Episode:10
「――ここもハズレか」
案の定、調理室の中には誰も居なかった。
「こりゃ、本格的に探したほうがよさそうだね」
「うん。……あ、あたしちょっと、部屋戻ってルーフェの太刀持ってくる」
シーモアに言い置いて、一旦部屋に戻って。
あっちこっち探してる間に、すっかり日は落ちてた。もうすく真っ暗になっちゃうはず。
急いであたし部屋に戻って、ルーフェの太刀持って取って返した。
「ごめん、お待たせ」
「だいじょぶだよ。で、どこ行こうか」
シーモアと相談。そのときふっとあたし、思いついた。
「ねぇ、ルーフェとイマド、ホントに本島に居るよね?」
「居るんじゃないか? あーでも分かんないか。んじゃ船着場で訊いてみるかい?」
シーモアの提案で、桟橋まで行ってみて。
「ルーフェイアとイマド? いや、あの子たちは今日は見てないね」
それが答えだった。連絡船の人も桟橋の管理してる人も、誰も2人を見てないって言う。
「やっぱ本島の中か」
「でもどこだろ?」
部屋には居ないし、調理室も居ない。
――意外と、知らないんだ。
ルーフェのこともイマドのことも、ずっとクラスが一緒だから、結構知ってると思ってた。けどこうなってみると、どこにいるかさえ思いつかない。
なのに「知ってる」って思ってたことが、ちょっとショック。
「図書館、覗いてみる?」
「だね。イマドはともかく、ルーフェが居るかもしれないし」
また取って返して、今度は図書館へ。
ここも人がまばらだった。よく利用してる上級生たちが居ないから、どこもかしこも空いてる感じ。
ただ、思いがけない姿があった。
「アーマルにヴィオレイ? 珍しい、何してんのさ」
「あー、こいつの追試」
「言うなよ!」
話聞いて、なるほどと思ったり。アーマルって学科によって成績が極端で、だからAクラスの中じゃ成績下のほう。けどBクラスよりは出来るから、すっごい微妙な位置。そんなわけで、毎回追試で何とかクリアしてる。
「明日、最後の追試なんだってさ」
「なる。ところであんたら、イマド見なかったかい?」
シーモアが質問して。