表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜  作者: 白い彗星
転生魔王は青春を謳歌する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/114

好きな奴はいないのか?



 互いに気持ちを伝えあった俺とさなは、より強固な絆で結ばれた……と思う。

 思う、と自信がなさげに表現されてしまうが、人の気持ちなんて目に見えないものに、断定することなどできはしない。


 あの後、俺はさなをさなの自宅まで送っていった。その場に新良を残してきてしまったが、まあ心配いるまい。

 で、今は自宅……自分の部屋だ。ベッドの上に座り、俺は……


『じゃあ、仲直りできたんだね。よかったよかった』


「あぁ」


 スマホ片手に、あいと通話をしていた。

 耳に当てた機械から、あいの明るい声が聞こえてくる。


「すまん、迷惑をかけたな」


『迷惑だなんてそんなー。ボクはたいしたことはしてないよ。

 まあでも、二人なら大丈夫じゃないかなって思ってたけどね』


「それでも、あのときあいがさなを追いかけてくれたおかげだ。今度なにかしら礼を……」


『いやー、ホントにいいんだってー。まあでもー? ボクは別にお礼なんて求めてないんだけどー? この間、駅前にできたクレープ屋さんのクレープが、食べたいいなーって? 思ってはいるんだけど』


 礼はいらないと言いながら、しっかりほしがっているじゃないかこいつ。

 とはいえ、あいのおかげで俺とさなは仲直りできた。その要因になってくれたと、俺は思っている。


 だから、なんだ……


「あぁ、クレープでもなんでもおごってやる」


『! ホントー? いや悪いねー、全然そんなつもりじゃないんだけどー』


「そのつもりがないつもりなら、せめて声のトーンを落とせ」


 あいは本当に嘘というか、ごまかすのが下手だな。そこがあいの魅力でもあると思うが。

 しかし、今回の礼もそうだが……あいには、世話になってばかりだな。


 思えば、入学初日に、さなに想いを伝えた俺に絡んでくる形で、関わることになったんだったか。

 いや、あれは俺に絡んでくるというか、さなを守っていたのだろう。


 その後、鍵沼の幼馴染だと判明して。遅かれ早かれ、あいとは関わりを持つことになっていただろうか。それとも、鍵沼との関係を見るに……その後も深く関わることはなく、あくまで一クラスメートとしての関係でしかなかっただろうか。


「……あいは、好きな奴はいないのか?」


『…………はぇ?』


「ん?」


 あれ……今、俺、なんて言った?

 電話口の向こうでは……多分だが、あいが餌を前にした魚のように、口をパクパクさせているだろうことがわかる。


 それから、しばらくして……


『は、はぁあああああ!?』


 めちゃくちゃ、大きな声が聞こえた。


「あい、声を抑えてくれ」


『う、ごめん……じゃなくて! いきなりなにさ!

 す、すす……好きな人、だなんて!』


 なんでだろうな……いくら考え事をしていたからといって、そんなすらっと出てくるような内容ではないのに。

 どうして、こんなことを……あ、そうか。


「あれだ。今回俺とさなの仲直りに協力してくれただろう。それ以前にも、お前にはいろいろと世話になっている。

 だから、お前に想い人がいるなら、それを手助けできないかと思ってな」


『だから、の先おかしくない!? 話飛躍し過ぎなんだけど!』


 考えてみれば……あいは鍵沼のことが気になっている、とさなから持ち掛けられて。

 あいから鍵沼をどう思っているかの確認はしたが……大事なことを、確認することを忘れていた。


 あいが、今好きな相手はいるのかどうか。あいから一個人への気持ちを確かめるのではなく、あい自身が一個人に気持ちを向けているのかそうでないのか……

 大事なことを、確認していなかった。


『そりゃ、気持ちは嬉しいけど……

 そ、そもそもボクに世話になってるって、それは買い被りで……』


「まあ話を聞け。恋人ってのはいいもんだぞ。これまでつまらなかった世界が、そのすべてが鮮やかに変わる。

 正直、魔力もなにもない世界で、こんな軟弱な身体で生きていくことに絶望すら覚えていたが、さなと出会ってすべてが変わった。恋人ってのはいいもんだぞ」


『光矢クンこそ話聞こうよ! いつから恋人自慢聞かせろって話になったのさ! あとボクのろけられてる!?

 ……あと、なんか魔力がどうのとか聞こえたんだけど?』


 おっと、またやってしまったか……どうにも、さなのことになると俺は、我を忘れてしまうようだ。

 それに、お礼にあいの恋模様を応援しよう、なんて確かに飛躍していたな。


 そもそも、あいにそんな相手がいれば、さながあんなことを言うはずもない……か。鍵沼を気にしているなどと。

 もちろん、なにもかもをさなに連絡するわけではないだろう。だが、あいの性格上、好きな相手ができたら、さなに報告しそうだ。


 さっきも、今回の件を二人で電話していたみたいだしな。あいはさなから、今回の件の顛末を聞いて知っているのに、俺の話に付き合ってくれているわけだ。


『す、好きな相手なんて……そんな、ボクは、別に……

 さ、さなちゃんやみんなと遊んでいた方が、楽しいし』


「あ、思い出した。週末、俺とさなとあい、あと鍵沼で出掛けようって話をしたのを覚えてるか」


『また唐突だな!? 覚えてるけど!』


 ぼそぼそとなにかを言っていたが、みんなと遊ぶ、という言葉が聞こえたことで、思い出した。

 今日、さなから持ち掛けられたダブルデートの提案……それは、俺とさな、あいと鍵沼の組み合わせを指してのものだった。

 もっとも、あいが鍵沼を気にしているというのは、さなの予想でしかないのだが……さなの予想なら、俺は全力で信じるさ。


 今日話したことなのに、すっかり忘れていた。新良と会って、いろいろあったからな。思い出してよかった。

 それから、あいの好きな人、という話題は華麗に流されてしまい、週末のお出かけと、改めて今日の礼を告げることで、通話を終えた。


 まあ、好きな人云々は置いておいても……あいには、なんらかのお礼はしないとな。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ