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大学2年生、春
これで本当に終わりです!お付き合いいただきありがとうございました!
今日は大学に入って二度目の入学式だ。
去年の入学式の時のことが昨日のように思えるのに、あっという間に2年生である。
「俺の高校からは河実って奴が来るんだよな。アイツ戦績も良くて確か東京の大学にスポーツ推薦決まってたのに蹴ってこっちに来る事にしたらしい。」
「まあ、うちの部は強いし、そういう事もあるかもしれん。うちの高校からは眞鍋が来る。あいつは偏差値がギリギリで半死半生で入試に挑んだらしい。」
「うう、一年前の俺の姿を見るようだ。」
話しながら、浅羽の小指はさりげなく宇梶の小指をつかむ。
宇梶は人前でこういう事をされるのを本当に嫌がる。
しかし、浅羽はそれを許さない。
ふりはらおうものなら後でキスもさせてやらない。
踏み絵なのだ。
宇梶の動きがぎしぎしっとなって、顔が赤くなり、それでも浅羽を離さなかった。
(今日は合格だな。)
するり、と指を話してやる。
宇梶はふぅ、と息をついた。