悔恨の残瀝
烏が死ぬような うそうそ時に
みなし子たちの蒼い唇踊り出す
鬱蒼たる深山の頂上で
水の消えた湖畔の辺で
目覚めない火山の島で
煙を噴き出す機械街で
何も見えぬ濃霧の中で
その音声 恨めしや
それは世に許されなかった
暗渠に滴る 悔恨の残瀝
千の夜を踊り明かせば
僕の名は「陰性」となる
千の夜を踊り過ごせば
私の名は「陽性」となる
億の夜を生きながらえば
僕も私も「中性」となる
地獄はあった
地獄はこの世 そのものだった
極楽もあった
極楽はあなた そのひとだった
いつ何がゆがんだのか
誰もが知りたがっているのに
誰にも知り得ない
億の夜を死に続ければ
僕も私も名無しのままだ
「本当は 何もせずに」
「生きながらにして死にながら」
「死にながらにして生きながら」
「昼も夜も ただ 眠り過ごしていたいのに」
音声:おんじょう 暗渠:あんきょ 残瀝:ざんれき です。
ひたすらネガティブ、な詩に仕上がりました。
down,down,down... という風ですね。
(たった今、自室に小さな蛾が紛れ込んできて、非常に参っております。どこかにいってしまって見つからない……。なぜだか私は虫に好かれる性質のようで 普通に顔面に飛びついてきたりされるので もう嫌……!
と、そんな状況下において生まれた詩でした)