Episode:05
音を立てて、鉄格子の扉が閉まる。
――そういえば牢屋って、何で鉄格子なんだろう?
何故かそんな、つまらない疑問が頭に浮かんだ。
教官のほうはほっとした顔で、通話石でどこかに連絡してる。
「はい、ええ、確保しました。今は牢の中です」
学院内でふつうにおやつ食べてて「確保」なんて、やっぱり納得が行かなかった。これじゃ何だって理由になる。
教官の話は続いてて、耳をそばだてる。
「武器は持っていないようです。とりあえず大人しくしています」
いっそ暴れてみようか……とも思った。教官を巻き込むのさえ気にしなければ、このくらいどうにかなるはずだ。
話はまだ続いてた。
「え? あ、それはまだ……はい、言っておきます」
教官がこっちを向いた。通話が終わったらしい。
「言っておくが」
「はい」
きっと、言い忘れたのを指摘されてた件だろう。
「ここから出ようと思うな」
「……はい」
釘を刺して何の意味があるんだろうと思いながら、返事する。
「もし出たら、イマド=ザニエスが収監されると思え」
「え?」
頭が回らない。
あたしがあたし自身のことで収監されるなら、まだ分かる。けどイマドは関係ないはずだ。
「あの、どうして」
「お前が知る必要はない」
それだけ言って、教官は行ってしまった。
地下に独り、取り残される。
――どうしよう。
あたしは中を見回した。
よくある鉄格子に、錠前。残る三方はがっちりした石壁だ。
どういうわけか、天井はかなり高い。あたしの背丈の三倍以上あるだろう。そして天井近くに、明り取りらしい小窓があった。
「――セレスティアル・レイメント」
呪文を唱えて、石組みの壁に手を掛ける。
「……あれ?」
昇ろうとして、あたしは違和感に気づいた。魔法の威力がいつもより弱い。
これだと上まで昇るにしても、そう何度もは出来なそうだ。