↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
58/63

 終戦伝達班 ①

 集合時間の十七時半に成りました。

案内人を先頭に『終戦伝達班』の十組、三十人が次々と「マダンの陣地」に戻って来ました。


金田さん、徳丸部隊長代理、緒方軍医長と教会の神父の四人が長机の上に地図を広げ、報告を聞いています。


 「ご苦労サマ。また明日もよろしくお願いします。次、川口サン(元・上等兵)の班、どうでした」


川口さんが報告します。


 「はい。此処から西に十キロ程行った所に彷徨兵を二人を見ました」

 「居たッ?・・・」

 「はい。二人はジブン達を見ると、急いでジャングルの中に逃げて行きました。ジブンは、『待ってくれ!』と呼び止めたのですが・・・。彼等が逃げて行った方向に『戦争は終わったぞ』と全員で数回、叫びました。ですが受け入れてくれたかどうか」


金田さんが、


 「そうですか。・・・分かりました。他に兵隊に会ったと云う班は?」


片腕の梶田さんが長机の前に来て、


 「ジブンも見ました。山の東側です。しかし、やはりジブン達を見て逃げて行きました。ジブン達も大声で呼び止め、終戦を叫んだのですが信じてくれたか・・・。多分、彼等はジブン達を敵の『工作部隊』だと思っているのではないかと。軍服も軍帽も綺麗だし、彼等は痩せ細り見るに耐えない姿ですから」


梶田さんの話しを聞いて、教会の神父が緒方軍医長に小声で、


 「伝えたい事を紙に書き、あちこちの樹に貼り付けるのはどうでしようか」


と提案しました。

軍医長は天を睨んで、暫く何かを考え、伊藤衛生兵に、晒し(サラシ)と墨と筆を持って来る様に指示しました。

暫くして、伊藤衛生兵が晒し一反と墨、筆を長机の上に並べてました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。