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転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は青春を謳歌する

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あいとりゅーちゃん



「鍵沼。お前はあいとは幼馴染というやつなんだったな」


「……真尾から話しかけてくれて嬉しい、と思ったら、なんだよいきなり」


 さなから、あいの気持ち(推定)を聞いた翌日。教室にて、俺は鍵沼に声をかけていた。

 普段は、鍵沼から俺に話しかけてくる。だからだろうか、鍵沼は若干嬉しそうな表情を浮かべていた。


 しかし、話の内容に、鍵沼はあからさまに複雑そうな表情へと変化した。


「あぁ、まあ腐れ縁だよ。幼稚園のころからな。

 でも、なんだよいきなり?」


「いや、少し気になってな」


 さなの勘が正しいなら、あいは鍵沼を意識しているということになる。無自覚に。

 ならば、その逆……鍵沼は、あいのことをどう思っているのか。その確認をする。


 まあ、わざわざ確認するまでもなく、普段の様子を見れば察しはつくのだが……


「普段のお前たちを見ていて思ったんだが、昔からああだったのか?」


 それとなく、聞いてみることとする。


「昔ねぇ……あんま思い出したくねぇな」


 しかし、なぜか鍵沼は渋い表情。


「と、いうと?」


「あいつに振り回されてたからな。

 だからあんま、好きになれないんだよなー」


 …………ウソだろ、ウソだよなそれは。


「あ、信じてないな!」


 あ、顔に出ていたか……

 しかし、鍵沼があいを振り回していた、ならわかるが……その逆とは……


「正直想像がつかん」


「ま、今のあいつを見てたらそうかもな。

 あいつ、昔はかなりのやんちゃだったんだぜ。それはもう今がかわいいくらいだ」


 ほほぉ……例えとはいえ、あの鍵沼があいをかわいい、と表現するとは。

 そして鍵沼にそう言わせるほどやんちゃっていうのは、どんなだったんだ昔のあい。


 そんな俺の気持ちを察したのか、鍵沼はにやりと笑みを浮かべた。


「よし、お前にも教えてやるよ。昔のあいつがどんだけむちゃくちゃだったかを」


「ほぅ、頼む」


 なかなかに興味深い。さなの昔の話ならばもっと興味深かったが……

 あいもあいで、なかなか個性的な性格をしているからな。彼女の昔の話というのは、聞いてみたいものだ。


「あれは、俺とあいつが知り合ってしばらくのことだ。

 公園で遊んでたら、あいつが遊びに混ぜてって現れたんだ。風船持って」


「なんで風船」


「知らね」



『あ、りゅーちゃんだー! ねー、いっしょにあそぼー!』



「待て待て待て」


「なに」


 あんまり思い出したくないと言いつつ、どこか懐かしげな表情を浮かべる鍵沼は回想に入ろうとする。

 それを、一旦止める。


「りゅーちゃんって誰だ」


 その、知らない名前……あだ名か……に、俺は首を傾げる。


「俺だよ」


 俺だ、と鍵沼は、自分を指さした。

 その仕草に、なにを言っているんだと思うが……そうか。


 こいつ、流水って名前だったな。


「りゅうすいだからりゅーちゃんか」


「そ。話し続けてオーケー?」


「オーケー」



『わぁあん! ふーせん木にひっかかっちゃった! りゅーちゃんとって! ぼくのふーせん!』


『よぉし!

 ……うぅ、のぼりきれない……』


『もー! なにやってんの! 風でとんでっちゃった! りゅーちゃんのばかー!』


『やめてよー、石なげないでよー! おりられないよー!』



「それ以来俺は、木登りができなくなった」


「……」


 木に引っかかった風船を取るために登った鍵沼、しかし園児の力で登れるはずもなく。

 そうこうしているうちに風船は風にさらわれて。怒ったあいは下から石を投げたと。鍵沼は降りられないし、ケツは痛いし。


 散々だが、とはいえ木登りなんてそうそうするもんでもないし……


「かわいい思い出じゃないか」


「言ったな!

 じゃあ、この話ならどうだ!」


 やんちゃというには予想していたが、やはりあいの話はまだまだあるらしい。

 というか、今の話だとあいにあまりやんちゃ要素なかったしな。


 そして、再び鍵沼は語り始める。


「あれは、小学校のとき。休日家でのんびりしていたんだ」



『りゅーちゃーん! あーそーぽー!』


『いいよー。なにするのー?』


『きのぼり! きのぼりしよ!』


『え、やだよ』


『いいからいくのー!』



「そして俺は、トラウマになった木登りに挑戦させられた」


「……」



『てっぺんまではやくのぼったほうが勝ちね!』


『えぇえ……』


『じゃあ、よーいどん!

 そりゃ! ……えい、えい!』


『わ、やめてよあいちゃん! 蹴らないでよ! 落ちちゃうよ!』


『キャハハハ! わーい、ぼくが一番だ!』



「あいつは、木を登ろうとする俺を足蹴にして、自分だけてっぺんに登りやがった。

 しかも、自分は難なく降りて、木にしがみついたままの俺のケツを木の枝で突いてやがった」


 ぎりり、と怒りの表情で、鍵沼は過去を思い出している。

 一緒に遊ぶほどに仲が良かったようだが、その遊びの内容にご立腹らしい。


 しかも、こんなもんじゃ終わらない。


「他にもあいつは、プレゼントだっつって渡してきた箱の中にゴキブリを入れてやがったり、面白いものがあるって呼び寄せた先に手掴みで蛇をけしかけてきたり、バレンタインだってくれたチョコの中身に唐辛子たっぷり入れてたり!」


「虫の場合はおもちゃだってかわいいオチだろ?」


「本物だよ!」


 これが、嘘とも思えないし……あいのやつ、本当にこんなことをしていたのか。ならば鍵沼の対応がああなるのも仕方ないと思うが。

 というか、鍵沼も鍵沼で、よくもまあ付き合いを続けているものだ。


 子供のイタズラ……と済ませられれば、いいのだが。そうできていないから、こうなっているのだろう。

 あいはとんでもないハチャメチャな子供だったようだ。


 これは……あい本人にも、話を聞いたほうがいいのか?

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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