表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/124

Episode:97

◇Tasha side


 ふと目が覚めた。

(……何時ですかね?)

 時計を探りながら考える。ただ窓の外を見る限り、いい加減日も暮れた頃のようだ。


 タシュアは普段ならこんな時間に寝たりしない。夜更かしはするが、基本的に昼は起きている。

 ただ、夕べは任務でほぼ徹夜だった。そして午前中までかけて事後処理も終わらせ、やっと学院へ戻ってきたのだ。そんな状況で、周囲に合わせて夜まで起きている趣味はなかった。


 起き上がる。

(どうしますか……)

 起き抜けなのもあって、もう少しだけ待ってから何か食べたい気がした。

 なんとはなしに魔視鏡を立ち上げる。

(何か来ていますかね?)


 昨今は魔視鏡のネットワーク網の発達が著しく、新しい魔令譜のお知らせなどが、登録をしておけば来るようになっている。

 その中には稀にだが興味深いものが混じっているため、タシュアはチェックを欠かさなかった。


 いつもどおりの手順で進めていく。が、今日は同じように行かなかった。どれだけ待っても、学外のネットワークに繋がらない。

 何かのエラーかと立ったまま2、3度命令を出しなおしてみたが、結果は同じだった。


(……ふむ)

 机の前に座って、本格的に操作を始める。


(こちらの経路は生きていますね)

 寮内は問題ないようだ。

 そのままひとつひとつ確かめていくと、ネットワークが生きているのは学内だけで、そこから外へが繋がらなかった。


(これはどうにもなりませんか)

 学内では問題がないところを見ると、自分の魔視鏡の問題ではないだろう。おそらくは学院と外とを繋ぐ、高位通話石の異常だ。さすがにその修理は、タシュアの手には余った。


 魔視鏡は一旦諦めて、少し考える。

 高位通話石は今や通信の要だ。何かの連絡をするときに、これを使わないということは殆どない。


 逆に言うとそれほど重要なため、複製を作り2つか3つセットで置くのが一般的だった。そうすればイザというとき、他が肩代わりできる。

 もちろん学院もこの仕様だ。なのに今は、そのバックアップさえも動いてない。異常事態と考えていいだろう。


(何が起こりましたかねぇ)

 念のために大剣を手にし、寮の外へ出てみる。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ