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2 宝石はいらんかね~?

はぁ。

足が重い。

心も重い。

懐は天にも昇る軽さ。

やっぱ私詩人になろうかな?

……はぁ。

どうも、元宝石屋です。

門番に見逃してもらった後、街を一回りしていろいろ訊いてみた。

どうやらこの大陸…「ディランダル大陸」っていうらしい…の国々で「宝石令」なるものができたらしい。

なんで知らなかったって?

私土地とか興味なかったし。

生まれた街で生涯を終えると思ってたからね、うん。

あんな法令なんてなかったからさ。

おのれ祖国。


で、宝石令について。

ざっくり言うと「王族貴族以外は宝石を使用、売買することはできない」ってことらしい。

門番が言ってたこととだいたい同じだね。

ということは、どこの国に行こうが平民の私は宝石を売れない。

私詰んだ?

ついでに、宝石自体を持ってるだけでも犯罪らしい。

さらには研磨道具とかもアウト。

つまり、今の私は犯罪者。

私詰んだ?

ていうかおかしくない?

王族頭沸いてんじゃないの?

宝石って生活必需品なんですけど?


宝石っていうのは魔力の結晶。

って言うと語弊があるんだけど、この世界の力を蓄えた石。

魔法を使ったり、魔力を扱ったりするには宝石が必須。

魔法使いなんて職業も、宝石なしじゃ実現できっこない。

それ以外にも、宝石は人々の生活と密接してる。

その宝石を王族たちのものにする、なんてことありえるの?

それがありえるんです!

ざけんなよクソッ!!


はー、どうしたもんか。

せっかく工房継いで安定してきたっていうのに、まさかこんなことになるなんて。

先月くしゃみでぽっくり逝った師匠も浮かばれないよ。

……まさかこれを見越して逝きやがった!?

おのれ師匠ッ、貴様もか!?

めんどい状況読んで先に逝きやがったのか!?

……あほらし。


街中をぶらぶら歩く。

持ち物検査されたら一発アウトだけど、まあなんとかなるでしょ。

この大陸、この街みたいに1つの街が自治組織みたいになってるから。

この街は比較的安定した土地にあって、そんなにガッツリ検問されることもなかった。

よく考えたら、私が住んでたのも1つの街なんだよね。

国って言い方してたけど、正確には自治組織っていうか……

……ダメだ、頭パンクする。

私政治とか興味ないから。

どうでもいいね、そうだね。うん。

この街の名前どころか、住んでた街の名前も知らないし。

というか最近物忘れが激しい気がする。

多分あれだ、ショックが大きすぎるとかえって冷静になるやつ。

あー、誰か宝石ポンと買ってくれる人いないかなー。


「今、あんた宝石って言ったか」


ファッ!?

やばッ今声出てた!?

私知らないよー!

犯罪者なんかじゃないよー!

背後から伸びた手ががっちり私の肩を掴む。

めちゃくちゃ力強い。


「あんた、宝石持ってるんだよな?」

「あぁぁぁすみませんごめんなさい許してください何でもしますから!」

「俺に売ってくれないか!?」


はい?


「え?」

「持ってんだろ!?金ならいくらでも出す!」


え、いや、え?

いやいやいや、待って待って?

宝石買っちゃダメなんじゃないの?

犯罪者になるんよ?

現在進行形で犯罪者な私が言っても説得力ないけど。


「あんな法令知るかよ!魔法抜きで魔法使いが名乗れるかってんだ!」


あ、あなた魔法使いなんですね。

見た目ゴリゴリの戦士だから全く分からなかったよ。

改めて相手を見定める。

大柄かつガタイのいい、何度も言うけど間違いなく戦士な体つき。

日に焼けた肌がさらに戦士感を増してます。

ただ、よく見れば杖も腰帯に差してるし、言う通り魔法使いなんでしょう。

イメージ湧かないけど。

そして着目すべきは手!

宝石……魔宝石の指輪がぶっとい指にゴテゴテと。

どれもこれもかなりの業物……宝石でも業物って使っていいの?いいか。

ただセンス悪ッ……ごほん、ともかくなかなかいい装備じゃないか。

金持ってるよ、この方。

これは商売チャンスやもしれぬ!

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