表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/124

Episode:114

「この手があったね……」

「あるねぇ……」

「ありましたねぇ……まぁ実際に出来るかは、何とも言えませんが」


 学院長ったら、さすがに面白くなさそう。

 でも気持ちは分かるかも。あたしだって自分じゃ心配するだけなのに、自分より年下の子にあっさりお金で片付けられたら、すっごく微妙な気分になると思うもの。


「……どっちにしても、どうしてこんなことしたかは、副学院長に聞いてみたいよね」

 あたしが言ったら、学院長が頷いた。

「ええ。その辺りが分かれば、何か打開策があるかもしれません」


 学院長の言葉を聞いて、やっぱりいい人だなって思う。自分と学院をこんな目に遭わせてる副学院長のこと、まだ何とかしてあげようと思ってるんだもの。

 ――相談すれば、よかったのに。

 そうしたら何もこんなマネしなくったって、いい方法あったと思うんだけどな。


「何とかならんかね。副学院長だけ呼び出すとかさ」

「それで何とかなるなら、こうなってないんじゃないかなぁ」


 シーモアの言いたいこと分かるけど、ちょっと呼び出すのは無理そう。だいいちそれが出来たら、苦労して無いと思うし。

 それにしても、何かいい方法ないかな……。


「――娘さんのこと、確かめられないかね」

「うーん、本土まで行ければ出来ると思うけど」

 けどこの状態で、船出せるのかな? なんか無理そう。かといって通話石は今使えるかどうか分かんないし、仮に使えても他の教官に聞かれちゃうだろうし。


 正直八方ふさがり。けど必死に頭ひねって何か動かないと、このままじゃ絶対にジリ貧だし。

 そのときなんか通話石いじってた学院長が、小さく声を上げたの。


「どしたんです?」

「それが……どうもタシュア=リュウローンが、副学院長側に付いたと」

「え?」

 耳を疑う、ってこういうことだと思う。


 タシュア=リュウローンって、要するにルーフェが仲良し(?)のタシュア先輩。で、ルーフェが言うにはものっすごく強くてスキルも高いって。

 そんな人が向こうに付いたら……絶対まずい。


「学院長、それヤバくないですか?」

 シーモアの問いに学院長が頷いた。


「彼は案外面倒くさがりですが、何に興味を示すか分からないところがありますからねぇ。面白そうだと思ったのかもしれません」

「面白そうって……」

 教官に脅されたとか、お金積まれたとか、せめてそういう理由にしてほしいんだけど。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ