表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は友達を作る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/114

未知の感情



「で、どんな感じよ最近」


「……ん?」


 ある日の休憩時間。隣に座る鍵沼が、いきなり聞いてきた。

 以前席替えがあったとき、その結果としてさなと隣同士にはなれなかった。


 それだけでも残念なのに、隣になってしまったのは鍵沼だ。

 そのため、こうして時間を見つけてはちょいちょい話しかけられる。


「いろいろだよ、いろいろ。

 たとえばほら、写真部に入ったっていう、新入部員のこととかさ」


「あー」


 とにかくこいつは、なにか話をしていないと気が済まないのだろうか。


 写真部に入部した、新入部員……小鳥遊のことは、鍵沼にも話してある。

 わざわざ話すまでもない内容ではあるが、新入部員の存在を明かすことで、鍵沼にも興味を抱かせるためだ。


 その小鳥遊と鍵沼は、まだ対面してはいない。俺としては、別にすぐに引き合わせてもいいのだが……

 小鳥遊曰く、まだ心の準備が出来ていない、とのこと。


「静海も言ってたが、かわいい子なんだって?

 今度紹介してくれよー」


「そのうちな」


 鍵沼の方から興味を抱いてくれるのは、ありがたい。手間が省ける。

 ま、あとは小鳥遊の心の問題なわけだ。


 闇野とは、あれからもちょくちょくと連絡を取っている。

 友達を任せた以上、最後まで見守る責任があるとのことだ。


 とはいえ、俺と闇野は別のクラス。

 それが、ちょくちょく会っていたら周囲にあらぬ誤解を持たれる、ということで……



『はぁ、不本意……ほんっっっとうに不本意だけど、連絡先を交換しましょう。

 それならいちいち会わなくて済むし、顔も見なくていい。

 ただし! 電話とかはなし、文章だけのやり取りだから!』



 とのことだ。

 俺としては、別にどっちでもよかったが……


 以前、あいに言われたことがある。



『あんまり小鳥遊さんにばっか構ってると、さなちゃん嫉妬しちゃうかもよ~?』


『し、しません!』



 いたずらっ子のような笑みを浮かべて、最近小鳥遊とよく話しているらしい俺に……俺は自覚がないが……あいが、釘をさすように言ってきたのだ。

 どうやら、他の女と話していると、さなが嫉妬するらしい。


 嫉妬、というものの感情はよくわからないし、本当にさなが嫉妬するのかという疑問もあるが……

 嫉妬させない、に越したことはないからな。


「おーい、真尾聞いてる?」


「……なぁ鍵沼。嫉妬ってどんなもんかわかるか」


「おぉ、どうした藪から棒に。

 でも真尾が俺になんか聞くなんて珍しいな、こりゃ明日は雨……」


「知らないならいい」


「おぃい、知ってる! 知ってるから! 見切りつけないで!」


 席を立とうとする俺を、鍵沼は必死に引き止める。

 まったく、知ってるならさっさと教えればいいのに。


 座り直した俺を確認すると、鍵沼はこほんと咳払いする。


「嫉妬ってのはまあ……やきもちを焼くってことだな。

 気になる日とが、別のやつと仲良くしてたら心がモヤモヤする……

 それが、嫉妬だな」


「モヤモヤ……」


 嫉妬という単語を調べてみたら、似たような言葉は出てきた。

 だが、知識だけ知っても、実際にその感情を理解できるか、と言われると……


 ……どんな気持ちだ?


「たとえば、そうだな……如月さんが、お前以外の男と仲良くしているのを想像してみろ。

 それも、お前がいないところで、ふたりきりで」


「さなが……」


 鍵沼の指摘に、俺は思考を進める。

 さなが、俺以外の男を……たとえば鍵沼と、仲良くしてる姿。


 いつも、俺とさなとあいと、鍵沼で集まっていることが多い。

 だが、そこにいるのはさなと鍵沼だけ……それも、俺に内緒で二人で会っている……


 ……


 …………


「どうだ?」


「あぁ、とりあえず殴っていい?」


「なんで!?」


 いかんいかん、今のはただの想像だ。実際にそんなことが起こっているわけではない。

 しかし、そうか……確かに、モヤモヤするな。


「ったく。どうせ俺と如月さんがふたりきりの状況を想像したんだろ?

 ま、そんとき感じたモヤモヤが、嫉妬ってやつだ」


「これが……」


 なるほど、いい気はしないな……これが、嫉妬か。

 これは、さなが気になる相手だから起こる現象か。

 試しに、あいと鍵沼で想像したら、モヤモヤは怒らなかった。


 ふむ……そうか……



『あんまり小鳥遊さんにばっか構ってると、さなちゃん嫉妬しちゃうかもよ~?』



 もし、これが本当だとしたら……さなも、俺を意識して見る存在として認識してくれている?

 ……いやいや、そう考えるには早計だな。


 あいの冗談かもしれないし、そもそも告白してきた相手ならば多少なり意識して、当然だろう。


「それにしても、いきなりそんなこと聞いてきて、どうしたんだよ」


「なんでもない」


「なんだよー、せっかく教えてやったのによー」


 口を尖らせる鍵沼をよそに、俺は次の授業の準備を進める。

 最中、視線を向かわせるのは……


 ……隣の席のあいと、楽しそうに話すさなの姿。

 さなもまた、あいと隣同士の席になっていた。


 楽しそうなさなを見ていると、胸があたたかくなる。


「まーた如月さん見てら」


「……なんでわかった」


「わかるっての」


 そんなに、わかりやすかっただろうか俺は……

 あまりわかりやすいのも、困りものだな。


 さなが俺に嫉妬しているか、はともかく……その逆は、大いにあり得るな。

 嫉妬深い男は嫌われる、ともあいに言われたし、自重せねばな。


 さなに告白して、まだ二ヶ月と経っていない……なのに、感情はどんどん膨らむばかりだ。

 苦しくもあり……そしてどこか、心地よくもある。


 自分でも、未知の感情から始まったこの高校生活……悪くない、ものだな。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ