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始まりの神の新たなる日常  作者: 月夜乃桜
プロローグ
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はじまり、はじまり

プロローグですので、飛ばしてもおkですです。

 混沌と矛盾の織り成す空間。ただただ広がり続ける果ての無い広大な点なる場所。いつからとも知れぬ悠久の過去より、見通せぬ先にある未来へと流れ続ける止まった時間。その抽象的事象が別々に存在する次元に奇跡が起きる。


 場所も時間も事象である為自我はなく、さりとて広がり続けようという、流れ続けようという意識は何故かある。だがそこに何者をも無く事象が故、認識もない。なので広がり続け、力を蓄えようと、広がり続けようとする意識がある”点のみ”が存在意義であり、過去より悠久の力を蓄え流れ続けても、何事も起こらぬ中で認識できる時は、”今”という一瞬だけだったのだ。お互い力を無限に蓄えつつも何も持たぬ状態と変わりなく、ただただ”在る”のみだった。そこに訪れた奇跡。別の次元でありながら、同じ次元にあった、違う事象であるが故認識していなかった二つの事象が”在る”点なる場所に今という時がぶつかり混ざり合い、蓄えしすべての力を使った結果、一つの命を生み出したのだ。

 

 その命、時と場所の力と意思を全て受け継ぎ、尚且つ確固たる全なる個故、その者が生れし時より成長と共に、時は時間を刻み始め、その命が目を開き見つめる空間すべてが広がりを持つ場所になっていった。その命は意思を受け継ぎ、何も無き空間を場所という認識できるものに変えて行き光と闇を創り出し、その身に時を刻み成長してゆく。だが混沌と矛盾の織り成す空間の為なのか、最初の存在故の持ちし力の為なのか、その命は”完全”すぎたのだ。望むべき事を全て叶える力は仇となる。その始まるべき世界にとって完全とは始まらぬことを指してしまった。なぜなら完全とはそこから先がない、終わりなのである。どれだけの空間を場所に変え、時を過ごそうと自己完結してしまい、その先へと進むべき道がない。完全に生まれた者は、意思を受け継ぎし心を閉ざし、深い眠りへと就こうとした。一旦膝を抱え闇の中、宙に漂う。だが継ぎし意思が眠る事をさせなかった、出来なかったのである。なぜなら心を閉ざそうとした瞬間、広げた場所も流れた時間も、無に還ろうとしてしまったのだ。継ぎし意思が思い止まらせ、さりとて意識を向けておくだけという使命にその命はこれから過ごすであろう永き時に自我を持つ故に、憤りを覚える。その時間で何をすべきなのか、自問自答を繰り返しつつ、更なる悠久の時を過ごし、同じ命が生れて来る事がないことを悟り、ついに、


 うむ、自然に生れ出でる事がないというのであれば、我と共に生きる者達を創り出そう! そう考え、指先を噛み切り、血を流すと、そこに少しの力を込めた息吹を吹きかけ、


「我と共に悠久を過ごす者よ、在れ」


 そう囁いた。するとコポコポと血の塊は沸き立ち、その命と同じ様な姿かたちの者が、一柱また一柱と誕生していく。そうして十二の兄弟姉妹が出終わると血と息吹は消え失せていた。皆膝をつきこちらに向け頭を下げた状態で待機している。なので、


「これから共に過ごす子達よ、よろしく頼む」


 そう告げた後、それぞれに名を与えていく。そうすると名を付けられた者達はその個別の名で自我を持ち、それぞれを別の者と認識するようになり、色々な特徴を持ち出した。それを眼にしたとき、やっと、あぁ、これで我も憤りの為、意識を内に向けずに、尚且つ切らすことなく外に向け続ける事が出来るであろう。この子達を見続ける限り。そう考え心を落ち着かせるのだった。


 それから暫くは、その子達の行動を楽しみにしつつ過ごしていたのだが、子供達も我が創りし、ただ一つの大地では飽きるようで、あっちへうろうろ、こっちへうろうろと慌ただしい。一人で過ごして来た時間を考えるに、それだけでも楽しく感じるのだが、更なる楽しみの為に、無限に広がる空間に、一つの共通する世界を作り上げ、手に力を集め、


「たゆまぬ命を繋ぎし、球よ宙に在れ」


 そう言って、星々を創り上げていき、


「さあ、我が子達よ、それぞれが思うまま、そが球を支え、次なる者を育むがいい」


 と声を掛け、一柱につき一つの星を我の力でなく、その者の込めた力で維持する様にして渡していった。そうすることにより、その星にその者の意思が根付き、その者の意思を酌む者が創れるからだ。星を貰いし子達はそれぞれの特徴を生かし、星を育むことに尽力していった。中には慌てふためいている者もいたが・・・・、まぁそれはそれで楽しい物だった。だが、我が血と息吹で創り上げた者達は、それこそ血がつながっている事もあり、我が大地を創りし時をもう一度見ているような感覚だったのだが、その中の一人だけは別で、最後に生まれ出でし末の妹の育てし星に面白きものが生れた。姿かたちは我らに似ているのに、まるで正反対の様に不完全なのだ。自己完結できず、望む物すべてを次につなげていく事で完全に近づこうとする。そんな生き物だった。それを見て我を思い返してみる。


 完全なるが故に行き詰まり、不完全なる故、先を見詰められるとは。面白い。ならば我は不完全を目指してみるのもいいかもしれんな。取り敢えず個としての名を貰い繋げる生というのを過ごしてみるか。ならば共に居るべき者達は・・・・それに力と思考も抑えんと・・・・などと考えつつ、その星を、その星を育む我が子と共に手出しを控えつつ、眺め続けるのだった。

取り敢えず本日の一話目はこれになってしまいましたです^-^;

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