01 異世界へ
不定期更新の予定です。
他の作品の息抜きに書いたので更新は遅めだと思います。
来栖侑は気が付けば白い空間にいた。
少し前までPCでストラテジーゲームをしていた筈である。
困惑しながら辺りを見回すが白い空間で他には何もない。
どうするか悩んでいると、いつの間にか目の前には光り輝く存在がいた。
輪郭から人の様には見えるが、光が眩しすぎて正確には人物を捉えることが出来ない。
「あんたはなんだ?」
「私はそうですね………貴方に分かりやすく言えば神ですかね。それも貴方の世界のではなく別世界の神ですね」
そう言うが俄には信じられないが、今の状況から信じるしか他に方法が無さそうである。
「それで何のためにここに?」
「おや?理解が早いですね。私も時間がないので手短に説明します」
神と名乗る存在はそう言って侑に理由を話し始める。
「私が管理する世界にはこの世界と同じく人類とそれに類似した種族や貴方の世界では空想上のモンスターなども存在します。
そして私の管理する世界の人類は滅びゆく運命なのです。大陸の殆どは人類ではなくモンスターの生息域であり数少ない人類の生存権を巡り同じ人類同士で奪い合う日々で、衰退する一方なのです。
何度か私の啓示として手を取り合う様にと伝えましたが、一時的に手は組んでも直ぐに争い始めました。
そこで私は別の世界の人間を召喚する事にしました。
勇者と呼ばれモンスターを倒し次々と新たな人類の領域を増やして行き、勇者は人類の希望となりましたが、それも時が過ぎると堕落する勇者や勇者を邪魔に思う権力者が現れる様になりました。
ですので私は今度は人類を良い方法に向けるには強引な手段が必要と感じました。
そこで貴方には人類全てを支配下に置いて、人類を正しい方向に導いて欲しいと思いました。
こう言った強引な手段の解決方法しかなく、私の力不足のせいで貴方にはご迷惑をお掛けする事になりますが、どうかお願いします」
「一つ質問をいいだろうか?何故貴方が直接手を下さないのだ?」
「私にも制約があり直接手を下すのは無理なのです。勇者の召喚や啓示もかなり大きな代償を必要としましたから、なので貴方を召喚すると私は暫く眠る事になります」
「それで俺にメリットはないのか?」
「勿論。私の願いを叶えてくれれば、貴方の死後どのような願いでも叶えましょう。その時には私も力をある程度回復しているでしょうから」
「それでどのような能力をくれるんだ?」
「貴方が遊んでいたゲームの力とそれを強化したものを渡します。
しかし初めから全てを渡すと貴方の器が壊れる可能性があるので、そうですね。わかりやすく言うと、貴方の初期レベルは1でレベルアップする事に能力を解放して行きます」
「わかった」
「ありがとうございます。ではよろしくお願いします」
そうして次の瞬間、侑は異世界の地に降り立つ。