Episode:15
「で、お前ら揃って何しに来たんだよ」
「いや、それがさ」
なんせ伝言の伝言。俺もよく分かってなかったりする。
「なんかシーモアとナティエスが言うには、午後ルーフェイアが教官に呼び出し食らったらしくて」
「あいつが? 何で」
「そこはオレもワカンネ」
分かってりゃ苦労しないし。
「ともかくさ、ルーちゃんが呼び出された後、行方不明なんだよ」
「またどっか、任務で行ったんじゃねーのか?」
イマドのヤツ、案外冷静だ。ルーフェイアに何かあったって聞いた瞬間、血相変えると思ったのに。
「それがさ、シーモアが言うには、ルーちゃん本当から出てないって」
「マジか、それ」
ここ来てやっと、イマドの顔色変わった。俺らじゃなくて、どっかあらぬ方向見て、何か考えてる。
「イマド、だいじょぶか?」
「……あいつが見つかんねー」
低いつぶやき。
「見つからないって、お前いつもルーフェイアの居場所、見つけてたよな?」
「ああ」
イマドの雰囲気が変わる。マジ怒ってる。こうなったら離れたほうがいい。てか離れないと巻き添え食らってヤバい。
「い、イマド、落ち着け、な?」
「るっせーな。お前らここに居ろよ」
完全にブチ切れてるし。
けどこれで、ルーフェイアになんかあったのは確定だ。んじゃなきゃ、イマドこんなに怒ったりしない。
ただいいのか悪いのか、ヴィオレイが相変わらずだった。
「イマド、とりあえず説明しろよ。ルーちゃんに何があったんだ?」
「分かんね。けど、アイツの気配がやたら薄いから、どっかヘンな場所に居るんだろな」
「ヘンな場所……?」
ヴィオレイと2人、首をかしげる。
そりゃ確かにこの学院古いから、妙なウワサになってる場所とかあるけど。でもイマドが言ってんのは、たぶんそーゆーのじゃないだろう。
「それってどこだ?」
「分かりゃ行くっての。ただなんか、おかしいんだよな。建物ン中じゃなくて、その下っつーか……」
「下?」
意味不明だ。ふつう建物の下なんて、床下だけだ。
けどいくらなんだって、そんなとこへは潜り込まないだろうし。