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転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は青春を謳歌する

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いざダブルデートへ



 さなとの仲直り、あいとのその晩の電話……それからあっという間に時間は過ぎ、今は休日だ。

 本来ならば家でゆっくりするところだが、今日は違う。用事がある。


 さなとのデート……とはっきり言えればよかったのだが、残念ながらそうではない。

 今日は……


「あ、真尾くーん! おはようございます!」


「光矢クンってば早いねー、おはよう」


「ん、さなにあい。二人ともおはよう」


 さなの他にあい、ついでに鍵沼もいる。今日は、ダブルデートだ。

 もっとも、ダブルデートという認識は俺とさなの中にしかなく、あいと鍵沼は普通に遊ぶのだと思っているが。


 あいは鍵沼を気にしている、とのさなの意見を受け、こうしてダブルデートの運びとなったわけだ。

 そのさなの私服は、さすがの着こなしだ。白いシャツにカーディガンを羽織っていて、長いスカートは清楚さを感じさせる。どこかのお嬢様のようだ。


 一方のあいはというと……


「な、なに?」


「いや、スカートなんだな。あいはズボンのイメージが強かったが」


「あ、なにいきなり脚見てるのさー、やらしいなー」


「はっ」


「鼻で笑った!?」


 あいはもっと活発的な恰好だと思ったが、意外とおしゃれをしているように見える。帽子も被っているし。

 まあ、女のおしゃれのことなどこれっぽっちもわからんがな。


 さて、あとは鍵沼を待つのみなのだが……


「鍵沼のくせに、俺たちを待たせるとはな」


「そうね、鍵沼のくせに生意気」


「ふ、二人とも。まだ集合時間までは時間があるから……」


 この場にいないのは、鍵沼のみ。さなの言うように確かにまだ、集合時間まで時間はあるが……

 しかし、すでに三人揃っている時点で、あいつが遅れているという事実に変わりはない。


 もしこれが普通に遊ぶだけならば、あいつを待つことはなくさっさと行っていただろう。だが、あくまでもこれはダブルデート。

 鍵沼もいなければ、始まらないのだ。


「おー、三人とも早いなー」


 それからしばらくして、陽気な声とともに現れた鍵沼。遊ぶのが嬉しいからか、遅れたというのにニコニコだ。

 一発叩いてやりたい気持ちを抑えつつ、ぶんぶんと手を振る鍵沼を見る。


「やっと来たか。遅いぞ鍵沼」


「遅いぞー」


「まだ集合時間前なのに!?」


 今日の待ち合わせ時間までには、まだ時間はある。なので、別に鍵沼は遅れた、というわけではない。

 まあ、そんなこと関係ないがな。俺たちを待たせたことに変わりはない。


「さなを待たせた罪は重いぞ」


「お前の如月さん愛重いんだよ……」


「も、もうっ、私のことはいいですからっ。行きましょう!」


 どこか恥ずかしそうなさなの言葉に、俺たちは移動を開始する。せっかく集まったのに、いつまでも動かないわけにもいかないからな。

 ちなみにだが、鍵沼にはさなと交際したことを黙っていたのだが、なぜだかバレていた。



『俺に隠し事なんて……真尾のことで、俺がわからないことなんてないゼ!』


『キッショ……なんでわかるんだよ』


『言い方辛辣じゃない!?』



 あのときは、わりと本気で引いた。

 まあ、バレていた件はもう仕方がない。さすがに、俺のことを全部わかってるなんてことはないだろう。でなければ、俺が転生者であることなどもバレていることになる。


 とりあえず、今日の予定は四人で出掛ける、というものなので、特にどこに行くといった予定はない。


 まあ、このあたりで遊ぶとなれば、自ずとショッピングモールあたりになるのか、と思っていたのだが……


「ね、ね! カラオケ行かない!?」


 と、前を歩いていたあいが振り返り、どこかウキウキした様子で話す。さなも鍵沼も、特に異論はないようだ。

 もちろん俺も、異論はない。のだが……


 カラオケか……聞いたことはある。確か、歌を歌う施設のはずだ。

 というのも、カラオケというものに言ったことはない。中学の頃、鍵沼に何度か誘われたことはあったが……行かなかった。歌を歌うだけ、なにが楽しいんだと思っていたからだ。


 だが、人間の若者から大人にまで人気である施設だというのは調べた。それに、友人で行く者、一人で行く者と、使用する人数も様々だ。


「あぁ、行ってみよう」


 こうして、あいに提案され、さなとついでに鍵沼も異論がないのなら、俺が断る理由はない。

 それに、歌を歌う、ということは、さなの歌声も聞けるということだ。さなの美しい声から紡がれる歌は、それは美しい歌声に違いない。


 どうやらあいはよくカラオケに行くらしいが、さなはあまり行くことはないらしい。なんでも、人前で歌うのは恥ずかしいのだとか。

 気持ちはよくわかる。


「四人でお願いしまーす」


 近くのカラオケ店に行き、受付はあいが慣れた手付きで済ませていく。どうやら、この店にはよく来ているらしい。

 スマホからアプリを出し、バーコードを出したりなんかして店員とやり取りをしている。


「えっと、じゃ二時間でいいかな」


「えっと……任せる」


「はいはーい。

 あ、クーポンあります」


 はぁ、今の世は便利になったものだな。片手サイズのあの箱一つで、いろいろなことができるというのだから。まるで魔法だ。

 ただ、この世界では魔法という概念はあっても、実際に使うことはできない。自身の体内に残っている魔力を消費する形で、使うことはできるが。


 以前新良はその方法で魔法を使っていたが、この世界で不自然な魔法を使えば誰かに目をつけられるかもしれない。気をつけなければならないな。


「おまたせー。はい、あそこでドリンク注いで部屋にゴーだよ」


「ドリンク?」


「そ。ドリンクバーね。時間内ならいくら飲んでもオーケーなの」


「なんと」


 初めて来たカラオケ店の説明を受けながら、俺は用意されていたコップを取り、ドリンクを注いでいく。

 ただ歌うだけの施設ではなかったのか。あいが言うには、注文すればフードサービスもあるようだ。


 今まで知識しかなかったが、なるほどこういう場所か。店内は静かとは言い難い騒がしさだが、それだけにここが歌う施設だというのがわかる。

 あいの案内を先頭に、俺たちはカラオケルームの一室へと足を踏み入れていく。

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