第1話:俺の同居人は恥知らず
月曜日、制服に着替えた俺といつきはそろって学校へ行った。家には誰も居なくなるので鍵も掛けてある。
俺たちの通ってる学校、並木高校(通称:並校)は、生徒の自由を尊重するがモットーで、これといって厳しい校則とかがない。バイトもできればほかのこともほとんどオーケー、必死に家計をやりくりする家の状況を考えればこれほどイイところはない。そういう事も踏まえて、俺たちはココを選んだのだが、他にも理由はある。それは、
「いやー、それにしてもビックリしたよー。まさか春人くんがここの学校の理事長と知り合いだなんて」
隣りを歩いていたいつきが、意味ありげに笑いながら言う。俺は顔を向けないまま、
「正確には親父と理事長が友達で、昔家に理事長が来た時話ししただけだけどな」
なんでも俺が生まれるよりも前から二人は知り合いで、片方に困った事情ができた場合、もう片方がサポートしあっていた、と親父から聞いたことがある。居候娘であるいつきがこうして一緒に学校へ行けるのも、親父が理事長へ頼んだかららしい。いつかの手紙にそう書いてあった。
「お礼言わんといけないから、昼休みぐらいに理事長の所にいくか」
並校へ入学してから数日、俺は慣れたがいつきは転校生扱いになってる。そのため登校初日くらいは一緒に付き添おうと思ったのだが、
「ねえねえ春人くん、並校ってどんな所?謎の地底世界が広がっている、とか?はたまた夜中に謎の執行部とスパイ少女が日夜銃撃戦をしてるって噂があるとか!?教えてよー」
異様なまでにいつきのテンションが高すぎて、ウザったいことこの上ない。なんだか道行く生徒たちの視線がイタイ。
「おまえなぁ、少しは落ち着け。あとそんな世界やら噂は上級生からも聞いたことないぞ。話したこともないが」
そんな会話をしながら歩いていくと、目的地である並校が見えてきた。校門をくぐり、下駄箱で靴を履き替えてから、俺はいつきに向かって、
「じゃあ俺は教室に行くから、またHRのときにな」
いつきは元気よく手を挙げて、了解と言った。なんだか不安になりながらも、俺は自分の教室にいった。
昼休み、弁当を食べようとしてフタを開けた俺は、大きな溜め息をついた。それを見ていた隣りの男子、短髪の柏井佑樹は首を傾げつつ、
「どうしたよ木村、溜め息なんかついて?」
「いや、単に朝のHRの事を思い出してな」
佑樹も思い出した様にあぁ、と言ってから、
「アレかぁ、確かにすごっかたなぁ、オレとしては、多少、怒りが、込み上げてきましたが」
恨みが復活してきたような口調で佑樹が言う中で、俺の正面で購買のパンを食べながら、お調子者の渡部姫乃がイタズラの笑みをうかべながら、
「しょうがないっすよぉ、いつきちゃんが自己紹介の時にあんな事言っちゃったから」
その言葉を聞いて、朝の出来事が脳内再生される。
「みなさんはじめまして!坂本いつきって言います。現在そこに居る木村春人くん家で同居中ですっ!」
あの時の女子生徒の黄色い声援と男子生徒からの殺意に満ちた視線は、とてつもなくイヤだった。そして二つの事件の主犯者であるいつきは、悪びれた様子もなく、
「だって、そうしたほうがイイかなーと思って」
今度からはそう言う事も注意してほしいと思いながら弁当を食べ終えると俺は席を立ち上がり、
「よし、弁当も食べたし、いつき行くぞ」
「そういえば昼休みに行くんだっけ?りょーかーい」
そう言って立ち上がったいつきと一緒に、俺は教員棟の最上階にある理事長室に向かった。
いざっくです。今回は本格的なストーリー展開にしてみました。多分、恐く読み応えのある内容になってるハズです。・・・多分。
さて、ここで少し作品の紹介を。この物語は主人公、春人の視点で語られるコメディー作品です。主成分はコメディーですが、他にも学園/恋愛が含まれています。じゃあこれコメディーじゃないんじゃない?という人も居るかもしれませんが、このジャンルでいくしかないんです、強いられているんだ!(岩さん風)。
さてここで謝辞を、前回コメントをくださった、すてるす☆さん!今後キャラクターが増えていくかもですよ、乞うご期待!そして読んで下さった読者の方々、こんなヤローのつくった小説を読んで下さり、ありがとうございます!!今後共よろしくお願いします!