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Episode:63

「いちばんのベストは、人質の開放か……さてどうやるかな」

「先輩たちいないしね。せめてイマドかルーフェが居ればいいのに」

 学院長が寝耳に水って顔をした。


「あの2人が居ないのですか?」

「あ、イマドは居ます。けど教官たちと追っかけっこしてるみたいで」

 かなり盛大にやらかしてたみたいだから、今頃大捜索隊が出来てるかもしんない。


 ――掴まりゃしないだろうけど。


 何でかあいつ、人の心を逆手に取るのがメチャクチャ上手い。しかも「それなら」って逆を突くと、今度は斜め上方向の行動とってくるんだから手に負えやしない。

 今もきっと、教官たちを散々引っ張りまわしてきりきり舞いさせといて当人は寝てるとか、そんなことやってんだろう。


「けど、ルーフェはどこか分かんないもんね」

 心配そうに言うナティに、あたしも頷く。


「食堂で呼び出されて、それっきりだしね」

「そんなことになってましたか……」

 学院長が考え込みながら訊いてきた。


「ルーフェイアがいなくなったのが、いちばん最初ですか?」

「ですね。あの子が戻ってこないんで探してたら、この騒ぎになったんで。というか探してたおかげで、あたしら講堂に入らないで済んだんです」

 あの時もしいつもどおり寮にいたら、今頃整列して人質の仲間入りしてる。


「それは何時頃ですか?」

 あたしとナティは首をかしげた。


「正確には……みんなでおやつ食べてたんで、まぁ午後ですけど」

「だとすると、私が知らせを貰う前ですね」

 学院長の言葉からすると、ルーフェが拉致(?)されたのがいちばん最初だったらしい。


「それで、今も分からないのですか?」

 訊かれてあたしは答えた。


「見当もつかないです。イマドなら分かるんじゃないかと思って知らせましたけど、あいつ追っかけっこしてるくらいだから、まだ見つけてないかと」

 ナティと学院長が、2人して不思議そうな顔になった。


「シーモア、どうしてそれで、ルーフェが見つかってないってことになるの?」

「もしイマドがルーフェ見つけて組んでたら、今頃もっと大騒ぎだよ。ヘタすりゃ講堂開放されてる」

「なる……」


 ルーフェ1人だけでも相当の戦闘力だけど、イマドと組ませたら何倍もヤバイ。息がぴったり合ってる上に、得意な分野が互いに補完する格好だから、おっそろしいことになる。

 けどあたしが見る限り、今んとこイマドが教官を引っ張りまわしてるだけで、反撃してる雰囲気がない。だからたぶん、イマドはルーフェを見つけてない。




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