事を体験してみようと、転生してきたので、しばらくこの星にいるのでよろしくな』


 今の時点で考えていることを答えておいた。まぁ神力を声に込めているので、人間にはいざ知らず、精霊には通じてるようだ。


「じゃあ~、神様のことを知っている皆につたえておくよ~」


 返事とばかりにそう言ってきたので、


「だぅ~ばぅぅ~~~~~~~~~、ばぅばぅ~だぁぅ~~~~~~~~ばぅ~~~~~~~~~」

『精霊の仲間内だけにしといてくれ、他の者には動けるようになってからびっくりさせに行くから』


 悪い笑顔でそう告げると、精霊も、


「了解、りょうか~い、ちゃんと驚かしに来てね。じゃね~~」


 挨拶をそう言って済ますと、覗きつつ入ってきた窓より飛び出して行くのだった。過去、この星でとある事件のとき、ある種族に友としてあたえた精霊の一人だった。


 懐かしい者に会えたな。そう思いながらも、これから起こる色々な事を楽しみにしながら、今日という日を過ごすのだった。






 ・・・・・・・・・・・・・・・・

あ、名前を付けてもらってたというのに、精霊に伝え忘れたな・・・・セオス。それが我が名前。というか、この星ではどうかわからないが、他所ではセオスは<神>という意味の名なのだが。嬉しいのやらあまり変わらないやらで、期待通りとはいかなかったが、これまでなかった固有名称を持てたのだ、大いに前進と受け取ろう。でわでわ。



話がやっと進むかな?

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