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転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は青春を謳歌する

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ダブルデートをしましょう



「で、どんな感じでした!?」


「どうと言われてもな……」


 鍵沼とあいにそれぞれ話を聞いた俺は、妙に興奮した様子のさなに詰め寄られていた。

 こうも近いと、なんだかいいにおいがする。それを本人に言うことはしない。以前の俺なら言っていただろうが……親しき中にも礼儀ありだ、などとあいに注意されたのだ。


 まあ、それはさておきだ。


「さなは、あいが鍵沼に気があるんじゃないか……と勘ぐっているんだったな」


「はい」


 なぜそのように思ったのかは、女の勘だそうだ。

 これまで他人の恋愛ごとにそこまで興味はなかったらしいが、どうやら俺と付き合うようになってから、そのあたり以前よりよく見るようになったらしい。


 それはいい。さなのやりたいことなら、俺も存分に付き合うさ。今回、わざわざ俺が二人から話を聞いたのも、さなから話しかけたのではぼろが出そうだと感じたからだ。


「話を聞いた限りだと、なんとも言えないな。少なくとも、鍵沼からあいへの気持ちは……あくまでも、幼馴染のそれだ」


「そうですか……」


 というか、あいのいたずらが過激すぎて、若干鍵沼のトラウマになっているような気がせんでもない。

 その上、あいにはそれは単なるお遊びの延長だという認識なのが、質が悪い。


 むしろ、あれだけのことをされて付き合いを続けている鍵沼の株が若干上がったくらいだ。若干な。


「そうだ!」


「おぉ、どうした」


 いきなり大声を上げるさな。そんな姿もかわいいが、さすがにいきなりだと驚くので、ちょっと抑えてほしい。

 当のさなは、キラキラした目で俺を見ている。なんだその目は、俺をこれ以上好きにさせるつもりか?


 さなは名案、とばかりに指を立てる。


「ダブルデート、しましょう!」


「だぶる……」


 デート……だぶる、ダブル……ダブルデートか。

 聞いたことがあるな。単なるデートではなく、二組のカップルが一緒にデートをすることを、そう呼ぶと。


 この場合、俺とさなは当然として。二組目は、鍵沼とあいということか。

 まだこの二人は、カップルになってはいないとはいえ、だからデートをしてはならない、とはならないだろう。


「ダブルデートか……」


「いい案だと思いませんか!」


 確かに……あの二人をどう扱うにしても、一度はきちんと話し合う機会を設けるべきだろう。

 だが、あの二人だけでどこかに出かけるなんて……そんな光景は、想像できない。だからこその、ダブルデートか。


 この四人で出かけるとなれば、あいも鍵沼も、拒否はしないだろうしな。


「俺としては、さなと二人でのデートも捨てがたいがな」


「そ、それはまた今度……」


 途端に、さなは顔を赤らめる。あれだけウキウキでダブルデートと口にしたのに、俺との二人きりのデートは恥ずかしがっているのか……

 かわいいやつめ。


 さなとは、恋人同士になってからはまだ、デートはしていない。

 恋人同士になる前となった後で、なにが変わるかはわからないが……それでも、気持ちが以前と違うのは、間違いない。


 まあ、今回は仕方ない。さなとのデートは、またしっかりと計画を立てて、だ。


「じゃあ、二人にはそれとなく、週末にでも出かけると伝えるか?」


「そうしましょう!」


 さて、こちらはこれでいいとして……鍵沼に関して、放っておけない問題がある。

 あいつに想いを寄せている人物のことだ。小鳥遊は、なぜか鍵沼を異性として好いている。その小鳥遊がいる前で、あまりあいに肩入れはできない。


 まあ、あいが鍵沼を、というのもさなの考えではあるが。

 ただ、それが本当の場合、俺はどうするべきか。感情的な問題としては、付き合いの長いあい……なにより、さなの友人だしあいに協力したい。

 だが、先に協力を頼まれたのは小鳥遊だ。正確には、小鳥遊の友人である闇野に、ではあるが。先に頼まれた以上、こちらも無下にはできない。


 うーむ……どうしたものだろうか。


「? どうしました、光矢くん」


 考え込んでいる俺を見て、さなが不思議そうに首を傾げている。

 おっと、いかんいかん。あんまり黙り込んでいたら、さなに不審がられてしまう。


 さなは、というか俺と闇野以外は小鳥遊の気持ちは知らない。まあ、小鳥遊と鍵沼のデートを尾行していたあいは、察しているかもしれないが。

 そして、小鳥遊はこの話を誰彼とバラされたくはないだろう。


 ならば俺も、この話を自分の中に留めておく。いくらさなでも、話すわけにはいかない。


「いや……ダブルデート、行くならどこがいいかと、思ってな」


「わぁ、もう考えてくれてるんですね!」


 ……さなに嘘をつくのが、こんなにも心苦しいとは。しかも、それを素直に信じている。

 余計に心苦しい。


 とはいえ、これも考えねばならないことだ。ダブルデートの行動予定。

 ……よし、一旦小鳥遊のことは忘れて、今はこちらに集中しよう。せっかくのさなの提案なんだからな。

 すまん、小鳥遊。


「となれば早速、二人にも話を通すとするか」


「はい! もちろん、ダブルデートであることは内密に!」


 さなのやつ、やけにノリノリだな。

 まあ、なんにせよあのさなが、自らデートをしようなどと……以前はあいの後押しがあったが、今回はそうではない。


 それだけ、さなも俺との付き合いに積極的になろうとしてくれているのだろう。

 であれば、俺もそれに応えないわけにはいかない。


 今度のダブルデート。あいと鍵沼の関係修復はもちろんのことだが……

 無論、それだけで終わるつもりはない。俺は俺で、さなとのデートを存分に楽しませてもらうし、さなにも楽しんでもらう!

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