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5 何事も計画的に

やけ食い。

地球でもあった世界共通文化。なはず。

日頃の溜まったストレスを過度な食事によって緩和させること。

やけ酒なんて文化もあったりする。

あんまり体には良くないけど、ストレス解消にはうってつけの方法だ。

何が言いたいかって?

私の大バカ者ッ!!

なーんであんなに宝石ばらまいちゃうかなぁ!?


街を脱出する際にばらまいた宝石。

正直テンション上がってノリと勢いに任せたとはいえ、量が多すぎたね!

あのクソ客からくすねてなかったら大赤字だったよ!!

それでも収支微プラスくらいだけど!

ついでに言うと、脱出したときに使った白砕石(はくさいせき)のコイン。

爆風コインと名付けました。

うーん、我ながらいいセンス。

シンプルイズベストなのですよ。

で、その爆風コイン。

脱出にはうってつけだってことがよく分かったけど、着地時はなにか用意しなくちゃいけないこともよく分かった。

用意しないとどうなるか?

盛大にコケますねぇ!!

すっごい痛かった!!

コイン爆風の比じゃないよ!!

私の服宝石加工用になってたからよかったけど!

そう、私の着てる服、かなり頑丈なのだ。

宝石……だいたい翡翠かな、を編み込んでいるからかなり頑丈。

ただ硬いって訳じゃなく、衝撃やら熱やらにもかなり強い。

なんなら魔法に対してだってある程度の耐性がある。

試してみる気はないけど、そこらへんの矢くらいなら刺さらないと思う。

私お手製の自慢の作業着なのだ。

それでも痛かったけどね!!

服は何一つ傷付いてなかったけど!

次からは着地時にもコイン投げよう、そうしよう。

きっと爆風で上手いこと着地できるはず。


そんなこんなで、やけ食い中です。

街を出る前に食料買いあさっててよかった。

お酒は飲まない。

というか飲めない。

無駄に高いしね、作業できなくなるからね。

月を肴に果実ジュースをがぶ飲みする。

ジュースって言っても、水魔宝石で出した水に果汁混ぜてるだけなんだけど。

それっぽさがあればいいのよ。

やっぱり宝石は偉大だ。

ちなみに月はふたつ。

いや、正式名称が月ってわけじゃないんだけど。

大きい方の星の周りをもう一つが回ってる感じ。

実にファンタジー。

星座とかも一週間すれば変わるし、なかなか飽きない。


ふぅ。

食べて飲んでスッキリしたし、今後の方針を考えよう。

まず現在の状況。

私はお尋ね者だ。

あんな感じで広告までしちゃったから、多分他の国に行っても警戒されてるはず。

犯罪者って大変。

基本は日陰の道を行こう……

ただ、その前に大きな問題がある。

宝石が、もうない。


何を言っているのかわからないと思うけど、私だってわかりたくない。

主に今朝の私が原因だね!!

私のおバカァッ!!

持ってる宝石ほぼ全部出してどーすんだよ!!

売るモンなくなるでしょうが!!

今私犯罪者なんだよ!?

正式な取引なんてできるわけねーじゃん!!


まあ、今宝石令のせいでそもそも正規の宝石取引はできないんだけどさ。

けど、今は加工前の原石すらほぼ無い。

ついでに言うと、今朝あれだけお世話になった白砕石(はくさいせき)も在庫の底が見えてる。

爆風コインも使い方によっては回収できないからね。

白砕石(はくさいせき)って何かと面白い使い方できるけど、その分消費もなかなか多い。

今朝はバンバン使っちゃったけど、ちょっと考えて使おう。

あ、あれ全部今朝ぶっつけ本番でした。

試す時間なかったし、うん。

成功したからよかったけど、失敗してたら普通にお縄だったね。

まあ私は成功させるけどな!

失敗なんてありえない!

……すごい綿密に工夫してたってのは内緒で。

まあ、すぐにどうこうってわけじゃないとは思うけど、早いうちになんとかしないと。


買ってきた地図を広げる。

大雑把な地形が描かれているだけだけど、方向さえ分かればいい。

私が住んでた街は真南。

まっすぐに北上してきた先に、さっきまでの街があった。

で、ここからさらに北上すると、かなり大きめの国がある。

名前は…「フランドリア王国」。

人も多いし栄えてるんだろうけど、ここは行きたくない。

国が大きければ大きいほど、警備も厳重になってるはず。

そんなところにノコノコ行ったら絶対捕まる。

今朝の感じを見るに、惨殺刑とか普通にありえそう。

怖い。

そんなこんなで、ここは却下で。


気になるのは、ここから西の方角にある「ネリネシス王国」。

王国ばっかりだね。

国ってだいたい王国になる定めなんですかね?

フランドリア王国ほどじゃないけど、そこそこ栄えてるみたい。

それに、ネリネシス王国は「タッケル山脈」なる山脈にあるらしい。

……あかん、地名多すぎて混乱してきた。

で、山脈にあるってことは、宝石とかも採掘してたはず。

そこなら、もしかして宝石を売ってもいいかもしれない。

それは無いとしても、元同業者たちと協力できるかもしれないしね。

あとは、道中にいくつか採掘場があるみたい。

多分王族専属のものになってるんだろうけど、行ってみる価値はある。

もし危なそうでも、その近くなら採掘もできるはず。

うん、決めた、ネリネシス王国に行こう。


さて、だいたい方針も決まったし、そろそろ寝ますか。

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