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転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は青春を謳歌する

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カラオケルームの四人



 俺たちは、カラオケルームへと入った。俺にとっては、人生初のカラオケだ。

 俺以外のメンバーだと、カラオケを一番利用するのがあい、次に鍵沼。そしてさなはあまり来たことがないらしい。


 あいと鍵沼がカラオケ好きだというのは、なんとなくイメージがつきやすい。


「にしても、真尾ってばついにカラオケデビューか。中学んときは俺がいくら誘っても、行かなかったのによ」


「お前と二人きりのカラオケってのに楽しさを見いだせなかったからな」


「ひどくない!?」


 部屋には二つのソファーが、机を挟んで対面に並んでいる。

 そのため、片方には俺とさな、もう片方にはあいと鍵沼が座り……


「ってちょっと待て! なんだこの組み合わせ!」


「そ、そうだよ!」


「あぁ? なにがだ」


 お互いに座り、さあ歌おうとしたところで、立ち上がる鍵沼がなにやら抗議を始める。

 組み合わせ……とは、聞くまでもないが……


「座る位置だ、位置! なんで俺と静海が隣なんだよ!」


「そ、そうだよ!」


 あいと鍵沼を隣同士にしたのはなぜか……ということだ。

 正直、まあこういうことを言ってくるだろうなとは、思っていたが。


 それに対する答えは、決まっている。


「俺と真尾、静海と如月さんでいいじゃ……」


「お前には、恋人を隣同士にしてやろうという配慮はないのか?」


「ぐっ……」


 そう、恋人同士。これこそ、ギャーギャー騒がしい鍵沼を黙らせる必殺の言葉。

 現に、鍵沼は言葉に詰まってしまった。隣ではさなが顔を赤くしているが、仕方ないことだ。


 そもそも、この席配置はさなから言い出したことだ。あいは鍵沼に気がある(推定)ので、二人を隣同士にしようと。

 なので、恋人発言に真っ赤になっているさなには、多少の恥ずかしさに目をつぶってもらいたい。


「い、いや、でもさなちゃんも光矢クンもカラオケのシステムよくわからないでしょ!?

 だったら、使い方わかってる人が隣にいて、教えた方がいいんじゃないかなって……」


「問題ない。使い方を覚えていく過程も含めて、さなとイチャイチャしたい」


「いっ……」


 問題ないと念押ししたところで、今度はあいが真っ赤になり黙ってしまう。なんだというのだ。

 まあ、いいだろう。これは建前ではあるが、同時に本音でもあるのだから。イチャイチャ。


 ここまで言ってまだ、抵抗するようなら……


「……だったら仕方ないか……」


 だが、鍵沼は渋々といった感じに納得を見せた。同時に、あいからも納得が見て取れた。


「あぁ、これ以上の問答は不要だったからな、いい判断だ。

 お前でも空気は読めるみたいだな」


「二人の間に割り込むぞこら」


「そんなことしたら殴るぞ、マジで」


 とりあえず席の配置に文句がなくなったところで、用意されていた機械を手に取る。なるほど、こいつで歌を選択するのか。

 操作するのは……パネルのようなものか。指先で操作可能とは、文明の発展はやはりすさまじいな。


 ふむ、歌手名に曲名か……だが、俺は最近の曲などまったく知らんからな。

 なんか両親が見ているドラマの主題歌や、CMで流れる曲がせいぜいだ。魔王だった頃は、魔王様のために捧げる歌、というものを部下が作り、それを聞き続けたせいで歌詞まで覚えてしまったがな。


 さなは、どうだろうか。さなの歌声をぜひとも聞いてみたいが……


「……さな?」


「ひゃ、ひゃい!?」


 隣のさなに言葉をかけると、彼女は肩を跳ねさせ、驚いたような様子だ。ただ名前を呼んだだけで、どうしてそんな反応を……

 ……あぁ、なるほど。近い、のか。


 操作パネルは、二台。つまり隣同士に座っている俺とさな、あいと鍵沼でそれぞれを見ることになる。

 身を寄せ合って、一つのパネルを覗き込むのだ。しかもカラオケ初心者二人が。


 そりゃあ、距離も近くなる。なんなら肩も触れあっている。


「ドキドキするな」


「本当にそう思ってます……?」


 俺は昔から……これは魔王だった頃からだが、どうやらあまり表情が変わらないらしい。

 なので、ドキドキしていると正直に伝えても、信じてもらえない。なんということだろう。


 とはいえ、さなのように顔真っ赤で、というのも、それはそれとして俺には似合わないだろう。


「あぁ、本当にそう思っているさ。それと……俺たちが、こうも距離が近いということは……」


「……あっ、あいちゃんと鍵沼くんも……!?」


 カラオケルーム内では、歌を歌わずとも画面からなんか映像が流れているので、この距離なら堂々と話していても、気づかれない。

 俺は、あいと鍵沼を示し、さなもそれに気付く。


 そう、俺とさながこれだけ近くの距離にいるのだ。あの二人も距離は近くなっているに違いない!

 そう思って、ちらりと二人を見た。


「ん」


「ん」


 そこにいたのは、ある程度の距離を開け、さなが機械を鍵沼に手渡す場面だった。


「じゃ、一番いっきまーす」


 と、画面が切り替わり、さなが居れたらしい歌が流れ始める。それを見ることもなく、鍵沼はパネルを操作している。

 軽快な前奏、そしてマイクを持ち歌い始める、あいの可愛らしい声……


「距離が遠い……だと!?」


 あいも鍵沼も、俺たちのように身を寄せ合ってパネルを操作していない……だと!? それどころか、慣れた手つきで歌を入れ終えたあいが、パネルを鍵沼にパスして……

 二人とも、一人でパネルを操作している……だと!?


 そうか……カラオケに慣れている二人は、俺たちのように身を寄せ合って、操作方法を調べ合う必要がない……ってことか。

 それどころか、まるで流れ作業のように……


 さっそくあいと鍵沼の距離を近づけることができたかもと思った矢先、それは失敗した。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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