表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/124

Episode:115

「付くにしたって、ふつうこっちだと思うんだけどね」

「んーでも、あの先輩、いじわると毒舌で有名だし」


 ルーフェはいい人いい人言ってるけど、ぜーったいそんなことない。

 あの先輩けっこういじわる。すぐ周りやり込めて、やられたって人もいっぱい。

 だいいちルーフェだってしょっちゅう泣かされてるのに、なんであんなに懐くかな?


 まぁそういう先輩だから、副学院長についちゃうってのはありそうだけど……。でもひどい目に遭ってるのはこっちなの、分かんないのかな。


 とはいえ、あの先輩が敵に回っちゃったら、すっごく厄介だと思う。

 なにしろルーフェが言うんだから、実力は確か。もう3年くらい前だけど、ルーフェとイマドとタシュア先輩の3人組で、突入演習の最短記録も出してるし。


「あぁもう、どうしてこう面倒なことばっかり起こるかなー」

「こういうときは悪いほうへ転がる、っては言うけど、たまんないね」

 シーモアの言うとおり、ホントに八方ふさがり。


 ともかく副学院長を何とかしなきゃなんないわけだけど、どう見たって戦力不足。先輩たちがみーんな演習島だから、戦えるのなんてホントに数人ってとこ。


 対して教官は、なんだかんだ言ってもあたしたちの「先生」なわけで。

 筆記教科は別として、実技担当なんて言ったら、やっぱり手も足も出ない。ルーフェは別かもだけど。


 それからなんたって、集められちゃってるチビちゃんたちが足かせ。評判のことがあるからうっかりやれないとは思うけど、でも怪我したりしない範囲でひどい目に、っていうのは十分あり得るわけで。

 それを考えると、迂闊なこと出来ないもの。


 これに加えてタシュア先輩が向こうについちゃったとか……サイアク。


「ともかく、集まったほうがいいよね」

「そうですね。このままでは埒が明きません。せめてルーフェイアたちと合流して、策を練らないと」

 言いながら学院長が、わざわざ用意してたって方の通話石を手に取った。


「誰か居ればいいのですが……おぉ、カーコフ先生、これをお持ちでしたか」

 自分で自分が笑顔になるのが分かったり。

 だってカーコフ先生って、実技の先生。だから今は、演習島に行ってるはず。そこと連絡が取れたってことは、つまり演習島の先輩たちとも連絡取れたってこと。


「先生、状況は――おや、既にご存知とは」

 学院長がびっくりした顔してる。でもあたしももちろん驚いた。

 だって演習島とここって、連絡取れてなかったはず。なのにカーコフ先生、どうして知ってるんだろ?


「――なるほど、10年生のAクラスの子が知らせに行きましたか」

 話を横から聞いててまたびっくり。あの距離を知らせに行ったなんてすごい。


「ええ、私は何とか。そちらと同じAクラスの子が、助けてくれていますよ」

 学院長がニコニコしながら言う。褒められた感じがちょっと嬉しい。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ