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転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は友達を作る

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転生の謎



 魔王であった俺は、『勇者』に殺され、この世界に転生した。

 『勇者』は、俺を殺してからも何十年と生き……天寿を全うした後、この世界に転生した。


 ……なぜ、死んだ時期が何十年とずれているのに、今同じ年代の姿で、存在しているんだ。


「どういう、ことだ……?」


「こっちが聞きたいわ。

 あなたからは、魔王の気配を感じた。魔王にも、私と同じ転生の現象が起きたのなら、この世界に居ても不思議じゃない。

 ……けれど、私が死んだより何十年も前に死んでいるあなたが、居る理由がわからない」


 この女も、それが謎だったのか。

 俺を観察していたのは、俺が魔王か判ずる以上に、時期のずれをきにしていたのだろう。


「そもそも、人間であるお前に転生魔術は……」


「『勇者』ならある程度の魔術なら使えるわ。けど転生は無理。

 それ以前に、私は人生に満足していたもの。転生する意味もない」


 こいつ……ちょくちょく、俺のことを精神的につついてきやがる。

 まあ、今は我慢だ。


 時期のずれ、それになぜ転生したのか、か。


「……一応聞いておくけど、実はあんたは何十年も前に転生していて、体の成長を止めたままってのは……」


「そんなことするか」


 実は俺は何十年も前に転生していて、肉体の成長を止めたまま時を過ごす……そうすれば、時期のずれがあったとしても、『勇者』が転生してきたのと同じ年代で現れることができる。


 確かに、そう考えれば辻褄は合うし、できないこともない。

 だが、そんなことするメリットがない。


「第一、俺はお前が転生してきたのも、今日知ったんだ」


「そう言って、実は私の転生もあんたが仕掛けてたり……」


「できるか」


 いかに俺が『魔王』とはいえ、死後何十年を経て他者に転生魔術を発動させるなんて、できるはずもない。

 それに、そうしてまで再び『勇者』と会いたい理由が俺にはない。


 俺の答えに、『勇者』はため息を漏らした。


「そっか……ま、予想はしてたけど」


「なら聞くなよ」


「いや、嫌がらせで転生させられたんじゃたまったもんじゃないし」


 ……それにしても、この女……


「少し、変わったか?」


「ん?」


 変わった、というほど、俺はこの女を知らない。

 会えば問答無用で、殺し合いだったしな。


 だが、以前のこいつは……俺と、対話を成立させようだなんて、考えてもいなかったはずだ。


「ま、あなたも私も、一度は死んでる人間だもの。まして、ここは私達のいたのとは別の世界

 今更、勇者だ魔王だっていがみ合う気もないわ。

 ……もっとも、そっちがそのつもりなら、相手になるけど?」


「……いや、俺も同意見だ」


 こいつの言うことは、もっともだ。

 すでに終わり、そして新しく始まった人生……


 以前の遺恨を、未だ引っ張るつもりはない。


「とはいえ」


 ビシッ、と、『勇者』は俺に指を突きつける。


「あなたが『魔王』で、私が『勇者』だったことに変わりはない。

 過去の遺恨を引っ張るつもりはないけど、今は別。

 もしあなたが悪いことを考えているようなら、私は全力で阻止するわ」


「……相変わらずの正義心なことで」


「それに、あなたと馴れ合うつもりもないから」


 あくまで、過去の遺恨は精算するが、今は別、か。

 もう『勇者』でも『魔王』でもないのだから、仲良くいこう、とはいかないらしい。


 もっとも、俺も自分を殺した相手と、好んで仲良くしようとは思わないが。

 この女の言葉に、異論はない。


 ……さて、確認したいことも済んだし、そろそろ戻ったほうがいいだろうな。


「それと」


 足を動かそうとしていたところへ、『勇者』が声をかけてくる。

 まだなにかあるのだろうかと、俺は足を止める。


「……闇野 遊子(あんの ゆうし)


「ん?」


「私の名前!

 あなたと関わるつもりはないけど、名前知らないからって『勇者』って呼ばれたらたまったもんじゃないわ」


「別にそんなヘマはしないが……」


 そういえば、こいつと一対一で対決したときも……聞いてもいないのに、名乗りを上げていたな。

 俺の話は聞かなかったのに、変に律儀というかなんというか。


「そうか、ゆう……」


「あなたに名前で呼ばれたくない、寒気がするわ」


 ……ならフルネームを名乗らなくてもよかろうに。


「じゃあ、闇野、か。

 ちなみに、どう漢字を書くんだ?」


「……」


 なぜか、『勇者』もとい闇野は押し黙る。

 なにか変なことを聞いただろうか?


 それから、視線をそらし、まるで言いたくないものを口にするように……

 いやまるでもなにも、まんまそのまま、口にする。


「闇に野原で、闇野……」


「……ぶふっ」


 俺は、思わず吹き出してしまった。

 みるみる、闇野の顔が赤くなっていく。


「や、闇……ゆ、勇者が、闇か……ぷははは!」


「う、うるさいわね! 私だって腹立たしく思ってんのよ!

 だいたい、あんたが魔王なのに光矢なのもそれ以上に腹立ってんのよ!」


「ははは……

 俺の名前、知ってたのか?」


「不本意ながらね。魔王の可能性があるあんたのことは、可能な限り調べたわ」


 なんだこいつ、怖いな……

 調べたって、まさかストーカー的なことをしていないだろうな。


 それを知ってか知らずか、闇野は俺を睨みつける。


「だから、あなたが如月って女の子に告白したのも知ってる」


「……」


「いったいなにを考えているのか知らないけど。

 もし、あの子に危害を加えるつもりなら……」


 本当にこいつ、俺のことを調べているのか。

 いやまあ、告白については結構な噂にはなっているらしいが。


 こいつは、俺がさなに告白したのは裏があり、俺がなにか企んでいるんじゃないかと、考えているのか。


 そんな心配は、まったくの杞憂なのだがな。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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